認知症

認知症の4種類の特徴とは?症状を知って認知症にならないようにしよう

医療の進化により、健康寿命や平均寿命が伸びてきていることは各種メディアでも報じられているとおりです。
ふとした瞬間に「最近、物忘れが増えたな」「若いときより脳が衰えた気がする」と思うことはありませんでしたか?
2004年に厚生労働省が「認知症」と定め、私たちにとって大変身近な病気になりました
現時点(2024年6月)では、認知症は完治する方法が見つかっていないため、予防法を知っておくことが大切です。
この記事では認知症の種類と症状、治療法について解説します。
この記事が、認知症の種類や症状について悩んでいるあなたの助けになれると幸いです。
Contents
認知症の4種類の割合
認知症の大きくは以下の「4種類」に分けられます。
出典元:都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応|厚生労働省
アルツハイマー型認知症が全体の60%以上を占めていることがわかります。
ほかにも、アルコール性認知症や混合性認知症などがあります。
認知症の4種類の特徴と症状|発症割合の高い4つを紹介
ここでは、発症割合が高い「4つ」の認知症の特徴とその症状について紹介します。
それぞれを知って、認知症の予防に役立てましょう。
アルツハイマー型認知症の特徴と症状
一般的な認知症のイメージを占めるのが、このアルツハイマー型認知症と言えます。
アルツハイマー型認知症の特徴
アルツハイマー型認知症とは「脳に特定のタンパク質が蓄積され、脳全体が萎縮していく認知症のこと」です。
症状はゆるやかなことが多く10年程度をかけて進行します。
アルツハイマー型認知症の症状
アルツハイマー型認知症の代表的な症状は記憶障害です。
記憶障害から始まるとされています。
通常の物忘れでは「その事柄を自分が忘れていた」と認識できますが、アルツハイマー型認知症では「事柄」そのものがすべて抜け落ちてしまいます。
たとえば「朝食のメニュー」について考えてみましょう。
加齢による物忘れの場合は食事をしたことは覚えているものの、メニューをすべて、もしくは一部を思い出せません。
一方で、アルツハイマー型認知症の方は食事をしたこと自体を忘れているのです。
記憶障害が進行すると日時や人、場所などが分からなくなります。
さらに、集中力や決断力もおとろえると、結果として日常生活を送れなくなります。
血管性認知症の特徴と症状
つぎに、血管性認知症の特徴と症状を解説します。
血管性認知症の特徴
血管性認知症とは「脳梗塞や脳出血などの脳血管障害の結果、認知症になった状態のこと」です。
脳血管障害の予防が大切であり、認知症の発症や進行を抑えることができます。
血管性認知症は、脳実質のトラブルにより発症するため運動障害や感覚麻痺、パーキンソン症状などの症状をともなうことがあります。
血管性認知症の症状
血管性認知症初期症状には、以下のようなものがあらわれやすいです。
- 不穏
- 夜間の不眠
- 意欲の低下
- 自発性の低下
これらの症状があらわれたときには、すぐに病院に相談しましょう。
レビー小体型認知症の特徴と症状
パーキンソン病によく似た症状を呈するレビー小体型認知症の解説です。
レビー小体型認知症の特徴
レビー小体型認知症とは「異常なタンパク質により脳細胞が破壊され起こる病気のこと」です。
アルツハイマー型認知症と同じように、根本的な治療が難しい認知症だといわれています。
ただし、レビー小体型認知症の進行速度は早く、初期から末期にいたるまで10年かからないとされています。
そのため、認知機能の低下に早く気づき、すぐに対処することが大切です。
レビー小体型認知症の症状
レビー小体型認知症は、物忘れや判断力の低下などの認知機能の低下は目立ちません。
ただし、初期には以下のような症状がみられます。
- 幻視(※1)
- パーキンソン症状(※2)
- 睡眠時の異常行動
レビー小体型認知症は、症状が似ていることからパーキンソン病と間違われるケースもあります。
※1 幻視:他人には見えないもの(人・動物・虫など)が見えるという症状
※2 パーキンソン症状:パーキンソン病によくみられる症状であり、動きが遅い、転びやすい、睡眠障害などの症状
前頭側頭型認知症の特徴と症状
最後に、前頭側頭型認知症について解説します。
前頭側頭型認知症の特徴
前頭側頭型認知症は「脳の前頭葉や側頭葉において、脳が萎縮して起きる病気のこと」です。
別名ピック病ともいわれています。
前頭側頭型認知症の症状
前頭側頭型認知症は、比較的緩やかに病状が進行しますが、こちらも根本治療が困難とされています。
ほかの認知症と比べて、特徴的な症状がみられます。
常同行動、これは繰り返し行動とも言われており、この症状が起こりやすくなるのです。
具体的には、以下のような症状があらわれます。
- 同じ言葉で話し続ける
- 同じ道を通って散歩する
- 同じものばかりを食べる
万引きや暴力などがみられることもあります。
さらには、言葉の意味が分からなくなり名前が出なくなったり、文字を読み間違ったりする症状が目立つタイプもあり、これは「意味性認知症」と呼ばれています。
4種類以外の認知症
これまで紹介した4種類以外の認知症のほかに、以下のような病気を発症することで認知症の症状があらわれるケースもあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
正常圧水頭症 | ・拡大した脳室が周囲を圧迫し発症する病気 ・髄液シャント手術を受けることで症状を緩和できる |
慢性硬膜外血腫 | ・転落や事故などによって頭を打ちつけ硬膜外に血腫ができることで起こる病気 ・血腫を外科的な手術で除去すると改善できる |
甲状腺ホルモンや アルコールが要因の認知症 |
・ホルモンやアルコールの影響によって起こる病気 ・断酒や投薬によって改善できる |
4種類の認知症を予防するための方法
認知症を予防する方法は、以下のとおりです。
予防方法 | 具体例 |
---|---|
食生活 | ・炭水化物・タンパク質・ビタミンなどをバランスの良い食事 ・野菜・果物・魚を中心とした食事 |
運動療法 | ・軽い運動をしながら脳を使うコグニサイズ※名称利用の項目を参照 ・筋肉トレーニング ・有酸素運動(スイミング、ジョギング、散歩など) |
甲状腺ホルモンや アルコールが要因の認知症 |
・ホルモンやアルコールの影響によって起こる病気 ・断酒や投薬によって改善できる |
社会参加 | ・趣味・スポーツ・ボランティアなどの社会参加 ・人との会話 ・電話やテレビ電話 |
健康を意識した、メリハリのある生活を送ることが大切です。
認知症の治療法
認知症のおもな治療法は、薬物療法です。
アルツハイマー型認知症に有効とされる抗認知症薬は「2024年6月現在5種類」あり、それぞれ保険適用となっています。
認知症の薬については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
⇒ 『認知症の保険適用の薬5つ!レカネマブや治療のポイントもくわしく解説』
認知症の特徴や症状を知って予防しよう
認知症には、主に「4種類」あります。
治療できる認知症がある一方で、多くのケースでは治療できないため症状の進行を緩やかにすることが治療の目的です。
そのため、認知症は予防が重要であると言えます。
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