認知症の傾眠傾向は余命が近いサイン?原因と終末期に家族ができる対応

認知症の傾眠傾向は余命が近いサイン?原因と終末期に家族ができる対応

「認知症で傾眠傾向が続いているが、余命が近いのではないか」「最近、起きている時間がほとんどなくなってきた」など、認知症の方の変化に不安を感じていませんか。

認知症の方にみられる傾眠傾向は、加齢や生活リズムの乱れだけでなく、体調の悪化やそのほかの病気が関係している場合があります。ただし、傾眠傾向があるからといって、直ちに余命を断定できるわけではありません。

本記事では、認知症における傾眠傾向の意味や主な原因、余命との関係、終末期にみられる変化、家族ができる対応を整理して解説します。

認知症と傾眠傾向、余命の関係を正しく理解することで、医療機関に相談する目安や日常生活での見守り方が明確になり、安心して対応できるでしょう。

認知症の傾眠傾向は余命が近いサイン?

認知症の傾眠傾向は余命が近いサイン?

傾眠傾向がみられたからといって、余命が近いサインとは言えません。大切なのは、なぜ眠気が強まっているのかという原因と、現在の全身状態を総合的に評価することです。

終末期に近づくと、活動量の低下や睡眠時間の増加が目立つことが少なくありません。嚥下機能の低下や低栄養が進むと体力が落ちやすく、結果として意識がはっきりしている時間が短くなる場合もあります。

一方で、傾眠傾向が急に強まった場合、脱水や感染症、服用中の薬などの影響も考えられます。短期間で傾眠傾向の変化があった際は、早めに対処するためにも医療機関への相談を検討しましょう。

認知症と診断された後の経過は個人差が大きいものの、研究では診断後おおむね5〜12年程度と報告されています。

認知症の終末期にみられる身体の変化

認知症の終末期にみられる身体の変化

認知症の終末期では、傾眠傾向が持続しやすくなります。目が覚めている時間が短くなり、会話や周囲への関心が乏しくなるためです。

意欲や認知機能の低下に加え、嚥下障害が進むと食欲が低下し、経口摂取量が減少する可能性があります。体重減少や筋力低下が進むと、日常生活動作の自立が難しくなるでしょう。

また、誤嚥性肺炎を繰り返し、発熱や呼吸状態の悪化がみられ、入退院を繰り返すケースも少なくありません。さらに、歩行障害や運動機能の低下による転倒や骨折、寝たきりの危険性も高まるため注意が必要です。

認知症の時期ごとの症状の詳細は、下記の記事で詳しく解説しているので、参考にご覧ください。

認知症の傾眠傾向が強くなる原因

認知症の傾眠傾向が強くなる原因

傾眠傾向が強くなる原因には、認知症の進行や加齢、薬の副作用などが考えられます。それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。

認知症の進行

アルツハイマー型認知症が進むと、睡眠と覚醒のリズムを調整する体内時計の機能が十分に働かなくなることが報告されています。結果として、夜間に目が覚めやすくなり、昼夜逆転が起こりやすくなると考えられています。

無気力や意欲低下が目立つと活動量が減少し、刺激が少ない環境でうとうとする時間が増えがちです。症状の進行に伴い、嚥下機能の低下や感染症などが重なると、身体が弱くなり傾眠傾向がはっきり出る場合もあります。

加齢に伴う健康状態の変化

高齢になると体内の水分量が減少しやすく、脱水が進むと傾眠傾向がみられる恐れがあります。ぼんやりした様子が続くときは水分不足になっていないかを確認しましょう。

また、内科的な病気や発熱があると、時間や場所が分からなくなる状態がみられる場合があります。転倒や頭部を打った経験があると、時間が経ってから意識変化が現れることもあるため注意が必要です。

服用中の薬の副作用

抗てんかん薬や向精神薬などは、眠気が強く出ることがあり、服用する量の変更や体質の影響で傾眠傾向が目立つ可能性があります。

また、認知症治療薬でも眠気が生じることがあるほか、市販薬にも眠気を誘う成分が含まれることがあるため、服用している薬を整理し、気になるときは医療機関に相談しましょう。

認知症で傾眠傾向がみられたときにできる家族の対応

認知症で傾眠傾向がみられたときにできる家族の対応

認知症で傾眠傾向がみられた際は、家族が落ち着いて対応することが重要です。傾眠傾向への基本的な対応のポイントを整理します。ここで紹介する方法は対応の一例であり、症状に不安を感じたり普段と違う変化がみられるときは、迷わず医療機関に相談しましょう。

