認知症と高血圧はなぜ関係する?日常生活で意識したいポイントも解説
高血圧を指摘されていると「認知症と関係があるのでは?」と不安に感じる方もいるでしょう。「血圧を下げれば認知症の心配も減るの?」「親のもの忘れと高血圧は関係しているのかも…」と気になる方もいるかもしれません。
高血圧は脳の血管や血流に影響し、認知機能の低下と関係する可能性があります。この記事では、認知症と高血圧がなぜ関係するのか、日常生活で意識したいポイントをわかりやすく解説します。
目次
認知症と高血圧はなぜ関係するのか?

認知症と高血圧は、脳の血管や血流への影響を通して関係すると考えられています。
1.高血圧が続くと脳の血管に負担がかかる
血圧が高い状態が続くと、血管には強い圧力がかかります。高血圧は、日本人にとって大きな生活習慣病のリスク要因の1つです。
高血圧が長く続くことで動脈硬化が進み、血管が硬くなったり、血液の通り道が狭くなったりする場合があります。
2.脳の血流低下が認知機能に影響することがある
脳の血管が傷つくと、脳の一部に十分な血液や酸素が届きにくくなることがあります。
結果として、記憶力や判断力などの認知機能に変化が出る可能性も指摘されています。たとえば、物事を思い出しにくい、段取りを考えるのに時間がかかるといった変化です。
3.脳血管障害や認知症リスクとの関係も指摘されている
高血圧は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害と関係します。これらは、血管性認知症に関わる要因の1つです。
また、WHOの認知症リスク低減に関するガイドラインでは、高血圧の管理は認知機能低下や認知症リスクを下げる可能性がある取り組みとして示されています。
血管性認知症の特徴を詳しく知りたい方は「血管性認知症の特徴とは?原因や生活の中で見られる具体的な変化を解説」も参考にしてみてください。
認知症は高血圧だけでなく、さまざまな要因が関係する

認知症の発症には、高血圧だけでなくさまざまな要因が関係するとされています。日本神経学会の「認知症疾患診療ガイドライン2017」では、認知症の危険因子や関連する要因として、次のような内容が示されています。
- 年齢
- 糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病
- 喫煙
- 運動不足
- うつ病
- 睡眠時無呼吸症候群
また、中年期の高血圧は、高齢期の認知症や認知機能低下の危険因子とされています。一方で、高齢者の降圧治療と認知症の発症リスク低下との関係については、今後の研究が期待される段階です。
高血圧だけで過度に不安になる必要はありませんが、血圧を管理することは健康を守るうえで大切です。治療中の方は自己判断で薬を調整せず、主治医に相談しましょう。
喫煙と認知症との関係を詳しく知りたい方は「タバコと認知症の関係は?リスクとされる理由や高齢者の禁煙・家族の関わり方を解説」を参考にご覧ください。
高血圧の人が日常生活で意識したいポイント

高血圧がある場合は、血圧管理のために毎日の生活を少しずつ見直してみましょう。
1.自己判断で薬をやめたり減らしたりしない
血圧の薬を飲んでいる方は、自己判断で薬をやめたり、量を減らしたりしないようにしましょう。家庭で測った血圧が低めの日があっても、一時的な変化の可能性があります。
めまい、ふらつき、血圧の変動などが気になる場合は、記録をつけて主治医に相談すると安心です。
2.食事は減塩を意識する
日本人の高血圧の大きな原因として、食塩のとりすぎが挙げられています。まずは、少し減らすことから始めるとよいでしょう。
- めん類の汁は全部飲まない
- しょうゆやソースは「かける」より「つける」
- 漬物や加工食品を食べる回数を減らす
- だし、酢、香味野菜を使って薄味を補う
また、野菜や果物を取り入れたり、腹八分目を意識したりすることも、血圧管理に役立つとされています。ただし、持病や食事制限がある方は、医師や管理栄養士への相談を検討してください。
3.適度に運動する
高血圧の運動療法では、できれば毎日30分以上、ややきついと感じる程度の有酸素運動が一般的にすすめられています。
急に頑張りすぎる必要はありません。次のように、生活の中で体を動かす機会を増やしてみましょう。
- 近所を散歩する
- 買い物で少し遠回りする
- エレベーターではなく階段を使う
- テレビを見ながら足踏みをする
ただし、息切れや胸の痛み、強いふらつきなどがある場合は無理をせず、医師への相談を検討してください。
気軽にできる運動のポイントについては「認知症予防に運動を!気軽にできる運動と実践ポイント」も参考にご覧ください。
認知症と高血圧の関係を理解し、生活の変化に早めに気づきましょう
高血圧は脳の血管や血流に影響し、認知機能の低下や認知症リスクと関係する可能性があると考えられています。ただし、認知症の発症は高血圧だけでなく、年齢や生活習慣などさまざまな要因が関わっています。
血圧管理を続けながら、もの忘れや生活の変化にも早めに気づくことが大切です。気になる変化がある場合は、日々の状態を振り返るきっかけとして、ベルコメンバーズアプリの認知機能チェックを活用してみてください。
【参考文献】
厚生労働省:高血圧
WHO:WHO guidelines. World Health Organization; 2019.
日本神経学会:認知症疾患診療ガイドライン2017 第4章 経過と治療
公益財団法人 長寿科学振興財団:第4章 認知症の予防 2.生活習慣病(2)高血圧
厚生労働省:栄養・食生活と高血圧
厚生労働省:高血圧症を改善するための運動
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