MCIは予防できる?チェックリストと認知症への進行リスクを下げる7つの対策

MCIは予防できる?チェックリストと認知症への進行リスクを下げる7つの対策

「MCIって予防できるの?」「MCIは改善するの?」

そう感じて検索している方も多いのではないでしょうか。MCI(軽度認知障害)は、対策次第で健常な状態に戻る可能性があります。MCIハンドブックによると、MCIの方のうち1年で約16〜41%が健常な状態に回復すると報告されており、何もしないまま諦める必要はありません。

この記事では、MCIのセルフチェック方法と認知症への進行リスクを下げる7つの対策を紹介します。今日から何を始めればよいかが具体的にわかるはずです。

MCI予防に効果が期待できる7つの方法

MCI予防に効果が期待できる7つの方法

MCI予防には、運動や食事、人との交流など、複数の生活習慣を組み合わせて取り入れることが重要です。MCI予防は、すべてを一度に始める必要はありません。「運動・睡眠・人との交流」から始めるだけでも継続しやすくなります。ここでは、国立長寿医療研究センターが紹介するコグニサイズを含め、今日から始められる7つの方法を紹介します。

有酸素運動を習慣化する

1日30分程度のウォーキングを週3〜5回続けることは、MCI予防に効果が期待できます。

運動によって生活習慣病の改善が期待できます。無理に激しい運動を選ぶ必要はなく、継続しやすい運動を選ぶことが大切です。

運動と脳トレを組み合わせた「コグニサイズ」を取り入れる

コグニサイズは、国立長寿医療研究センターが開発した、運動と脳トレを組み合わせた認知症予防プログラムです。

例えば、足踏みをしながら計算をする、歩きながらしりとりをするなど体と脳を同時に使うのが特徴です。MCIの段階でコグニサイズを実施することで認知機能の低下を抑制できることが確認されています。複合的な運動プログラムを40週間継続したグループでは、記憶や言語機能を含む認知機能の改善が認められたという報告もあります。

下肢の筋力維持や転倒予防にもつながるため、無理のない範囲で継続するとよいでしょう。

栄養バランスの良い食事を摂る

魚・野菜・果物・オリーブオイルなどを意識した食事は、MCI予防に役立つ可能性があります。

青魚に含まれるDHA・EPAや、野菜・果物の抗酸化成分は認知機能との関連が報告されています。毎食すべてを意識する必要はなく、「1日1回は果物を摂る」「野菜を一品増やす」など無理のない習慣から始めましょう。

十分な睡眠を確保する

5時間以上7時間未満を目安に、自分に合った睡眠時間を確保することがMCI予防につながります。

不眠や睡眠の質の低下は認知症の発症リスクを高めると報告されており、睡眠時間が5時間未満の人や8時間以上の人は、5時間以上7時間未満の人と比べて認知症のリスクが高くなる可能性があります。

また、睡眠時無呼吸症候群は認知症のリスクを高める要因の一つです。いびきや日中の強い眠気、睡眠中に呼吸が止まると指摘されたことがある場合は、早めに医療機関へ相談するとよいでしょう。

人との交流を増やす

人との交流を増やすことは、MCI予防において運動と並ぶ重要な対策です。

社会的な孤立は認知症のリスクを高める要因として知られています。配偶者や友人との交流が乏しいなど社会的孤立の指標に多く当てはまる人は、当てはまらない人と比べて認知症のリスクが1.6倍高くなる(65歳以上の場合)ことが示されています。

会話が脳への刺激になるため、趣味や地域活動への参加もおすすめです。

脳トレや認知トレーニングを行う

脳トレや認知トレーニングは、楽しみながら続けやすいMCI予防の方法です。

クイズやパズル、読書や計算なども脳への刺激になります。「やらなければいけない」と気負うよりも、楽しめる方法を見つけて継続することが大切です。

生活習慣病を予防する

生活習慣病の予防も、MCI予防には欠かせない視点です。

高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、認知機能の低下と関連があるとされています。定期的に健康診断を受け、気になる結果が出た場合は医療機関へ相談することをおすすめします。

