認知症予防に読書は役立つ?おすすめの本の選び方や続けるコツを解説
「読書が認知症予防にいいって聞くけど、本当?」「高齢の親に本を勧めたいけど、どんな本がいいんだろう」
そんな方に向けて、読書と認知症予防の関係を解説します。読書だけで認知症を防げるわけではありません。ただし、読書を含む知的活動は認知機能の維持や認知症リスク低下と関連することが研究で示されています。
この記事では、読書が認知症予防に役立つとされる理由や本の選び方、続けやすくする工夫などを解説します。今日から無理なく読書を生活に取り入れ、認知症予防に取り組めるようになるでしょう。
目次
読書が認知症予防につながる理由

読書は、認知機能を使う知的活動のひとつとして、認知症予防に役立つと考えられています。
読書と認知症予防の研究
読書そのものに認知症を予防する効果が証明されているわけではありませんが、知的活動と認知症リスクの関連を示す研究は複数あります。
海外の研究では、認知機能に問題のない469名の高齢者を数年間追跡した結果、読書・楽器演奏・ボードゲームを週2回以上していた人は、週2回未満の人と比べて、認知症になった割合が少なかったと報告されています。
ただし、これは読書だけの効果を示したものではなく、あくまで知的活動全体と認知症リスクの関連を示すものです。読書だけではなく、運動・食事・睡眠などとあわせて取り入れる必要があります。
読書を続けることで期待できること
本を読むときには、文字を追って内容を理解し、前の場面を記憶し、次の展開を想像するなど記憶力・集中力・思考力などを同時に使う機会を増やす効果が期待できます。
また、新しい知識や興味を得ることが脳への刺激になり、読んだ内容を家族や友人と話すことで会話や交流のきっかけにもなります。こうした複合的な脳の使い方が、知的活動としての読書の特徴と言えるでしょう。
読書だけでなく生活習慣も大切
読書は認知症予防の取り組みのひとつであり、生活習慣全体を整えることが重要とされています。
ウォーキングやラジオ体操などの適度な運動、魚や野菜を取り入れたバランスのよい食事、十分な睡眠なども認知機能の維持に役立ちます。
読書を入り口にしつつ、これらを組み合わせていくことが望ましいでしょう。
認知症予防におすすめの本の選び方

認知症予防を目的に本を選ぶときは、「無理なく楽しく続けられること」を優先しましょう。
興味のあるジャンルから選ぶ
好きな内容の本を選ぶことが、読書を長く続けるコツです。
小説・歴史・趣味の実用書などジャンルは問いません。「予防のために読まなければ」と義務感で選ぶよりも、「読みたい」と思える本のほうが続けられるでしょう。
まずは本人が興味を持てるテーマから選ぶことをおすすめします。
難しすぎない本を選ぶ
無理なく最後まで読める本を選ぶことが、挫折を防ぐポイントです。
内容が難しすぎると、途中で読むのが負担になり、読書が嫌になってしまうことがあります。文字が大きく読みやすいものや、短編集・エッセイなど区切りのよい本は、集中力が続きにくい方でも取り組みやすい選択肢です。
「1話読めた」という達成感が、次の読書につながります。
音読できる本もおすすめ
声に出して読む音読は、黙読とは異なる脳の使い方ができる方法です。
音読は、文字を読む・声に出す・自分の声を聞くという複数の動作を同時に行います。東北大学の研究では、音読・計算・コミュニケーションを組み合わせた「学習療法」を高齢者施設で取り入れたところ、約2か月後に表情が明るくなる、自発的に取り組む、笑顔が増えるといった変化が見られたと報告されています。
また、登場人物や出来事を思い出したり、読み終えた後に家族へ感想を話したりすると、記憶や思考、言語機能をより幅広く使う機会になるでしょう。
認知症予防におすすめの本

ここでは、認知症予防に取り入れやすい本のタイプを紹介します。本人の興味や体調に合わせて選びましょう。
医師監修の認知症予防に関する本
認知症の仕組みや予防方法を知りたい方には、医師や専門家が監修した認知症関連の本がおすすめです。
認知症が起こる原因や脳の働き、日常生活で意識したい習慣などを学べるため、予防への理解を深めるきっかけになります。
本人が読むだけでなく、家族が認知症について正しく理解するためにも役立ちます。選ぶ際は、医学的な根拠にもとづいて解説されているものや、専門家が監修しているものを選ぶとよいでしょう。
楽しみながら取り組める高齢者向けの脳トレ本・ドリル
計算や漢字のドリルなどの脳トレ本は、ゲーム感覚で楽しみながら取り組める点が魅力です。
1日数分から取り組めるものも多く、読書が習慣になっていない方でも始めやすい点が特徴です。
選ぶ際は、難易度が本人に合っているかを確認しましょう。簡単すぎるものでは物足りず、難しすぎるものでは負担になるため、「少し考えれば解ける」程度の内容がおすすめです。
思い出や会話につながる写真集・絵本
文字を読むことが負担になってきた方には、写真集や絵本も取り入れやすい選択肢です。
昔の風景や懐かしい暮らしを扱った写真集は、過去の記憶を思い出すきっかけになり、家族との会話につながることがあります。また、絵本や短い物語は、長時間集中することが難しい方でも楽しみやすい本です。
「最後まで読み切ること」を目標にするのではなく、写真を眺めたり、内容について話したりする時間そのものを楽しむように心がけましょう。
認知症予防で読書を続けられるようにするための家族の工夫