無理に起こさずに状態を観察する

傾眠傾向がみられた際は、無理に起こそうとせずに状態を観察することが大切です。

もし、呼びかけに反応できる範囲であれば、穏やかな会話や音楽などで意識をはっきりさせる工夫を心がけましょう。日中に短時間の散歩や体操を取り入れると、夜間睡眠の質が改善する可能性があります。

ただし、強く揺さぶったり長時間起こし続けたりすると心身に負担がかかることがあるため注意が必要です。呼びかけた際の反応や表情の変化を観察し、無理のない範囲での対応を心がけましょう。

転倒や誤嚥予防など安全の確保に努める

眠気が強い状態では足元がおぼつかなくなり、転倒のリスクが高まります。傾眠傾向がみられる際は、室内の段差を減らして歩行時に見守ると転倒予防につながるでしょう。

また、食事中に眠そうにしているときは、誤嚥の危険性も高くなります。姿勢を整え、意識がはっきりしている時間帯に食事をすすめるなどの配慮が誤嚥の防止に効果的です。

医療機関に相談する

傾眠傾向が続くときや、以下の状態の原因を明らかにするためにも、早めの医療機関への相談が大切です。

  • 急激な傾眠傾向の悪化
  • 発熱をはじめとした体調不良
  • 呼吸の変化
  • 飲食の変化

普段との違いや違和感を覚えた際は、放置せず専門家に相談することで安心して対応できるでしょう。

認知症の傾眠傾向と余命に関するよくある質問

認知症の傾眠傾向と余命に関するよくある疑問を整理しました。より詳しく理解するための参考にしてください。

認知症の傾眠傾向は改善できる?

傾眠傾向を改善できるかどうかは、原因や状況によって左右されます。傾眠傾向の原因が脱水や感染症、薬剤の影響などであれば、適切な対処によって改善する可能性があります。

認知症の方が傾眠傾向になるのはなぜ?

昼夜逆転により夜間睡眠が不足すること、日中の眠気が強まりやすく、意欲低下や無気力が進むと傾眠傾向がみられる場合があります。

また認知症の悪化や脱水、薬剤の影響が重なることでも、傾眠傾向が目立ちやすくなると考えられています。傾眠傾向には複数の要因が関与していることが多いため、どのような状態が続いているか全体を確認することが不可欠です。

認知症で寝たきりの方の余命は?

寝たきりをはじめとする認知症の末期段階の余命は、平均1〜2年程度とする研究もありますが、個人差が大きく一概には判断できません。嚥下低下による誤嚥性肺炎や低栄養、褥瘡、感染症などの合併症が余命に影響する可能性があります。

余命ばかりを気にするのではなく、本人の苦痛を和らげるケア方針について、医療や介護のスタッフと一緒に考えることが認知症と向き合う上で大切です。

認知症の方にとって最後まで残る記憶は?

どの記憶が最後まで残るかは一律に断定できません。昔の記憶や身体で覚えた手続き記憶などは残りやすいと言われますが、記憶の残り方には個人差があります。

また、反応が乏しいような状況でも、聴覚には反応がみられることがあります。穏やかな声かけやなじみのある音楽は安心感につながるため、無理のない範囲で声かけしたり、音楽を流したりといった対応も検討してみてください。

認知症の方の記憶の詳細は、下記のページで解説しているので、参考にご覧ください。

認知症の方に傾眠傾向がみられたときは医師に相談しましょう

認知症の傾眠傾向は、必ずしも余命が近いことを意味するわけではありません。ただし、症状の悪化や合併症、脱水や感染症などが関係している場合もあるため、変化を見逃さないことが大切です。

家族が日々の様子を丁寧に観察し、眠っている時間や食事・水分量の変化を具体的に伝えられれば、原因の見極めや適切な対応につながります。不安や違和感を覚えた際は早めに医療機関に相談しましょう。

また、認知症の傾眠傾向は原因や状態によって対応が変わるため、家族だけで判断しようとせず、医療や介護の専門職と一緒に状況を整理することが安心につながります。認知症の進行段階ごとの症状の特徴を知っておくことも大切です。基礎知識は、下記の記事で詳しく解説しているため、今後の見守り方を考える参考として合わせてご覧ください。

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