親が認知症になったら?主な6つの手続きと注意点を解説

親が認知症になったら?主な6つの手続きと注意点を解説

「親が認知症と診断されたが、まず何から手続きを進めればよいのだろうか」「介護やお金の管理はどのように対応すべきか」と悩んでいませんか。

認知症への対応では、介護の準備だけでなく、財産管理や契約に関する手続きも重要になります。判断能力の低下が進むと、できる手続きが限られます。そのため、早い段階で全体像を把握しておくことが大切です。

本記事では、親が認知症になった際に必要な手続きや放置するリスク、注意点を解説します。

必要な準備を段階的に進めることで、将来的な負担やトラブルの軽減につながる可能性があります。

親が認知症になったら?進めるべき主な6つの手続き

親が認知症になったら?進めるべき主な6つの手続き

親が認知症と診断されたときは、各種手続きを早めに進めることが求められます。

生活や財産を安定して守るために、具体的に進めるべき手続きを確認していきましょう。

ただし、ここで紹介する手続きは一例であり、状況によって必要な手続きは異なるため、不明点や不安がある際は、各領域の専門家への相談を検討してください。

1.介護保険の申請

介護保険サービスを利用するには、原則として市区町村に申請し、要介護認定または要支援認定を受ける必要があります。認定は訪問調査や主治医意見書をもとに判定される仕組みです。

認定区分によって利用できるサービスの種類や支給限度額が決まるため、日常生活の支障や介護負担を具体的に伝える必要があります。実態が正確に反映されない場合、必要な支援量に届かないおそれがあるため注意が必要です。

2.ケアマネジャーの選定とケアプランの作成

ケアマネジャーは介護サービス全体を調整する専門職で、選定によって支援の内容や質に差が生じるケースがあります。地域包括支援センターを通じた紹介も活用できます。

ケアプランは介護サービス計画書とも呼ばれ、身体状態や生活環境、家族の負担状況を踏まえて作成される計画書です。情報が不足すると実態に合わないサービス配置となり、結果として介護負担の増加につながることが考えられます。

3.成年後見制度の利用

認知症が進行すると、本人名義の財産管理や契約は家族であっても自由におこなえません。成年後見制度は家庭裁判所の審判により後見人が選任され、法的に代理権や取消権などが付与される仕組みです。

制度を利用しない場合、預金の払戻しや不動産の処分が難しくなるケースがあります。法的な枠組みを通じて管理をおこなうことで、財産保護と契約手続きの安定性が確保されやすくなります。

4.金融機関への相談

金融機関では預金の払戻しや契約変更に際して本人の意思確認が求められます。本人の判断能力が十分でないと判断された場合は、家族であっても取引を進められません。

また、事前に金融機関に判断能力の低下について相談していないと、必要書類の準備や審査に時間を要し、医療費や介護費の支払いに影響が出るおそれがあります。

代理人制度の有無や条件を確認し、事前に資金管理の方法を整理しておきましょう

5.家族信託と遺言の検討

家族信託は、財産管理を信頼できる家族に任せて将来の負担を軽減できる仕組みです。柔軟に財産管理や承継を設計できる点が、家族信託の特徴とされています。

また、遺言は相続時の分配を明確にする手段で、家族間のトラブル予防に役立つ場合があります。いずれも本人の意思能力が必要となるため、早い段階での準備を心がけましょう。

6.施設や在宅の方針を決定

介護の方向性は在宅か施設かによって必要な準備や費用が大きく異なります。身体状態や生活環境、家族の介護体制を踏まえての検討が必要です。

方針が未整理のまま進行すると、急な入院や退院時に対応が間に合わず選択肢が限られる状況になりやすくなります。あらかじめ条件や優先順位を整理しておくと、状況の変化にも対応しやすくなるでしょう。

親が認知症になった際に各種手続きを進めないとどうなる?

親が認知症になった際に各種手続きを進めないとどうなる?

