認知症の種類「レビー小体型」とは?原因と6つの症状を解説

認知症の種類「レビー小体型」とは?原因と6つの症状を解説

「見えないはずなのに、人が見えると言い出した」「日によって様子がまったく違う」などの家族の変化に、不安や戸惑いを感じていませんか。

認知症はもの忘れが中心と思われがちです。しかし、レビー小体型認知症では、幻視や行動の変化、身体の動きに関する症状が早い段階から現れることがあります。

本記事では、認知症の種類の1つであるレビー小体型認知症について、特徴や原因、代表的な症状、医療機関の受診を検討する目安までを整理して解説します。

レビー小体型認知症への理解を深めることで、早期発見のポイントや患者本人との接し方が分かるようになるでしょう。

認知症の種類「レビー小体型」とは?

認知症の種類「レビー小体型」とは?

レビー小体型認知症は、αシヌクレインというタンパク質が蓄積してレビー小体という構造物を作ることによって発症すると考えられている認知症です。アルツハイマー型認知症、血管性認知症と並び、代表的な認知症の1つとされています。

記憶障害だけでなく、幻視や注意力の変動、身体の動きにくさなどが組み合わさって現れる点が特徴です。症状の現れ方に波があるため、体調不良や気分の問題と受け取られ、認知症と気付かれにくい場合もあります。

レビー小体型認知症の原因

レビー小体型認知症の原因

レビー小体型認知症の発症には「α-シヌクレイン」と呼ばれるタンパク質が脳内に蓄積し、神経細胞の働きが妨げられることが関係すると考えられています。

神経伝達物質であるドーパミンやアセチルコリンの働きが低下すると、認知機能や運動機能、精神面に影響がおよびやすいのです。レビー小体型認知症は加齢が要因とされているものの、発症の詳しい仕組みについては、明らかになっていないところもあるため、現在も研究が続けられています。

レビー小体型認知症の特徴

レビー小体型認知症の特徴

レビー小体型認知症には、発症しやすさや症状などにさまざまな特徴があります。

代表的なレビー小体型認知症の特徴を整理し、把握しておきましょう。

女性よりも男性に多くみられる

疫学的な報告では、レビー小体型認知症は女性よりも男性に多い傾向があるとされています。発症年齢は70代以降が多く、高齢期に注意が必要です。

一方で、比較的若い年代で発症する例も確認されており、年齢だけでは判断できない現状もあります。

認知機能が日によって変化する

1日の中で時間帯によって認知機能の状態が大きく変わるケースも珍しくありません。

症状が強く現れる日があるのに対して、会話が自然に成り立つ日もあるため、認知機能低下に気付きにくい点がレビー小体型認知症の特徴です。

症状の変動や、うつ病やパーキンソン病と似た症状がみられるため、レビー小体型認知症は診断までに時間を要することもあります。

レビー小体型認知症の主な症状

レビー小体型認知症の主な症状
レビー小体型認知症には、認知機能障害やパーキンソン症状のほかに、レム睡眠行動異常などの症状が見られます。代表的な症状を整理し、それぞれの特徴を把握しておきましょう。

認知機能障害

レビー小体型認知症では、注意力や集中力の低下が目立ちやすく、状況に応じた判断や理解が難しくなる場合も少なくありません。

記憶障害は軽いこともあり、会話が成り立つ場面と混乱が強まる場面が交互に現れます。認知機能の状態が日や時間帯によって変わるため、家族や友人が気付きにくいのです。

パーキンソン症状

手足の震えや動作の遅れ、筋肉のこわばりなど、パーキンソン病に似た症状が現れます。

歩幅が小さくなり、姿勢が不安定になることで、転倒のリスクが高まる点にも注意が必要です。パーキンソン症状は、レビー小体型認知症における認知機能の変化と同時期にみられる点が特徴とされています。

妄想

レビー小体型認知症では、物を盗まれたと思い込むなどの被害的な妄想が現れる可能性があります。物の置き忘れを思い出せず、身近な家族を疑うこともあります。

本人にとっては現実の出来事に感じられるため、強い不安や怒りにつながりやすく、周囲との関係が悪化し孤立を招きやすい点にも注意が必要です。

認知症の妄想の詳細は、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にご覧ください。

幻視・幻聴

実在しない人や動物が見える幻視や、音が聞こえると訴える幻聴などもレビー小体型認知症によく見られる症状です。幻視の症状が現れやすく、内容が具体的で現実感を伴うことも多くあります。

本人にとっては実際に起きているように感じられるため、恐怖や混乱が強まりやすく、生活への影響が大きくなる恐れがあります。

抑うつ症状

レビー小体型認知症では、抑うつ症状として以下がみられることもあります。

  • 気分の落ち込み
  • 意欲の低下
  • 不安感が強まる

認知症による自身の変化への戸惑いや、幻視・運動症状に対する不安も抑うつ症状に影響すると考えられる要因です。表情が乏しくなったり、活動量が減ったりする変化がみられる場合もあります。

