認知症予防に音楽は有効?5つの効果やおすすめの音楽、注意点を解説

認知症予防に音楽は有効?5つの効果やおすすめの音楽、注意点を解説

「音楽が認知症予防に役立つと聞いたけれど、本当に効果はあるのだろうか」「好きな曲を聴くだけでも意味があるのか」と疑問に感じていませんか。

認知症のリスクを下げるためには、運動や食事の見直しが注目されがちですが、音楽も気分の安定や回想のきっかけづくりになる可能性があるといわれています。

本記事では、認知症のリスク低減を目指す際の音楽の効果や取り入れ方、おすすめの音楽、注意点までを整理して解説します。音楽を上手に活用することで、無理なく認知症予防の1つとして取り組めるでしょう。

認知症予防に音楽は有効?

認知症予防に音楽は有効?

音楽は聴覚を通じて脳に働きかけ、感情や記憶にかかわる領域にも影響すると考えられています。

とくに、若いころによく聴いていた曲や家族との思い出がある曲は、過去の体験と強く結びついていることから、音楽をきっかけに昔の思い出がよみがえり、会話が広がることも少なくありません。

音楽をきっかけに過去の体験を思い出すことは、脳を使う時間を自然に増やす機会になります。音楽だけで認知症を防げると断定することはできませんが、生活の中で続けやすい予防的な習慣といえるでしょう。

認知症の音楽療法の種類

認知症の音楽療法の種類

認知症の音楽療法には、受動的音楽療法と能動的音楽療法の2つがあります。それぞれの音楽療法の特徴を把握しておきましょう。

受動的音楽療法

受動的音楽療法は、音楽を聴くことを中心に、感情や気分に働きかける方法です。無理に歌唱や演奏を求めず、本人が心地良いと感じる曲に触れる時間にしましょう。

懐かしい楽曲に触れると過去の記憶や情景が自然に思い起こされ、安心感や落ち着きが得られやすくなります。不安や興奮が強い場面で取り入れられることも多く、生活のリズムを整えたい場合にも活用されています。

能動的音楽療法

能動的音楽療法は、歌唱や楽器演奏など自ら積極的にかかわる活動を通じて脳と身体を同時に使う方法です。聴くだけでなく声を出し、手指を動かす過程が加わるため、さまざまな刺激が生まれます。

発声やリズムに合わせた動作は注意や集中を促し、認知機能への働きかけにつながると考えられます。複数人で取り組む場面では自然な会話や笑顔が生まれ、社会的な役割の維持にも役立つ取り組みとしての活用も可能です。

認知症予防としての音楽療法に期待される効果

認知症予防としての音楽療法に期待される効果

認知症のリスク低減を目指して音楽療法を取り入れる際、いくつかの効果が見込めます。音楽療法の効果を見ていきましょう。

周辺症状の緩和

認知症では、中核症状に加えて「周辺症状(BPSD)」と呼ばれる行動面や心理面の変化がみられる場合があります。代表的な周辺症状は次のとおりです。

  • 不安・抑うつ
  • 幻覚・錯覚
  • 妄想・せん妄
  • ひとり歩き・多動
  • 暴言・暴力

音楽は気持ちを整える助けになり、周辺症状の緩和につながる場合があります。

ただし、すべての方で音楽による周辺症状の緩和がみられるとは限りません。医療や介護の支援と組み合わせながら取り入れることが大切です。

認知症の周辺症状は、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にご覧ください。

記憶の活性化

記憶の活性化には音楽療法が有効と考えられています。音楽は海馬や前頭葉など複数の脳領域を同時に刺激し、記憶の想起を促す特性があるためです。

過去の体験と結びついた楽曲に触れると当時の情景や感情がよみがえり、自己認識の維持にもつながります。記憶をきっかけに会話や思考の機会が増え、認知機能を使う時間を自然に確保できる点も重要です。

身体機能の維持

身体機能の維持にも音楽療法は役立つと考えられています。リズム刺激が運動にかかわる脳の働きを活性化し、自然な身体の動きを引き出しやすくなるためです。

音楽に合わせた体操や手拍子は意欲を高め、継続的な身体活動へとつながりやすくなります。身体を動かす時間が確保されると血流が改善し、脳機能の低下を抑えられる可能性があります。

