認知症の早期発見につなげるには?家族が相談を考える目安と受診の工夫

認知症の早期発見につなげるには?家族が相談を考える目安と受診の工夫
認知症は早期発見が大切とわかっていても「年齢のせいかもしれない」「本人を傷つけたくない」と迷う家族は少なくありません。大切なのは、気になる変化を早めに相談につなげることです。

本記事では、認知症の早期発見で家族の気づきが大切な理由や、相談を考えたいタイミングをわかりやすく解説します。

認知症の早期発見で家族の気づきが大切な理由

認知症の早期発見で家族の気づきが大切な理由

認知症による変化には、本人よりも家族が先に気づくことがあります。もの忘れだけでなく、判断力や理解力の低下、時間や場所がわかりにくくなる変化などがみられることがあるためです。

また、認知症のような症状があっても、別の病気や薬の影響が関係していることもあります。たとえば、次のような病気では、認知症に似た症状がみられることがあります。

  • 正常圧水頭症
  • 甲状腺機能低下症
  • ビタミンB12欠乏症

早めに医療機関へ相談することで、原因に応じた対応につながる可能性があります。

家族は本人の「いつもと違う様子」に気づきやすい立場です。早めに変化に気づくことで、医療や介護の相談、生活環境の見直し、今後の希望の確認などにつなげやすくなります。

認知症の早期発見が遅れやすい理由

認知症の早期発見が遅れやすい理由

早期発見が遅れやすい背景には、次のような点が挙げられます。

  • 年齢のせいだと思いやすい
  • もの忘れ以外の変化に気づきにくい
  • 認知症への不安や誤解がある
  • 生活への支障が見えにくい

もの忘れが増えても「年齢のせいかもしれない」と考え、しばらく様子を見ることがあります。認知症と診断される前の段階として、軽度認知障害(MCI)と呼ばれる状態もあります。しかし、初期には日常生活への支障が目立ちにくいため、相談のタイミングに迷う場合もあるでしょう。

また、認知症では記憶の問題だけでなく、気分や行動の変化がみられることもあります。たとえば、怒りっぽくなる、外出を面倒がる、趣味への関心が薄れるなどです。このような変化は、性格や気分の問題と受け止められる場合があります。

さらに「認知症かもしれない」と考えること自体に抵抗を感じる人もいます。本人を傷つけたくない気持ちから、受診や相談をすすめにくい場合もあるでしょう。

軽度認知障害(MCI)について詳しく知りたい方は、「軽度認知障害とは」も参考にご覧ください。

家族が認知症の相談を考えたいタイミングとは?

家族が認知症の相談を考えたいタイミングとは?

気になる変化があっても、すぐに受診すべきか迷うことは少なくありません。家族が相談を考える目安は、日常生活への影響が出ているかどうかです。

たとえば、次のような場面が続くときは、相談を検討してもよいでしょう。

相談を考えたい場面 具体例
お金や薬の管理に不安がある ・支払いを忘れる
・薬の飲み忘れが増える
家事や外出に戸惑いがある ・料理や買い物の手順に迷う
・よく知っている場所で不安そうにする
身だしなみや清潔感が変わった ・季節に合わない服を着ている
・入浴や着替えを面倒がる
気分や行動の変化が続いている ・怒りっぽい、不安そうにすることが増えた
・外出や人との交流を避ける様子が目立つ
安全面に不安が出てきた ・運転ミスが増える
・火の消し忘れや転倒が心配になる

ただし、これらの変化があるからといって、認知症と決まるわけではありません。体調不良や薬の影響、気分の落ち込みなどが関係していることもあります。

認知症の初期症状については「認知症の6つの初期症状とは?加齢との違いや受診の目安も解説」も参考にご覧ください。

認知症かも?と思ったら、家族だけで判断しない

認知症かも?と思ったら、家族だけで判断しない

認知症が疑われる場合、家族だけで受診の必要性や対応方法を決めるのは難しいものです。診断や治療の必要性は、医師が本人の様子や検査結果、日常生活の状況などをふまえて判断します。

相談の際は、本人を無理に説得しようとするよりも、まずは困っている場面を整理しておくと伝えやすくなります。たとえば「通帳や保険証の置き場所がわからず困っていた」「約束の日を忘れることが増えた」など、生活の中で気になったことを簡単にまとめておきましょう。

本人に受診をすすめるときは「最近少し心配なことがあるから、体調の確認も兼ねて相談してみよう」と声をかける方法もあります。

受診を嫌がる場合は、地域包括支援センターなどに家族だけで相談し、対応を一緒に考えてもらうこともできます。健診や持病の受診など、本人が受け入れやすい機会にあわせて相談するのも方法の1つです。

受診が遅れることで起こりやすい困りごとについては「認知症は受診しないとどうなる?家族に起こりやすい困りごとや受診の伝え方」も参考にご覧ください。

認知症が気になる場合は専門家へ相談しましょう

もの忘れや行動の変化が続くときは、家族だけで判断せず、かかりつけ医や地域包括支援センターへの相談を検討しましょう。

ベルコメンバーズアプリでは、認知機能の状態を振り返るためのセルフチェック機能をご利用いただけます。気になる変化を整理し、相談を考えるきっかけとしてご活用ください。

【参考文献】

WHO.Dementia

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター:こころの情報サイト.認知症

日本神経学会:認知症疾患診療ガイドライン2017.第16章内科的疾患等

厚生労働省:認知症に関する相談先

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