読書を続けてもらうために、家族ができるサポートがあります。
本人の好きな本を選ぶ
本人がこれまで好きだったジャンルや興味に合わせて本を用意することが、読書のきっかけになります。
若い頃に好きだった作家や、趣味に関する本など、本人の関心に沿った本は手に取りやすくなります。
よかれと思って難しい本や「ためになる本」を勧めても、本人の興味と合わなければ続きません。本人の意思を尊重し、無理に勧めないことが大切です。
家族も一緒に読んで会話する
家族も一緒に読み、内容について話す時間をつくることで、読書が交流の機会になります。
「この後どうなるだろう」「犯人は誰だろう」など、先の展開を予想しながら読むと、想像力や思考力を使います。正解を当てることが目的ではなく、自分なりに考えながら読む習慣が大切です。
本を読めなくなっても無理をさせない
読む力が以前と変わってきても、本人を焦らせず、そのときできる形を一緒に探すことが不可欠です。
認知機能の変化によって、長い文章に集中できなくなったり、内容を覚えていられなくなったりすることがあります。「前は読めたのに」と本人が落ち込んだり、家族が読書を促しすぎたりすると、かえって苦痛になってしまいがちです。
読み終えることや理解することを目標にせず、写真集や絵本、耳で聴くオーディオブックなどに切り替えるなど、本人が「心地よい」と感じられる関わり方を優先しましょう。
読書以外にも取り入れたい認知症予防

読書は認知機能を使う知的活動のひとつですが、認知機能の維持には生活習慣から見直すことが欠かせません。読書とあわせて、以下のような取り組みを取り入れてみましょう。
- ウォーキングやラジオ体操など適度な運動を習慣にする
- 魚や野菜などを取り入れたバランスのよい食事を心がける
- 十分な睡眠を確保する
- 過度な飲酒を控える
また、日々の認知機能の変化を把握するには、ベルコメンバーズアプリのセルフチェックのようなツールを活用し、継続的に確認する方法もあります。
認知症予防の読書に関するよくある質問
読書と認知症予防について、多くの方が気になる疑問をQ&A形式でまとめました。「新聞でもいいの?」「オーディオブックはどう?」など、よく寄せられる質問への回答を参考にしてみてください。
Q1 新聞でも認知症予防になりますか?
新聞や雑誌を読むことも、読書と同じく知的活動のひとつです。
興味のある記事を読んだり、内容について家族と話したりすることが脳への刺激になります。毎日届く新聞は習慣にしやすく、続けやすい方法と言えるでしょう。
Q2 オーディオブックでも認知症予防になりますか?
耳から情報を得るオーディオブックも、知的活動の選択肢のひとつです。
視力の低下や目の疲れ、長時間文字を読むことへの負担などで読書が難しくなった方でも取り入れやすい方法です。内容を聞きながら理解したり、場面を想像したりすることは、脳を使う活動につながります。
形式にこだわらず、自分に合った方法で無理なく読書習慣を続けることが重要です。
Q3 認知症になってからでも読書は続けられますか?
認知症になっても、進行の状況に合わせて読書を楽しむことは可能です。
長い文章が難しくても、写真集や絵本、短い詩など負担の少ない本であれば楽しめることがあります。読み切ることよりも、本人が心地よく楽しめることを第一に考えましょう。
読書を楽しみながら認知症予防を続けよう
読書は、それだけで認知症を防ぐものではありませんが、記憶力や集中力を使う知的活動として、運動や食事などとあわせて取り入れると効果が期待できます。大切なのは、義務感ではなく「楽しむこと」です。
興味のある本を選び、家族と感想を話しながら、無理のない範囲で続けていきましょう。
読書のような知的活動を続けるうえで、自分の状態を知っておくことも役立ちます。ベルコメンバーズアプリでは、認知機能を手軽にチェックできるだけでなく、脳を使うクイズなどのコンテンツも楽しめます。読書と合わせて、日々の習慣のひとつに加えてみてください。