社会性の向上

音楽は共有しやすい体験です。同じ曲を聴いたり歌ったりすることで、自然と一体感が生まれます。

言葉が出にくい場面でも、リズムやメロディーを通じた交流が可能です。孤立感の軽減にもつながると考えられています。人とかかわる時間が増えることは、刺激の機会が増えることにもなります。

生活の質の向上

生活の質の向上も音楽療法で期待される効果の1つです。好きな音楽に触れる時間は楽しい気持ちを引き出し、日常の満足感を高めやすくなります。

気分が前向きに保たれると意欲や活動性の維持につながりやすく、外出や交流への関心も持ちやすくなるでしょう。楽しみを感じる機会が増えることは生活全体に張り合いをもたらし、毎日の過ごし方に前向きな変化を生み出します。

認知症の予防に音楽を取り入れる方法

認知症の予防に音楽を取り入れる方法

音楽療法を生活に取り入れる方法はいくつかあります。各音楽療法の方法を把握し、取り入れやすい方法を選択しましょう。

好きな曲を聴く

好きな曲を聴くことは、認知症のリスク低減を目指す方法として取り入れやすいです。本人の思い出に関係した楽曲は刺激しやすく、記憶を自然に引き出すきっかけになります。

安心感を与える音楽に触れる時間は不安の軽減につながり、落ち着いた状態を保ちやすくなります。体力や特別な技術を必要としないため、高齢の方でも負担が少なく、日常生活に無理なく取り入れやすい方法です。

歌を歌う

歌を歌うことは、認知症のリスク低減が期待できる取り組みです。歌唱は呼吸や発声を伴い、脳と身体を同時に使う活動であるため、刺激を高めやすい特徴があります。

歌詞を思い出しながら声に出すことが記憶や注意を使う機会となり、思考の活性化にもつながります。家族と一緒に歌う時間は自然な会話や笑顔を生み、社会的な刺激を無理なく取り入れられる方法といえるでしょう。

楽器を演奏する

楽器を演奏することは、能動的音楽療法です。手指の動きとリズムの処理を同時におこなう活動であり、複数の脳領域を活性化しやすい特徴があります。

タンバリンやカスタネットなど扱いやすい楽器であれば初心者でも参加しやすく、負担を感じにくい点も魅力です。高度な技術がなくても音を鳴らすことが刺激となり、楽しみながら続けやすい取り組みといえます。

音楽に合わせて体操をする

音楽に合わせて体操をおこなう方法は、身体活動にもつながる音楽療法です。リズムに沿った運動は運動野を刺激し、身体活動を無理なく引き出しやすくなります。

音楽が動機づけとなるため、単調になりがちな運動でも楽しみながら継続しやすいでしょう。身体活動と音刺激が同時に加わる環境は総合的な認知刺激につながり、日常生活の中で自然に取り組めます。

認知症の予防におすすめの音楽

認知症の予防におすすめの音楽

音楽療法では、どのような曲を活用するかが大切です。認知症のリスク低減を目指す際に、おすすめの音楽を説明していきましょう。

好みの音楽や思い入れがある音楽

好みの音楽や思い入れがある音楽を選ぶことが、音楽療法では重要です。本人の嗜好を優先して、青春期や家族との思い出と結びつく楽曲を候補に入れて選ぶと記憶を刺激しやすくなります。

一方で嫌な体験がよみがえる恐れもあるため、認知症の方の表情や様子を観察し、合わない場合は曲を入れ替える配慮が欠かせません。家族で候補曲の一覧を作成し、落ち着きたい場面をはじめ、目的別に使い分ける工夫も大切です。

クラシックやジャズなどの音楽

クラシックやジャズなどの音楽は、音楽療法に取り入れやすい音楽のジャンルです。歌詞がない、または少ない楽曲が多いため言語処理の負担が比較的少なく、落ち着いて聴きやすい点が特徴です。

一定のリズムや穏やかな旋律はリラックスしやすい音環境を整えやすく、心身の緊張を和らげる助けになります。ただし、すべての方に適しているわけではないため、本人の好みを踏まえた選曲を心がけましょう。

認知症予防として音楽を取り入れる際の注意点

認知症予防として音楽を取り入れる際の注意点

認知症のリスク低減に音楽を取り入れる際に注意すべき点がいくつかあります。音楽療法に取り組む前に、下記の注意点を把握しておきましょう。

聴力を確認する

音楽を取り入れる前に聴力を確認することが大切です。普段の会話やテレビの音量から聞こえ方を把握し、聞き取りづらさがないか確かめる必要があります。

聞こえにくさがある場合は周囲の雑音を減らすなど環境を整え、負担の少ない形でおこなう工夫が求められます。補聴器を使用している際は装着状態も確認し、不快感があれば無理をせず中断して専門家に相談すると安心でしょう。

