認知症

【無料プリントあり】認知症予防に役立つプリントの活用方法と選び方

認知症予防として、家庭や施設で簡単に取り組めるプリントは多くの種類があります。
どれが認知症予防に効果的か悩んだことはありませんか?
この記事では、「認知機能の改善や認知症予防が期待できるプリントの種類」や、「効果的な取り組み方」について解説しています。
無料の認知症予防のプリントもご用意しましたので、ぜひご活用ください。
Contents
プリントは認知症予防になる?
世界保健機関(WHO)の「認知機能低下および認知症のリスク低減のためのガイドライン」では、認知トレーニング(認知課題)は、認知機能が正常な高齢者、または軽度認知障害(MCI)の高齢者に、認知機能の低下予防や認知症予防のために行ってもよいとされています。
認知課題には個人で行う計算や漢字、注意課題、パズル、塗り絵などのプリントやゲーム、アプリのほか、グループで取り組むトランプや麻雀などのボードゲームなどもあります。
その中でもプリントは、市販のドリルやWebサイトで手に入るため、手軽に取り組める認知症予防として、家庭や施設などでも多く取り入れられているプログラムです。
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認知症予防に役立つプリントの種類
頭を使う課題は認知症予防に効果的だと言われています。
計算やパズルなどの脳トレゲームはわずかに認知機能の改善が期待できるとされています。
しかし、どのようなゲームでも改善するわけではありません。
また、どのようなゲームが効果的か、認知症予防になるのかということもはっきりとはわかっていません。
注意(選択性注意、配分性注意)と記憶(覚える、覚えておく、思い出す)に関しては、認知課題が効果的だという報告もあります。
ただし、認知課題のみ行っても認知症予防にはならず、生活習慣の改善や運動などを中心に取り組み、あくまでも補助的な位置づけでプリントを取り入れることが推奨されています。
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認知症予防プリントの効果的な取り組み方
認知課題は記憶が改善したという報告がある一方で、課題が終わればその効果は持続しないとも言われています。
そのため、継続的に取り組むことが大切です。
続けて取り組むためにも、しんどくなるような難しい問題ではなく、脳を使って考えることを楽しめるような問題を選びましょう。
【無料あり】認知症予防のための記憶・注意課題のプリント
認知機能の改善が期待できると報告されている記憶、注意を中心に、どのようなプリントがおすすめかを解説します。
記憶と注意課題の無料プリントもご用意しましたので、ご家庭などでご活用ください。
記銘課題プリント
記憶には下記の「3つの機能」があります。
- 記銘:覚える
- 保持:覚えておく
- 想起:覚えておいたものを思い出す
記銘は、いくつかの絵や文字、数字を見た後に、書かれていたものと同じものを書く、選ぶプリントがあります。
保持・想起は、記銘した後に、ほかの活動や課題を行い、しばらくしてから一度覚えたものを思い出すという課題です。
【無料】記銘課題プリントはこちらからダウンロードしていただけます。(製作中)
(プリント例)


- 書かれている単語を覚えて書く、または丸を付ける課題です
- 単語はイラスト、ひらがな、漢字のタイプがあります
- 書かれている数字と位置の両方を覚える課題も用意しました
- 自由に単語や数字を書きこんで、カスタマイズして使用できるプリントもありますので、レベルに合わせて活用してください
注意課題プリント
注意には持続性注意、選択性注意、配分性注意、転換性注意などがありますが、認知課題においては、選択性注意と配分性注意の改善がみられるとされています。
選択性注意とは、多くの情報の中から必要な情報を選択できること、配分性注意とは複数の課題・要求に同時に対応できる能力です。
配分性注意は2つ以上の課題を行うときに限らず、1つの課題の中でも必要とされる場面があります。。
選択性注意を必要とする注意課題プリントは、多くの情報の中から目的の文字や数字・記号などを見つけるものや、数字とひらがなを交互につないでいくものなどです。
配分性注意には注意の制御と遂行も関係しています。
注意の制御は「必要に応じて、集中したり注意を切り替えたりする能力」と定義される脳の機能です。
選択性注意とともに、注意の制御も関連すると考えられている課題にストループ課題があります。
ストループ課題は、一般的には書かれている文字と文字の色が一致しない場合に文字の色を答える課題を指します。
注意課題プリントは1つの注意機能だけを使用する課題はなく、複数の注意機能やそのほかの認知機能も必要とする課題がほとんどといえるでしょう。
【無料】注意課題プリントはこちらからダウンロードしていただけます。(製作中)
(プリント例)


- 6×6のマス目に書かれている文字から単語や熟語を選ぶ課題と同じ記号を選ぶ課題です
- 選ぶ課題は答えもあります
- ストループ課題はカラー印刷が必要です
【無料】記銘課題・注意課題プリント一式はこちらからダウンロードしていただけます。(製作中)
※プリントは個人で作成したものです。
※取り組めば認知機能が改善するものではありません。
※ご家庭や施設で娯楽の1つとして楽しむ範囲でご活用ください。
認知症予防プリントの選び方
日常生活で行っている活動には、複数の認知機能が使用されています。
厚生労働省の「自治体における認知症の『予防』に資する取り組み事例集」でも紹介されている「とっとり方式認知症予防法」では、記憶や注意に限らず、さまざまな認知機能を刺激するプログラムが例として挙げられています。
とっとり方式認知症予防法の認知機能を使用する活動例から、プリント課題として取り組めそうな内容をピックアップしました。
プリント選びの際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
- 視空間認知機能:貼り絵、塗り絵
- 注意機能:迷路、点つなぎ、まちがい探し
- 作業記憶(ワーキングメモリ):クロスワードパズル、ナンバープレイス(数独)
- 計算力:計算問題(お釣りの計算、アナログ時計の時間など)
- 思考力:50音作文、漢字ドリル、川柳を詠む
- 遂行力:カレンダー作成
- 判断力:パズル(図形や日本地図のパズルなど)
習慣化につながるように、楽しく取り組めそうなプリントを選びましょう。
認知症予防プリント以外にアプリもおすすめ
認知機能課題はプリントでも行えますが、アプリも多く出ています。
中には「ベルコメンバーズアプリ」のように、認知機能課題に取り組みながら認知機能チェックができるアプリもあります。
認知機能が低下していないかを定期的にチェックすることで、早期に適切な対処につながり、認知機能が回復する可能性が広がります。
プリントと一緒にアプリも活用してみてはいかがでしょうか。
『認知症予防に役立つチェックアプリ3選!おすすめポイントも紹介』
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