認知症予防を意識する際に習い事は役立つ?選び方や続けるポイントを解説
「認知症予防のために習い事を始めたいけれど、何を選べばよいのだろうか」「高齢の家族でも無理なく続けられる習い事はあるのか」と迷っていませんか。
認知症予防を意識する際は、身体活動や認知的な活動など、日常生活の中でできる取り組みが重要です。習い事は、興味のあることを楽しみながら、身体を動かしたり、新しいことを学んだりする機会を作れる点が特徴です。
本記事では、認知症予防を意識する方におすすめの習い事や選び方、無理なく続けるポイント、教室の探し方を解説します。自分の興味や体力に合った習い事を選ぶことで、日常生活の中に楽しみながら続けられる活動を取り入れやすくなるでしょう。
目次
習い事は認知症予防に役立つ?

認知症を確実に予防できる方法は確立されているわけではありません。日常生活の中で身体を動かしたり、頭を使ったり、人と交流したりする機会を持つことは、認知機能の維持を考えるうえで大切とされています。
以下のような複数の活動を取り入れやすい点が習い事の特徴です。
- 新しい知識や動作を覚える
- 決まった日に外出する
- 講師や参加者と会話する
なお、習い事を始める際は、生活の中で無理なく続けられる環境を整えると良いでしょう。
認知症予防を意識する方におすすめの習い事6選

認知症予防を意識する際は運動や脳トレ、人との交流などの要素があるものを選ぶと良いでしょう。ここでは、高齢の方でも取り入れやすい習い事や指先での細かい作業をおこなう習い事、コミュニケーションを取りやすい習い事などを6つ紹介します。
ダンス
ダンスは、振り付けを覚えたり、音楽に合わせて身体を動かしたりするため、身体活動と認知的な活動を組み合わせやすい習い事です。
また、グループレッスンでは講師や参加者との会話も生まれます。音楽が好きな方や、一人で運動するより仲間と楽しみたい方でも取り組みやすいでしょう。
初心者向けやシニア向けの教室であれば、動きの難易度を抑えられる場合もあります。見学や体験レッスンを利用し、安心して続けられる内容か確かめてから参加を検討してみてください。
体操
身体を動かす習慣を作りやすい点が体操のメリットです。教室で基本的な動きを覚えれば、自宅でも体調に合わせて取り組みやすいため、運動する機会を増やしたい方にも向いている習い事といえます。
体操は椅子に座ったままできるものや、ゆっくりと身体を動かすものなど、負担を調整しやすい点も特徴です。
なお、ベルコメンバーズアプリでは自宅で取り組める「まいにち体操」を紹介しています。認知症予防を意識する際だけでなく、就寝前のストレッチや身体をほぐしたいときなどにも活用してみてください。
ベルコメンバーズアプリの「まいにち体操」は、下記の記事で紹介しているので参考にご覧ください。
関連ページ:体操で認知症予防!頭も体も一緒にリフレッシュ
楽器
楽器は次のような複数の動作を組み合わせて取り組める習い事です。
- 楽譜を読む
- 音を聞く
- 指を動かす
- 次の演奏を考える
ピアノやギターなど過去に経験した楽器に再び取り組むだけでなく、初心者向けの講座が用意されている楽器に挑戦してみても良いでしょう。
一人で練習できる点も楽器の魅力ですが、人との交流を増やしたい場合は、合奏やグループレッスンを選んでみてください。演奏について話したり、発表会に向けて練習したりする機会を設けやすく、社会との交流につながる習い事といえます。
絵画
絵画は描く対象を観察し、色や形、構図を考えながら作品を作る習い事です。自分のペースで進めやすく、運動と比較すると体力面での負担を抑えながら取り組めます。水彩画や色鉛筆画、デッサンなど種類が多く、関心のある分野から始めやすいでしょう。
また、教室では作品について語り合う、展示会への参加を目標にするなど、楽しみつつ目的を持って取り組むこともできます。創作の過程や作品が出来上がったときの達成感なども絵画の魅力です。
語学
語学は新しい単語や表現を覚えたり、文章を読んだり、会話をしたりしながら学べる習い事です。旅行や映画・音楽など、言語を学んだ先の目的を意識するとより楽しめるでしょう。
さらに、英会話のような会話形式の教室を選ぶことで、講師や参加者とのコミュニケーションも自然に増やせます。外出や旅行など、学んだことを活用する機会にもつなげられる習い事です。
手芸
手芸は完成する作品をイメージしながら手順を確認し、編む、縫う、折るなどの作業を進める習い事です。指先での細かい作業が多いため、手先の運動にもつながります。
編み物や刺しゅう、折り紙など種類が多く、好みや得意な作業に合わせて選べる点も魅力といえます。また、座った状態で取り組めるものも多いため、激しい運動が難しい方でも生活に取り入れやすい習い事の一つです。
認知症予防を意識した習い事の選び方