睡眠時異常行動

眠っている間に大声を出す、手足を大きく動かすなどの行動がみられる場合があります。レム睡眠行動障害(RBD)と呼ばれ、夢の内容に合わせた動きが現れる点が特徴です。

同居している家族が寝言が大きいだけで認知症の症状と思っていなかったり、別の部屋で寝ていたりすると早い段階で気づかない場合もあることに注意が必要です。

レビー小体型認知症の治療法

レビー小体型認知症の治療法
レビー小体型認知症の治療は認知機能の低下だけでなく、以下の複数の症状に配慮しながら進められます。

  • 幻視
  • 運動症状
  • 自律神経症状

症状の現れ方には個人差があるため、状態に応じて薬物療法と非薬物療法を組み合わせ、生活への影響を調整する治療法が一般的です。

薬物療法

薬物療法では、症状に応じて認知機能や精神症状に対する薬の使用が検討されます。認知機能には、コリンエステラーゼ阻害剤のアリセプトが適応です。

レビー小体型認知症では以下の症状がみられる場合があり、症状の種類や程度を踏まえて治療内容を調整します。

  • 幻視
  • 不安感
  • 注意力の低下

また、以下の症状が現れている場合は、各症状に対応した薬物治療を実施する場合もあります。

  • パーキンソン症状
  • 睡眠障害
  • 起立性低血圧
  • 便秘

たとえば、パーキンソン症状に対しては、L-dopa製剤やゾニサミドによる薬物治療がおこなわれます。レビー小体型認知症では、自律神経症状などを含めて全身状態を考慮しながら、個人に合わせた薬物治療が必要です。

非薬物療法

非薬物療法では、生活環境の調整やリハビリテーションなどを実施します。日常生活の中に、ストレッチやウォーキングなどの無理のない運動療法を取り入れて、身体機能の維持や転倒予防を目指します。

レビー小体型認知症では転倒によって寝たきりになるリスクが高まるため、運動療法に加えて、自宅のリフォームや家具配置の見直しなど、生活環境から危険要因を減らしましょう。

認知症の症状を抑える方法の詳細は下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にご覧ください。

レビー小体型認知症の種類に関するよくある質問

レビー小体型認知症に関するよくある疑問を整理しました。レビー小体型認知症をより詳しく理解するための参考にしてください。

ほかの種類の認知症との違いは?

レビー小体型認知症は、幻視や認知機能の変動が目立ちやすく、パーキンソン症状を伴う点がほかの認知症と異なる点です。

アルツハイマー型認知症は女性に多い傾向があり、もの忘れを中心とした記憶障害が比較的早期から現れやすいとされています。一方で、レビー小体型認知症では、日によって会話が成り立つ状態と混乱が強い状態が入れ替わり、症状の変動によって早期発見が難しいケースもあります。

レビー小体型認知症の方との接し方の注意点は?

幻視や妄想がみられる場合、発言を強く否定すると本人の不安や混乱が強まりやすいです。本人が感じている不安に寄り添い、穏やかな口調で簡潔かつ分かりやすい言葉選びが大切です。

また、急な環境の変化や予定の変更は混乱を招きやすいため、生活リズムをできるだけ一定に保つ必要があります。症状が重く家族だけでの対応が難しいときは、早めに専門医へ相談しましょう。

認知症の方との適切な接し方は、下記の記事で詳しく説明しているので、参考にご活用ください。

レビー小体型認知症かチェックする方法は?

注意力や思考力、記憶力などの認知機能に変化がみられないかを日常生活の中で確認しましょう。幻視や睡眠中の異常行動、動作の遅れなど、認知機能以外の変化にも目を向ける必要があります。

レビー小体型認知症はうつ病やパーキンソン病と似た症状が現れやすいため、不安なときは医療機関への相談を検討してください。

認知症が疑われる際のチェック方法は、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にご覧ください。

レビー小体型認知症になりやすい人の特徴は?

レビー小体型認知症は、加齢とともに発症リスクが高まるとされ、高齢の方が発症しやすい認知症です。また、男女で比較した際、レビー小体型認知症は女性よりも男性に多いと報告されています。

ほかにもパーキンソン病やうつ病などの経歴がある方もレビー小体型認知症のリスクが高いと報告されています。

認知症予防を始める時期の目安や予防法の詳細は、下記の記事で解説しているため、ぜひ参考にご覧ください。

レビー小体型認知症の進行速度は早い?

レビー小体型認知症の進行速度には個人差があり、一概に早いとは言えません。症状が徐々に進む場合もあれば、比較的短期間で日常生活への影響が大きくなるケースもあります。

認知機能や体調の状態に波があり、良い状態と悪い状態を繰り返しながら進行する点が特徴です。早期発見しにくいため、日頃から認知機能のチェックや生活の様子の確認が求められます。

認知症予防に役立つアプリを下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

認知症の早期発見のためにアプリで認知機能をチェック

レビー小体型認知症は、幻視や認知機能の変動、パーキンソン症状、睡眠時異常行動など、特徴的な症状がみられます。記憶障害だけではレビー小体型認知症とは判断しにくく、日によって認知機能の状態が変わるため、周囲が変化に気付きにくい場合があります。

幻視や気分の落ち込み、動作の変化などが重なってみられた際には、年齢による変化や一時的な不調と決めつけず、症状の特徴や経過を整理しましょう。

なお、ベルコメンバーズアプリでは、スマートフォンを使って認知機能を確認できます。

認知機能のチェック結果は、総合的な評価だけでなく、診断項目ごとの数値や専門医によるコメントも確認できるため、認知機能をさまざまな視点からチェック可能です。

また、過去のチェック結果を自動的に記録し、認知機能の変化や推移をグラフで確認できます。

日常的な認知機能の把握や脳トレの成果の確認、医療機関の受診を検討する際の判断材料に活用してください。

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監修者 浦上 克哉 教授

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浦上 克哉 教授

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浦上 克哉 教授

日本認知症予防学会代表理事
日本老年精神医学会理事
日本老年学会理事
日本認知症予防学会専門医

1983年鳥取大学医学部医学科卒業

1988年同大大学院博士課程修了

1990年同大脳神経内科・助手

1996年同大脳神経内科・講師

2001年同大保険学科生体制御学講座環境保健学分野の教授(2022年まで)

2016年北翔大学客員教授(併任)

2022年鳥取大学医学部保健学科認知症予防学講座(寄付講座)教授に就任

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