手続きを進めずにいると、生活や資産管理にさまざまな影響が生じることがあります。

具体的にどのようなリスクがあるのか、順を追って見ていきましょう。

適切な金銭管理が困難になるおそれがある

認知症が進行すると、支出の把握や請求書の管理、現金や通帳の保管などの日常的な金銭管理が難しくなるときがあります。とくに医療費や介護費のように継続的な支出が増える局面では、支払いの遅延や不要な契約が継続されるなどのトラブルが起こりやすいです。

また、意思能力が低下したあとは、本人名義の財産について家族が自由に管理できるわけではなく、法的な制約が生じます。

代理人を立てる制度を利用しないまま状態が進行すると、生活費の確保や資産の維持が難しくなるおそれがあるため、早期の対応が重要とされます。

親の銀行口座での取引が制限される可能性がある

金融機関では、預金の払戻しや契約手続きにおいて本人の意思確認が重視されます。認知症により意思確認が難しいと判断された際、家族であっても自由に預金を動かせない状態になりかねません。

代理人カードや事前登録制度などで対応できるケースもありますが、利用条件や手続き方法は金融機関ごとに異なります。事前に相談していない状態で問題が発生すると、必要書類の準備や審査に時間がかかり、医療費や介護費の支払いに支障が出るおそれがあります。

親族間で金銭的トラブルに発展するリスクがある

認知症の進行に伴い、財産管理や介護費の負担について家族間で認識の差が生じやすくなります。誰が費用を負担するのか、どの資産をどのように使うのかが明確でないと、親族間での対立が起きるきっかけになりやすいです。

さらに、本人の意思確認が困難な状態では、不動産の売却や契約変更などの判断が進めにくくなります。あらかじめ制度の利用や方針を整理しておくと、こうしたトラブルの発生リスクを抑えやすくなります。

親が認知症と診断された際の手続きの注意点

親が認知症と診断された際の手続きの注意点

親が認知症と診断された際の手続きを進める際は、いくつか注意点があります。

トラブルを防ぐために押さえておきたい各注意点を確認していきましょう。

本人の意思を確認する

認知症に関する手続きは、介護サービスの利用だけでなく、住まいや医療、財産管理の方針にもかかわるため、判断能力がある段階での本人の意思確認が大切です。

意思確認を早い段階でおこなっておくと、後に制度を利用する際の判断基準が明確になります。逆に、確認が不十分なまま進めると、本人の意向と異なる対応になりやすく、家族の負担や後悔につながりかねません。

家族で手続きの情報を共有する

認知症への対応では、家族間での情報共有も大切です。診断内容や介護認定の状況、通院先、財産の概要などを共有しておくと、緊急時にも対応しやすくなります。

また、役割分担や費用負担を事前に決定すると、特定の家族に負担が偏る状況を防ぎやすくなります。情報共有が不足すると、認識のずれからトラブルに発展するケースもあるため、早めの整理を心がけましょう。

早めに専門家へ相談する

認知症に関する手続きは、介護、金融、法務などの複数の分野にまたがります。それぞれの制度には利用条件や手続き方法があり、内容を十分に理解しないまま進めると、修正が難しくなったり、手続きのやり直しが必要になるなどの問題が起きかねません。

地域包括支援センターでは介護保険の申請やサービス利用について相談でき、金融機関では口座管理の方法を確認できます。財産管理や契約に関する内容は、司法書士や弁護士などの専門家への相談で適切な判断がしやすくなります。

親が認知症になったときに手続き以外にやるべきこと一覧

親が認知症になったときに手続き以外にやるべきこと一覧

親が認知症と診断された際、手続きだけでなく生活環境の見直しも同時に進める必要があります。

今回紹介した手続き以外に、親が認知症と診断された、あるいは認知症の疑いがあるときにやるべきことを以下の表にまとめました。

やるべきこと 内容
認知症への理解を深める 認知症の症状や進行の特徴を理解し、適切な対応や接し方を把握する
医療機関に相談する もの忘れや判断力の低下などの変化がみられた段階で医療機関に相談して、現在の状態の客観的な把握や適切な対応につなげる
今できること・できないことを確認する 本人によって可能・不可能な事柄を整理し、無理のない範囲でおこなえる行動を洗い出す
運転免許の返納を検討する 運転による事故リスクを踏まえ医師や家族と相談しながら運転継続の可否を検討する
自宅の転倒や事故のリスクを確認する 段差の解消や手すりの設置など住環境を見直し生活動線を整理する
ひとり歩きへの対策を施す 見守りサービスやGPS機器の活用、地域との連携などを通じて行方不明に備える
生活習慣を改善する 食事や適度な運動などを取り入れて生活習慣を整える