MCIのチェックリスト|セルフチェック項目を紹介

MCIのチェックリスト

MCIに早く気づくには、日々の物忘れの変化に目を向けることが大切です。

セルフチェックでは、「以前と比べてどう変化したか」を基準に考えることが大切です。

物忘れの頻度が以前より増えていないか、家族や周囲から指摘されることが増えていないか、日常生活に支障が出ていないかなどを確認してみてください。気になる症状があれば、医療機関への相談を検討しましょう。

MCIと診断されたらどうする?本人や家族が始めたい対策

MCIと診断されたらどうする?本人や家族が始めたい対策

MCIと診断されても、生活習慣の見直しや記録、かかりつけ医との相談など本人と家族が今日から取り組める対策があります。一つずつ、無理のない範囲で始めていきましょう。

認知機能の変化を記録する

認知機能の変化を記録しておくことは、その後の対応に役立ちます。

物忘れの頻度や様子を記録し、家族とも変化を共有しておくとよいでしょう。記録は受診時の参考情報としても活用できます。

かかりつけ医に相談する

MCIと診断された後は、かかりつけ医との関係を継続することが大切です。

原因となる疾患の有無を確認し、定期的に病状を確認しましょう。気になる変化があれば、その都度共有しておくと安心です。

会話や外出の機会を増やす

会話や外出の機会を増やすことも、MCIと診断された後の対策として効果が期待できます。

家族との会話を増やし、趣味や地域活動への参加、散歩や買い物など外出の機会を積極的につくっていきましょう。

MCI予防に関するよくある質問

MCIの改善可能性や治療薬の有無など、多くの方が気になる疑問をQ&A形式でまとめました。

Q1.MCIは改善しますか?

MCIは、対策によって改善が期待できる段階です。ただし、何も対策をしないままでいると、認知症へ進行するリスクがあります。

国立長寿医療研究センターは、MCIの人のうち1年で約5〜15%が認知症に移行する一方で、約16~41%の 人は健常な状態になると報告しているため、早めに対策を始めるように勧めています。

Q2.MCIと認知症の違いは何ですか?

MCIと認知症の違いを以下の表にまとめました。

項目 MCI 認知症
日常生活 自分で問題なく送れる 一人で生活するのが難しくなる
お金の管理・服薬 自分で行える 一人で行うのが難しい
自覚 自覚していることが多い 自覚が乏しくなる場合がある
症状の可能性 対策で改善する可能性がある 進行性で、完治は難しいとされる

国立長寿医療研究センターでは、認知症を「一人暮らしが難しいほど認知機能が低下した状態」と説明しています。MCIはその前段階にあたるため、早めに気づいて対策を始めることが、将来の選択肢を広げることにつながります。

Q3.MCIの治療薬はありますか?

現時点では、MCIそのものを治療する薬はありません。運動や食事、認知トレーニングなど、生活習慣の改善が中心的な対策になります。

Q4.MCIは脳トレだけで予防できますか?

脳トレだけでなく、運動や食事、人との交流など複数の要素を組み合わせることが効果的とされています。脳トレは対策のひとつとして取り入れるとよいでしょう。

Q5.MCIと診断されたら何をすればよいですか?

まずは生活習慣を見直し、かかりつけ医との相談を継続してください。認知機能の変化を記録しておくことも、今後の対応に役立ちます。

MCI予防は日々の生活習慣の積み重ねが大切

MCIは、健康な状態と認知症の中間にあたる段階であり、対策次第で改善が期待できます。運動や食事、人との交流など、日々の生活習慣を少しずつ見直すことが、認知症への進行を防ぐために大切です。

今日からできることを一つずつ取り入れていきましょう。

日々の認知機能の変化に気づくためには、定期的なセルフチェックも役立ちます。ベルコメンバーズアプリでは、15問の簡単なテストで認知機能を手軽に確認でき、過去10回分の結果をグラフで振り返ることもできます。MCI予防の取り組みと合わせて、ぜひ活用してみてください。

【参考文献】

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター:あたまとからだを元気にするMCI予防ハンドブック

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター:認知症予防運動プログラム「コグニサイズ」

国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター:認知機能向上を目的とした運動介入の手引き

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