糖尿病と認知症の初期症状|もの忘れ・血糖値変動との違いを解説

糖尿病と認知症の初期症状|もの忘れ・血糖値変動との違いを解説

もの忘れや集中しにくさが糖尿病の影響なのか、それとも認知症の初期症状なのか不安に感じている方は少なくありません。糖尿病がある方は、脳の血管や神経細胞に負担がかかり、認知機能の低下につながる可能性があると考えられています。

本記事では、糖尿病と認知機能の関係や初期症状、加齢によるもの忘れ・血糖値変動との違いをわかりやすく解説します。

糖尿病と認知症の関係|なぜ認知機能に影響するのか

糖尿病と認知症の関係|なぜ認知機能に影響するのか
糖尿病では、血糖値の変動や代謝の変化により、脳の血管や神経細胞に負担がかかる可能性があるとされています。背景として考えられる主な要因は、以下です。

  • 高血糖が続くことで、脳の血管に影響が及ぶ可能性
  • 低血糖により、一時的に判断力や注意力が低下すること
  • インスリンの働きの変化が、脳の神経細胞の働きに関わる可能性

これらが重なることで、記憶や判断に関わる働きに影響が出る場合があると推察されています。ただし、糖尿病があるからといって、すべての方に認知症が起こるわけではありません。

また、血糖管理を含めた糖尿病の治療を継続することは、認知機能の維持を考えるうえでも重要とされています。

糖尿病の方が気づきたい認知症の初期症状

糖尿病の方が気づきたい認知症の初期症状

認知症の初期症状は個人差はあるものの、共通してみられる変化もあります。ただし、糖尿病がある方は、注意力や段取り力の変化として気づくこともあります。

次のような変化がないか、日常生活を振り返ってみましょう。

  • 同じことを何度も確認したり、話したりすることが増えた
  • 会話の途中で話の流れがわからなくなることがある
  • 以前よりも集中して作業を続けるのが難しくなった
  • 血糖測定や服薬のタイミングを間違えることがある
  • 食事の管理がうまくできないことがある
  • インスリン注射の手順に戸惑うことがある
  • 通院日や検査の予定を忘れることが増えた

また、歩くスピードが遅くなる、筋力が低下していると感じるなど、身体面の変化がみられることもあります。

こうした変化は加齢による影響でも起こりますが、フレイル(虚弱)の状態が関係している場合もあります。最近、体力の低下が気になっているという方は「高齢者のフレイルとは?家族が気づきやすいサインと認知症との関係」をご覧ください。

認知症と加齢によるもの忘れ・血糖値の変動との違い

認知症と加齢によるもの忘れ・血糖値の変動との違い
もの忘れが気になるときは、原因による違いを整理して考えることが大切です。

加齢によるもの忘れの特徴

年齢を重ねると、誰でももの忘れは起こりやすくなります。加齢によるもの忘れの場合、体験の一部を忘れることはありますが、もの忘れの自覚があります。

一方、認知症の場合、出来事そのものを忘れてしまい、もの忘れの自覚がありません。同じことを何度も繰り返したり、生活に支障が出たりする点も特徴です。

加齢と認知症によるもの忘れを見分ける方法については「認知症ともの忘れを見分ける方法とは?もの忘れがひどいときのチェック方法」でも詳しく解説しています。こちらも参考にご覧ください。

低血糖・高血糖による一時的な認知の変化

糖尿病がある方は、血糖値の変動によって一時的にぼんやりしたり、集中しにくくなったりすることがあります。とくに、血糖値が下がりすぎる低血糖時は、頭が働きにくくなり、判断力や注意力が低下することがあります。

また、食後に血糖値が大きく上がった場合にも、眠気や集中力の低下を感じることがあります。たとえば、起こりやすいのは次のようなときです。

  • 食事のタイミングがずれて空腹が続いたとき
  • 薬やインスリンの影響で低血糖になったとき

こうした変化は一時的なことが多く、血糖値が安定すると回復する場合もあります。

糖尿病の方で、認知症の初期症状かも…と不安な場合のポイント

糖尿病の方で、認知症の初期症状かも…と不安な場合のポイント

糖尿病がある方は、一般的なもの忘れより注意力・集中力や段取り力の低下として気づかれることもあります。まずは、どのような場面で変化が起きているのかを振り返り、簡単に記録しておくと状況を把握しやすくなるでしょう。

気になる場合は、ご自身の糖尿病の経過や現在の治療内容を理解している内科のかかりつけ医への相談を検討してみてください。糖尿病がある方にとって、認知機能の維持には日々の血糖管理が重要とされているからです。

その上で、必要に応じて、もの忘れ外来や精神科など専門医の受診を検討するとよいでしょう。ご本人が受診に前向きでない場合、ご家族からかかりつけ医に日頃の様子を相談してみることも方法の1つです。

糖尿病がある方は、日常の変化に気づくことが大切

糖尿病がある方は、血糖値の変動や代謝の影響により、認知機能の低下につながる可能性があると考えられています。

加齢や血糖値の影響との違いを理解し、日常の小さな変化に気づくことが大切です。まずは、ご自身の状態を客観的に確認してみましょう。

ベルコメンバーズアプリの認知機能チェックは、記憶力や注意力などの状態を手軽に確認できます。気になる場合の参考として、ご活用ください。

【参考文献】

公益財団法人長寿科学振興財団:第4章認知症の予防2.生活習慣病(1)糖尿病

一般社団法人日本老年医学会:高齢者糖尿病診療ガイドライン2023.V.高齢者糖尿病の併存疾患

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