血管性認知症の特徴とは?原因や生活の中で見られる具体的な変化を解説

血管性認知症の特徴とは?原因や生活の中で見られる具体的な変化を解説

脳梗塞や脳出血のあと「もの忘れが増えた」「怒りっぽくなった」と感じたことはありませんか。変化の背景には、血管性認知症が関係している可能性があります。

血管性認知症は、脳の血管障害によって起こる認知症です。ここでは、血管性認知症の特徴や生活の中で見られる変化、進行についてわかりやすく解説します。

血管性認知症の特徴とは?原因と基本的な仕組み

血管性認知症の特徴とは?原因と基本的な仕組み

血管性認知症とは、脳の血管に障害が起きたあとで生じる認知機能の低下を指します。たとえば、脳梗塞や脳出血のあとに認知機能が悪化することがあり、背景には血管障害による脳の損傷があります。

認知機能の低下が複数の領域で認められ、その結果として日常生活に支障がある場合、認知症と判断されます。次のように、原因となる脳血管障害の種類や程度によって、パターンはさまざまです。

  • 小さな梗塞が積み重なる場合
  • 大きな脳梗塞のあとに起こる場合
  • 慢性的に脳の血流が低下する場合

認知機能の変化と脳血管障害の時期が関係している点が、アルツハイマー型認知症との違いです。アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が徐々に変性することで進行する認知症であり、原因や進み方が異なります。

診断には、病変が認められるかどうかをCTやMRIなどの画像で確認する必要があります。認知症の検査については「認知症検査の流れ5ステップ|種類・費用・受診先の選び方をわかりやすく解説」も参考にご覧ください。

血管性認知症の特徴的な症状とは?生活の中で見られる変化

血管性認知症の特徴的な症状とは?生活の中で見られる変化

ここでは、血管性認知症の生活の中で見られる特徴的な症状について見ていきましょう。

1.段階的に進行する

血管性認知症は、脳梗塞などをきっかけに認知機能が低下し、その後しばらく安定するという経過をたどることがあります。階段を下りるように変化する場合があるとされています。

一方、脳の細い血管が徐々に傷むタイプでは、ゆっくり進行することもあり、すべての方が同じ経過をたどるわけではありません。

2.できること・できないことが混在する

血管性認知症は脳の一部が局所的に障害されるため、影響を受ける機能が限られることがあります。結果として、ある能力は保たれているのに、別の能力だけが低下する場合があります。

たとえば、会話は自然にできる一方で、買い物の手順がわからなくなったり、支払いの計算で戸惑ったりするなどの変化です。認知機能にムラがある状態は、一般的に「まだら認知症」とも呼ばれます。

3.怒りっぽさや涙もろさがみられることがある

血管性認知症では、感情の調整が難しくなる(情動失禁)ことがあります。たとえば、次のような変化です。

  • 些細なことで怒り出す
  • 急に泣き出す

また、意欲が低下したり、気分の落ち込みが目立ったりすることもあります。

4.歩行障害や手足のまひを伴うことがある

血管性認知症では、認知機能の変化とともに、歩行の不安定さがみられることがあります。たとえば、次のような変化です。

  • 歩幅が小さくなる
  • 足が上がりにくくなり、床を滑らせるように歩く
  • 片側の手足が動かしにくくなる

早い段階から歩きにくさがあらわれる場合もあり、原因となる脳血管障害の部位によっては、手足のまひを伴うこともあります。

認知症の進行による日常生活への影響は「認知症の進行による生活への影響|段階別の目安と早まる要因も解説」もあわせてご覧ください。

血管性認知症の進行の特徴と回復の可能性

血管性認知症の進行の特徴と回復の可能性

血管性認知症の進行は、一様ではありません。脳梗塞などをきっかけに段階的に悪化する場合がある一方、小さな血管の障害が積み重なり、ゆっくり進行することもあるとされています。

認知症の前段階(血管性軽度認知障害)では、認知機能の改善がみられることもあります。ただし、認知症の段階に至った場合、完治は難しいとされています。再発予防や生活習慣の管理、リハビリテーションなどによって、進行を緩やかにすることが治療の中心です。

WHO(世界保健機関)でも、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの危険因子の管理や、脳卒中の再発予防を推奨しています。生活習慣の見直しは、認知機能低下のリスク低減につながる可能性があるとされています。

血管性認知症の特徴を知ったうえで大切なこと

血管性認知症の特徴を知ったうえで大切なこと

血管性認知症の症状に気づいた場合は、早めに医療機関への相談を検討してください。診断後は薬物療法だけでなく、生活環境の調整やリハビリテーションなどを組み合わせた支援が行われることが一般的です。

また、認知症について正しく理解し、本人や家族だけで抱え込まないことも重要です。地域包括支援センターや認知症疾患医療センターなどの相談窓口を活用し、地域のサポートを受けながら生活を続けていくことが勧められています。

血管性認知症の特徴を理解し、早めの相談につなげましょう

血管性認知症は、脳梗塞などの脳血管障害がきっかけとなり、認知機能の低下が起こります。段階的に進行することや、できることと難しくなることが混在する点などが特徴です。

症状のあらわれ方には個人差があるため、気になる変化があれば早めに医療機関への相談を検討しましょう。

認知症についてさらに理解を深めたい方は「認知症の基礎知識― 大切な人の「気になる変化」に、やさしく寄り添うために」もあわせてご覧ください。

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