習い事を長く続けるには、本人の興味や体力に合った内容を選ぶ必要があります。認知症予防を意識する際に確認したい選び方を押さえておきましょう。
興味を持って続けられる内容を選ぶ
習い事を選ぶ際は、本人が「やってみたい」「また参加したい」と感じられる内容を選びましょう。認知症予防を意識する際でも、楽しんで取り組めない内容では本人の負担になりやすく、参加自体に抵抗を感じる可能性があります。
また、習い事だけでなく、ボードゲームやトランプ、麻雀など、家族や友人と楽しめるゲームも手先の運動や脳トレにつながると考えられています。頭の体操や適度な運動、コミュニケーションの機会を設けられる事柄であれば習い事にこだわらなくても問題ありません。
体力に合った内容を選ぶ
高齢になると体力や身体機能の個人差が大きくなるため、本人の状態に合った習い事を選ぶことが大切です。ダンスや体操などは、動きの速さや運動の強度だけでなく、転倒の恐れもあるため、体力や安全面に配慮された内容かどうかを確認しましょう。
また、絵画や手芸のように座っておこなう習い事でも、長時間同じ姿勢で過ごすと疲れや痛みが出る場合があります。教室の時間や移動距離まで含め、無理なく通えるかどうかも重要です。
人と交流できる環境を選ぶ
認知症予防を意識する際は、社会との交流や人とのコミュニケーションも選択肢の一つです。そのため、習い事を選ぶときは講師や参加者と会話しやすい環境かどうかを確認しておきましょう。
習い事の予定があると外出するきっかけを作りやすく、共通の趣味を持つ人と定期的に顔を合わせる機会にもなります。また、ダンスや合奏、英会話などはグループで活動する教室も多く、コミュニケーションにつながりやすいといえます。
ただし、人付き合いを負担に感じる方へ無理にグループでの活動を勧める必要はありません。本人が心地よいと感じるかを重視した上で習い事を選ぶことが大切です。
認知症予防を意識して習い事を続けるポイント

習い事は、無理なく楽しめる方法で生活に取り入れることが大切です。本人の負担を抑えながら継続するためのポイントを確認しておきましょう。
無理のない頻度で続ける
習い事の頻度は本人の体力や生活リズムに合わせて決めましょう。週に何回なら疲れが残りにくいか、ほかの通院や家事、家族との予定と両立できるかを考え、余裕のあるスケジュールを組むことが重要です。
習い事で教室に通う場合は、移動にかかる時間や負担にも注意が必要です。自宅から遠い場所では、行き帰りだけで疲れる恐れがあります。体調が優れない日は休み、疲れが続くときは回数を減らすなど、本人の体調に合わせて調整してください。
楽しむことを優先する
認知症予防を意識した習い事でも、本人が活動を楽しめるかどうかが重要です。習い事が義務になってしまうと、通うこと自体に負担を感じる恐れがあります。好きな音楽を演奏する、作品を完成させる、仲間と会話するなどの楽しみを感じられる習い事を選びましょう。
上達の速さや作品の完成度を周囲と比べる必要もありません。新しいことを知ったり、教室へ出かけたり、誰かと話したりする時間も習い事の楽しみの一つです。続けることに負担を感じる場合は、別の習い事に切り替えることも検討してみてください。
認知症予防を意識する際におすすめの趣味は、下記の記事で説明しているのでご活用ください。
家族や友人と一緒に取り組む
一人で新しい教室へ参加することに不安がある方は、家族や友人と一緒に取り組んでみてください。知っている人がそばにいれば、初めての場所でも緊張が和らぎやすく、活動を始めるきっかけを作りやすくなるでしょう。
高齢の家族を習い事に誘う場合は「健康のため」と強く勧めるのではなく、本人の興味を優先した勧め方を工夫してみてください。一緒に見学へ行く、複数の教室から本人に選んでもらうなど、意思を尊重することが大切です。
なお、認知症予防を意識する際のコミュニケーションの重要性は下記の記事で紹介しているので、参考にご覧ください。
認知症予防を意識した習い事の探し方