適切な音量に調整する

音楽を取り入れる際は、適切な音量に調整することが重要です。会話が無理なくできる程度を目安とし、急な大音量や強い低音の響きを避けることで耳への負担を減らせます。

静かな場所でおこない、周囲の雑音を減らすと聞き取りやすくなり集中もしやすくなります。イヤホンやヘッドホンは合う人に限って使用し、嫌がる様子が見られた場合は無理をせず別の方法に変更しましょう。

短時間で無理なく取り入れる

音楽療法は短時間で無理なく取り入れることが大切です。はじめは数分程度から始め、疲れが残らない範囲を見極めながら徐々に慣らしていく方法が続けやすいです。

体調や睡眠状況によって反応は変わるため、その日の様子を確認して実施の可否を判断しましょう。

音楽療法士に相談する

音楽療法を取り入れる際は、音楽療法士に相談する選択肢もあります。音楽療法士は音楽を用いた支援の専門職で、心身の状態に合わせたアドバイスが可能です。

本人の状態や目的に沿って、楽曲の選び方や進め方の提案を受けられ、安心して取り組みやすくなるでしょう。ただし、音楽療法士によるアドバイスは認知症の治療や予防効果を保証するものではない点に注意してください。

認知症予防に音楽を取り入れる際のよくある質問

認知症リスクの低減を目指す際の音楽に関するよくある疑問を整理しました。より詳しく理解するための参考にしてください。

音楽を聴くだけでも予防効果は期待できる?

音楽を聴くだけでも一定の効果が見込めます。心地よい音楽は気分の安定やストレスの軽減につながる可能性があり、日常に取り入れる価値はあると考えられます。

一方で認知症予防への影響には個人差が大きく、音楽だけでリスク低減が可能とは断定できません。まずは聴く習慣から始め、負担がなければ歌唱や体操などの活動へ広げる方法を検討しましょう。

認知症予防の音楽としてガンマ波サウンドは効果的?

ガンマ波サウンドは、認知症のリスク低減が注目されていますが、現時点で効果を断定することはできません。特定の周波数で脳活動を刺激することを目的とした音であり、研究が進められている段階にあります。

明確な効果があると結論づけられる状況ではないため、過度な効果を見込むのは避けたほうがよいでしょう。運動や社会参加など、ほかの習慣と組み合わせ、総合的な取り組みの1つとして活用する視点が大切です。

認知症予防が期待できる音楽以外のケア方法は?

音楽以外にも認知症のリスク低減が期待できるケア方法はあります。有酸素運動や筋力維持は認知機能の維持と関係するとされており、体調に配慮しながら無理のない範囲で続けることが推奨されています。

また、人との交流や趣味活動も刺激になりやすく、外出や地域活動への参加機会を作る工夫が大切です。加えて睡眠や栄養、持病の管理を含めた生活習慣の見直しをおこない、必要に応じて医療機関への相談も検討しましょう。

認知症のリスクを低減させる生活習慣の詳細は下記の記事で説明しているので、参考にご活用ください。

認知症予防に音楽を取り入れつつ認知機能はアプリでチェック

音楽は、聴く・歌う・演奏するなどの活動を通じて脳と身体を同時に使える、日常に取り入れやすい方法です。特別な道具を必要とせず、自宅でも始めやすいため、生活の中に無理なく組み込めるという特徴があります。

好きな曲に触れる時間は気分の安定や回想のきっかけづくりにつながります。ただし、音楽療法は認知症のリスクを低減できるとは断定できません。また、認知症の方の負担にならないよう、体調や体力に合わせて無理のない範囲での継続を心がけましょう。

なお、日々の取り組みとあわせて、ベルコメンバーズアプリを活用して認知機能の状態を確認する方法もあります。

チェック結果は総合評価だけでなく、チェック項目ごとの数値や専門医によるコメントの確認が可能です。過去の結果は自動で記録され、グラフで推移を把握できるため、気になる点の整理に役立ちます。

音楽を取り入れた生活習慣とあわせて活用し、認知機能の変化の確認や医療機関の受診を検討する際の判断材料として役立ててください。

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