認知症の種類と特徴を解説|改善が期待できる原因や受診の目安も紹介
「もの忘れが増えてきて心配…」
「歩き方や様子が以前と違う気がする」
そんな変化に気づくと、どの種類の認知症なのか、受診すべきか不安になる方は少なくありません。認知症にはいくつかのタイプがあり、症状の現れ方にも特徴があります。
本記事では、主な種類に加え、治療で改善が期待できる認知症、受診の目安や相談先をわかりやすくまとめました。大切な方の変化に気づいたときの判断材料として、ぜひお役立てください。
目次
症状から見る認知症の種類

主な認知症の種類は、次の4つです。
- アルツハイマー型認知症
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭葉変性症
ここでは、日常で気づきやすい変化を手がかりに、どの種類の認知症が考えられるのか、特徴をわかりやすくまとめました。
1.もの忘れが目立つ|アルツハイマー型認知症に多い
アルツハイマー型認知症に多い症状はもの忘れで、最近の出来事を思い出せない(近時記憶障害)ことが特徴です。たとえば、会話した内容をすぐ忘れる、同じ質問を繰り返す、財布や鍵をよく失くすなどの変化がみられます*1。
進行すると、予定管理や家事の段取りが難しくなることもあります。ゆっくり進行するため、年齢のせいと見過ごされがちです。
2.幻視や動作のゆらぎがある|レビー小体型認知症の特徴
レビー小体型認知症では、鮮明な幻視が比較的早い段階からみられることがあります*1。たとえば、いないはずの人や虫、小動物が見えるなどです。
また、日によって意識がはっきりしている時とぼんやりする時の差が大きい認知機能のゆらぎも特徴です。動作が遅くなる、手が震える、歩幅が小さくなるなど、パーキンソン症状が出現することもあります。
3.歩行がぎこちない |血管性・レビー小体型認知症でみられる
血管性認知症の場合、脳梗塞などの影響で歩行のバランスが崩れやすくなることがあります。たとえば、段差でつまずく、歩幅が小さくなる、方向転換に時間がかかるなどです。レビー小体型認知症でも一歩目が出にくい、小刻み歩行など歩行の変化が起こりやすく、家族が気づきやすいサインの1つです。
4.同じ行動を繰り返す・性格の変化 |前頭側頭型認知症を疑う
前頭側頭型認知症では、記憶障害よりも行動や人格の変化が前面に出ることが特徴です。たとえば、感情のコントロールが難しくなる、同じ行動を繰り返す、急に怒りっぽくなるなどが見られます*1。65歳未満の比較的若い年代に発症することもあります。
症状はあくまで傾向であり、複数の症状が重なるケースや個人差もあります。気になる変化がみられる場合は、早めに医療機関や専門家に相談しましょう。
4種類の認知症の特徴や症状は「認知症の4種類の特徴とは?症状を知って認知症にならないようにしよう」こちらでも詳しく解説していますので、参考にご覧ください。
治療で改善が期待できる主な認知症の種類

認知症のような症状があっても、原因を治療することで改善が期待できる病気もあります。
正常圧水頭症
正常圧水頭症は、脳脊髄液が頭蓋内にたまって脳が圧迫され、歩行のぎこちなさや認知機能の低下などが起こる病気です*2。特有の画像所見があれば治療で改善が期待でき、シャント手術が有効な場合もあります。
ビタミンB12欠乏症
ビタミンB12が不足すると、記憶障害や注意力の低下、抑うつなどの精神症状が現れることがあります*3。末梢神経の障害を伴うことも多く、放置すると認知機能の低下が進む可能性があります。貧血が目立たないケースでも起こり得ます。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが不足すると、もの忘れや思考の鈍さ、抑うつなどが現れ、認知症と似た症状が現れることがあります*3。高齢者の場合、疲れやすさや意欲低下として気づかれにくいこともあり、血液検査で確認が可能です。
認知症の種類から考える受診の目安と相談先

認知症の種類にかかわらず、生活に支障が出てきた場合は早めの受診が大切です。たとえば、会話を何度も忘れる、歩行が不安定になる、幻視や急な性格変化が続くなど日常で気になる変化がある場合は、受診を検討しましょう。
主な相談先は、次のとおりです。
- かかりつけ医
- もの忘れ外来
- 地域包括支援センター
かかりつけ医がいない場合は、もの忘れ外来を受診する方法もあります。
地域包括支援センターは、医療・介護などの総合的な相談窓口です。すべての市町村に設置されており、必要に応じて認知症に詳しい認知症疾患医療センター、認知症初期集中支援チームなど専門機関につないでくれます*4。
認知症の種類を理解し、気になるときは早めに相談しましょう
認知症にはいくつかの種類がありますが、症状の特徴を知ることで早期発見も可能です。気になる症状があるときは、医療機関や地域の窓口への相談を検討しましょう。
ベルコメンバーズアプリでは、ご相談内容に応じてコンシェルジュが適切な専門家や相談先におつなぎします。気軽に頼れる窓口として、ぜひご活用ください。
【参考文献】
*1 日本認知症学会:認知症とは?認知症をきたす主な病気.(最終閲覧日:2025年11月20日)
*2 国立研究開発法人国立長寿医療センター:認知症の原因となる正常圧水頭症.(最終閲覧日:2025年11月20日)
*3 一般社団法人日本神経学会:認知症疾患診療ガイドライン2017.第16章内科的疾患等.(最終閲覧日:2025年11月20日)
*4 厚生労働省:認知症に関する相談先.(最終閲覧日:2025年11月20日)
監修者
浦上 克哉 教授
監修者
浦上 克哉 教授
日本老年精神医学会理事
日本老年学会理事
日本認知症予防学会専門医
1983年鳥取大学医学部医学科卒業
1988年同大大学院博士課程修了
1990年同大脳神経内科・助手
1996年同大脳神経内科・講師
2001年同大保険学科生体制御学講座環境保健学分野の教授(2022年まで)
2016年北翔大学客員教授(併任)
2022年鳥取大学医学部保健学科認知症予防学講座(寄付講座)教授に就任
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