認知症とコレステロール|中年期の高LDLや薬との関係を解説

認知症とコレステロール|中年期の高LDLや薬との関係を解説

健診でコレステロール値を指摘され、将来の認知症との関係が気になり、不安に感じる方もいるかもしれません。コレステロールと認知症の関連は、年齢やコレステロールの種類によって捉え方が異なります。

この記事では、現在わかっている研究結果をもとに、認知症とコレステロールの関係や向き合い方をわかりやすく解説します。

認知症とコレステロールの関係

認知症とコレステロールの関係

コレステロールは、細胞膜やホルモンの材料になるなど、体に必要な脂質の1つです。血液中では、主にLDLやHDLなどによって運ばれています。それぞれの役割は、次のとおりです。

  • LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール):肝臓でつくられたコレステロールを全身へ運ぶ。増えすぎると動脈硬化につながることがある
  • HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール):余分なコレステロールを回収して肝臓へ戻す働きがある

認知症との関連で近年注目されているのが、LDLコレステロールです。医学誌「The Lancet」に掲載された専門家委員会の2024年の報告では、高LDLコレステロールが認知症の新たなリスク因子として追加されました。

ただし、LDLコレステロールが高い人すべてが認知症になるわけではありません。コレステロールと認知症の関連については、値を測定した年代なども踏まえて捉える必要があります。

認知症とコレステロールの関連は年代によって捉え方が異なる

認知症とコレステロールの関連は年代によって捉え方が異なる

中年期と高齢期では、コレステロールと認知症との関連について研究で示されている結果が異なります。それぞれ確認してみましょう。

中年期の高LDLと将来の認知症との関連が報告されている

2023年に17件の研究、約120万人分のデータをまとめて分析した研究では、中年期の脂質異常症と、その後の認知症や軽度認知障害(MCI)との関連が報告されています。LDLコレステロール値の上昇と、その後の認知症の発症との関連も報告されました。

ただし、これらは「LDLコレステロールが高ければ必ず認知症になる」ことを意味するものではありません。

高齢期では認知症との関連が一貫して示されていない

一方、60歳以上の2万1,000人を超えるデータをまとめた研究では、平均76歳の高齢者において、総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロールと、その後の認知機能低下や認知症との間に、明確で一貫した関連は確認されませんでした。

そのため、中年期にみられた研究結果を、そのまま高齢期にも当てはめることはできないと考えられます。

コレステロールを薬で下げることと認知症の関係

コレステロールを薬で下げることと認知症の関係

コレステロール値を下げる薬の使用と、認知機能や認知症との関係については、これまでさまざまな研究が行われています。現在わかっていることを確認してみましょう。

脂質低下薬と認知機能との関係でわかっていること

コレステロール値を下げる薬には、スタチンなどの脂質低下薬があります。

2025年に複数のランダム化比較試験(参加者を無作為にグループ分けし、治療の効果を比べる研究)をまとめた研究では、脂質低下療法と認知症または認知機能障害の発生との間に、統計学的に有意な関連は認められませんでした。一方、脂質低下療法によって認知症の発症が減ることも、この研究では明確に示されていません。

ただし、追跡期間は比較的短く、長期的な影響の評価には限界があります。WHOも、スタチンが認知症リスクに与える影響については、現時点ではエビデンスが限られているとしています。

薬は自己判断で中止せず医師に相談する

脂質低下薬は、認知症への影響だけを基準に使用の要否を判断するものではありません。脂質異常症の程度や、心血管・脳血管疾患の既往・リスクなども踏まえて、治療が検討されます。

認知症への影響が気になる場合も、処方されている薬を自己判断で中止せず、医師に相談してください。

認知症が心配なときのコレステロール値との向き合い方

認知症が心配なときのコレステロール値との向き合い方

認知症との関連が気になる場合も、コレステロール値だけではなく、健診結果やほかの健康状態も含めて考えることが大切です。

健診結果や治療について医療機関に相談する

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、脂質異常症の診断基準に当てはまる場合でも、すぐに治療が必要というわけではないとしています。

治療の必要性は、コレステロール値だけで一律に決まるものではありません。健診で気になる結果があった場合や、治療について不安がある場合は、医療機関に相談しましょう。

コレステロールだけに注目しない

認知症には、コレステロール以外にも複数の要因が関連します。WHOの「認知機能低下および認知症のリスク低減:WHOガイドライン、第2版」では、高血圧や糖尿病、身体活動、食生活、喫煙など、さまざまなリスク因子を取り上げています。

また、複数のリスク因子は包括的に捉える必要があるとしています。喫煙と認知症との関係について知りたい方は「タバコと認知症の関係は?リスクとされる理由や高齢者の禁煙・家族の関わり方を解説」も参考にご覧ください。

認知症とコレステロールの関係を理解しておきましょう

コレステロールと認知症の関連は、年齢やコレステロールの種類によって捉え方が異なります。コレステロール値の高低だけで、認知症リスクを判断することはできません。健診結果や治療は自己判断せず、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。

認知症の種類や症状、リスク因子など全体像を知りたい方は「認知症の基礎知識|初期症状・種類・予防・もの忘れとの違いを解説」ページも参考にしてみてください。

ベルコメンバーズ

\ 無料ダウンロード /

認知機能チェックもできる、暮らしの安心アプリ

\ 無料ダウンロード /

ベルコメンバーズ

認知機能チェックもできる、
暮らしの安心アプリ

ベルコメンバーズ

\ 無料ダウンロード /

認知機能チェックもできる、
暮らしの安心アプリ

\ 無料ダウンロード /

ベルコメンバーズ

認知機能チェックもできる、
暮らしの安心アプリ