認知症の予防対策には自己効力感が大切|今からできる生活習慣と続けるコツ

認知症の予防対策には自己効力感が大切|今からできる生活習慣と続けるコツ
厚生労働省の認知症施策推進大綱では、運動不足の改善、生活習慣病の予防、社会参加による孤立の解消や役割の保持などが、認知症の発症を遅らせる可能性が示唆される取り組みとして示されています。

運動や食事などの生活習慣を改善しようとしても「なかなか続かない」「何から始めればよいかわからない」と感じる方もいるかもしれません。

認知症の予防対策は、内容だけでなく「続けられる」コツを押さえることも大切です。
この記事では、認知症予防の基本的な対策と、自己効力感を高めながら続けるコツを解説します。

認知症の予防対策で知っておきたい生活習慣の視点

認知症の予防対策で知っておきたい生活習慣の視点

認知症の予防対策では、日々の生活習慣を整えることが大切です。ここでは、意識したい生活習慣の基本を整理します。

運動・食事・睡眠・社会参加が基本

生活習慣を整える場合には、運動・食事・睡眠・社会参加の4つのポイントが挙げられます。

  • 運動:体力の維持だけでなく、生活にメリハリをつけるきっかけにもなる。散歩や体操など、無理のない範囲で体を動かす時間を習慣づける。
  • 食事:特定の食品だけを意識するのではなく、栄養の偏りを避けながら、続けやすい食生活を心がける。
  • 睡眠:十分な時間をとることに加えて、できるだけ生活リズムを整える。
  • 社会参加:人との会話や趣味、地域活動などの日常の刺激の機会を持つ。

今できることから始める

運動・食事・睡眠・社会参加をすべて見直すとなると、負担が大きく感じられるかもしれません。最初からすべてを完璧に行おうとするのではなく、今からできそうなことを少しずつ始めるという視点もあります。

たとえば、以下の小さな取り組みを積み重ねていくような視点です。

  • 「毎日30分歩く」→「今日は5分だけ歩く」
  • 「食事をすべて見直す」→「1日1食だけ意識する」

認知症予防対策で取り入れたい自己効力感とは

認知症予防対策で取り入れたい自己効力感とは

運動や食事といった生活習慣の改善を続けていくにあたって、続かないことで不安になったり、自分を責めたりすることもあるかもしれません。

ここでは、認知症予防対策で押さえておきたい自己効力感の意味と、継続しにくい背景についてお伝えします。

自己効力感とは「自分にもできる」と思える感覚

自己効力感とは、「自分にもできる、続けられそうだと思える感覚」です。

ドイツのCardonaら(2022)の研究チームが認知症リスクを抱える高齢者を対象に行った調査では、この「自己効力感」が運動を始め、継続するための支えになる可能性が報告されています。

また、米国のSimoneら(2025)の研究チームが中年期(45〜64歳)を対象に行った調査でも、自己効力感が、運動や趣味、認知的活動への参加、睡眠の質に関連するとして報告されています。

生活習慣を意識していく際には「自分にもできそう」と思える感覚にも目を向けることが大切です。

無理なく続ける考え方が大切

新しい生活習慣の取り組みが続かないと、「自分は意志が弱い」と責めてしまう方もいるかもしれません。しかし、続かないのは意志の弱さだけが理由とは限りません

米国国立老化研究所(NIA)の報告では、新しい習慣を身につけるには時間がかかることが紹介されています。続けられないからといって、自分に向いていないとすぐに決めつけるのではなく、無理なく続けられる工夫を考えることが大切です。

自己効力感を高めながら認知症予防対策を続けるコツ

自己効力感を高めながら認知症予防対策を続けるコツ
認知症予防対策を続けるコツの一つとして、無理なく取り組める方法を探すことが挙げられます。その際に意識したいのが、自己効力感です。ここでは、自己効力感を高めながら続けるコツを紹介します。

小さな成功体験を積み重ねる

たとえば、最初から大きな変化を目指すよりも、小さな成功経験を重ねて「自分にもできた」という実感を得ていく方法があります。

  • 「今日は少し歩けた」「昨日より早く寝られた」といった日常の小さな達成を重ねる

手本になる人の取り組みを参考にする

身近な家族や友人、同年代の人が無理なく続けている姿を見て、「このくらいなら自分にもできそう」と感じやすくする方法もあります。

  • 「買い物ついでに歩く」「朝に軽く体を動かす」など、生活の中で無理なく続けている工夫を参考にする
  • 自分と近い立場の人の実践を、続け方のイメージのヒントにする

自分に合った方法を選ぶ

続けやすい方法は人によって異なります。合わないやり方を無理に続けてしまった場合、かえって負担になってしまうこともあります。大切なのは、「理想的な方法」より「自分が続けやすい方法」を選ぶことです。

  • 「紙のカレンダーに印をつける」「スマートフォンのカレンダーで管理する」「リマインダー機能を使う」など
  • 毎日行うのが負担に感じる場合は、週に数回から始める

自己効力感を意識した認知症予防対策を

認知症予防対策は、生活習慣を整えることが基本です。

生活習慣のすべてを一度に変えようとすると、負担が大きくなりかねません。今できることから始め、小さな成功体験の積み重ねで自己効力感を高めながら、自分に合った方法で続けていくことが大切です。

この機会に、認知症についても理解を深めてみませんか。

認知症への理解をさらに深めたい方は、別ページ「認知症の基礎知識― 大切な人の「気になる変化」に、やさしく寄り添うために」もあわせてご確認ください。

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