まず医療機関で現在の状態を把握し、今後の生活や介護の方向性の具体化が大切です。

また、認知症の方の身を守るために、日常生活における安全対策や見守り体制の構築も含めて、早めに対応を進めていきましょう。

認知症と診断された際の対策は下記の記事で詳しく説明しているので、参考にご活用ください。

親が認知症と診断された際の手続きに関するよくある質問

親が認知症と診断された際の手続きに関するよくある質問を整理しました。より詳しく理解するための参考にしてください。

親が認知症と診断された場合はどこに相談すればよい?

認知症と診断された際、適切な相談先を事前に知っておくと手続きをスムーズに進めやすいです。症状や治療方針については、かかりつけ医や専門医に相談すると、現状を正確に把握しやすくなる場合があります。

また、介護に関する相談は地域包括支援センターが窓口となり、介護保険の申請やサービス利用の流れを体系的に案内してもらえます。財産管理や契約に関する問題は、司法書士や弁護士などの専門家に相談しましょう。

親が認知症になったら銀行口座は必ず凍結される?

認知症と診断された場合でも、すべての口座が一律に凍結されるわけではありません。ただし、金融機関は預金者本人の意思確認を重視するため、判断能力に疑義があるときは取引が制限されるケースがあります。

とくに高額な出金や契約変更などは慎重に扱われる傾向にあり、家族であっても自由に操作できるとは限りません。事前に代理人制度や対応方法を確認していないと、手続きに時間がかかり、生活費や医療費の支払いに影響が出る可能性があります。

施設入所はどのタイミングで検討すべき?

在宅での生活が難しくなった段階が、施設入所を検討するタイミングとして一般的です。具体的には、転倒やひとり歩きなどの危険性が高まり安全確保が難しくなった場合や、家族の介護負担が大きくなった場合が目安となります。

また、退院後の生活が自宅では困難なときや、医療的なケアが継続的に必要なときも施設入所を検討しましょう。入所の判断は本人の状態だけでなく、家族の状況や支援体制も含めて検討する必要があります。専門職と相談しながら、選択肢の整理が重要です。

介護施設の入所を検討するタイミングの詳細は、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にご覧ください。

親と同居していない場合は、どのように手続きを進めたら良い?

同居していない場合でも、地域の支援機関との連携によって手続きの進行が可能なケースがあります。住んでいる地域の地域包括支援センターに相談し、状況に応じた支援体制を整えましょう。

日常的な対応は訪問介護や見守りサービスを活用し、必要に応じてケアマネジャーとの連携も検討してみてください。

遠方に住んでいる家族とは定期的な連絡や訪問に加えて、財産管理や契約手続きの役割分担を整理しておくと、突発的な事態にもスムーズに対処しやすくなります。

親が認知症と診断されたら早めに手続きを進めよう

親が認知症と診断された際は、介護だけでなく財産管理や各種手続きを早めに進めましょう。意思能力が低下すると契約や制度利用に制限が生じ、対応が遅れるほど選択肢が限られるリスクがあるためです。

手続きは家族だけで抱え込まず、地域包括支援センターや専門家の支援の活用も検討してみてください。状況に応じた制度を適切に活用すると、スムーズに手続きを進めるだけでなく、将来的なトラブルの予防につながる可能性があります。

在宅での介護が難しくなったとき、あるいは今から施設の選択肢を知っておきたい方には、ベルコが運営する老人ホーム紹介サービス「あなたらしく」の活用もご検討ください。エリアやご希望条件をもとに施設の情報を整理してご紹介しています。いざというときに慌てず動きやすくなります。

【参考文献】

厚生労働省:ご本人・家族・地域のみなさまへ(成年後見制度とは)

家族信託普及協会:家族信託とは?

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