認知症予防を意識した習い事を探す際は、自治体の広報誌やWebサイト、公民館や地域交流施設の講座情報を確認してみましょう。
例えば、Webサイトでは「〇〇市 高齢者 教室」「〇〇市 介護予防教室」などと検索してみてください。
また、地域によっては認知症予防教室や介護予防教室、体操教室などを開催している場合があります。
地域で参加できる活動が分からない場合は、地域包括支援センターへ相談する方法もあります。高齢者の生活や介護に関する相談を受け付けており、地域の通いの場や活動について情報を得ることも可能です。民間の窓口やオンライン講座も含め、内容や費用、通いやすさを比較し、本人が無理なく参加できる場所を選びましょう。
認知症予防の習い事に関するよくある質問
認知症予防の習い事に関するよくある質問を整理しました。
習い事だけで認知症を予防できる?
習い事だけで認知症を確実に予防できるとはいえません。認知症の発症には、加齢に加えて生活習慣や健康状態など複数の要因が関係すると考えられているためです。「特定の習い事をすれば認知症を防げる」というわけではない点には注意してください。
認知症予防を意識する場合は、適度な運動やバランスの取れた食事、生活習慣病の管理、人との交流などを含めて生活全体を見直すことが大切です。
なお、認知症予防で重要とされる10箇条を下記の記事で紹介しているので、参考にご覧ください。
一人でできる趣味でも認知症予防を意識できる?
認知症を予防する際の活動として、読書を含む知的な活動も選択肢の一つです。手芸や絵画、楽器などは一人で取り組める趣味に挙げられます。
周囲と予定を合わせなくても自分のペースで続けられるため、人付き合いの多い教室が苦手な方や、外出が難しい日がある方にも取り入れやすい方法といえます。
なお、一人で取り組める趣味でも、完成した作品を家族に見せる、読んだ本の感想を話す、月に数回だけ教室へ参加するなど、社会との交流を設けることは可能です。
認知症と読書の関係は、下記の記事で紹介しているので参考にご覧ください。
認知症予防教室とは?
認知症予防教室とは自治体や地域の団体、民間事業者などがおこなう、認知機能の維持や健康づくりを意識した取り組みです。専用の施設を指す言葉ではなく、開催場所や対象者、プログラムの内容は実施する団体によって異なります。認知症や生活習慣について学ぶ講座のほか、ゲームやパズルなどの認知トレーニングを取り入れている場合があります。
教室によっては体操やダンスなどの運動、絵画や手芸などの創作活動、参加者同士の会話やグループ活動などが活動内容に含まれることもあるでしょう。参加を希望する場合は、自治体のWebサイトや広報誌、地域包括支援センターなどで情報を確認してください。
習い事を楽しみながら認知症予防を意識しよう
認知症予防を意識する際は、本人が興味を持ち、無理なく続けられる習い事を選ぶことが大切です。ただし、習い事だけで認知症を確実に予防できるわけではありません。運動や食事、持病の管理などを含めた生活全体の管理が重要です。
また、ベルコメンバーズアプリを活用して、日々の状態を振り返る方法もあります。
チェック結果は総合的な評価だけでなく、各項目の数値やコメントの確認も可能です。過去の結果は自動で記録され、推移をグラフで確認できるため、変化の整理や医療機関への相談のきっかけにも活用できます。
もの忘れが増えたなど気になる変化がある場合は、アプリの結果だけで判断せず、医療機関への相談を検討しましょう。
【参考文献】
PubMed.Leisure Activities and the Risk of Dementia: A Systematic Review and Meta-analysis
PubMed.Effects of dance on cognitive function in older adults: a systematic review and meta-analysis
WHO.Risk reduction of cognitive decline and dementia: WHO guidelines, 2nd ed.
PubMed.Cognitive leisure activities and their role in preventing dementia: a systematic review





