認知症予防で大切な3つの生活習慣|今日からできる始め方と続けるコツ
「最近、親のもの忘れが増えてきた」「自分も将来認知症にならないか心配…」
そんな不安を抱えていませんか?認知症は早い段階からの心がけで、発症を遅らせる可能性があるといわれています。
ここでは、認知症予防で大切な生活習慣、今日からできる予防の始め方と継続のコツをわかりやすく解説します。無理のない方法で、あなたらしく続けられる予防のヒントになれば幸いです。
目次
認知症予防で知っておきたい基礎知識

認知症は、年齢とともに誰もがなり得る身近な疾患です。厚生労働省によれば、2040年には高齢者の約3.3人に1人が認知症または軽度認知障害(MCI)になると見込まれています。早期からの支援とともに、発症を遅らせるための予防的な取り組みが重要です*1。
また、運動・適切な栄養・社会参加などの生活習慣が、認知症や軽度認知障害の発症や進行を遅らせる可能性があるとされています。大切なのは完璧を目指すことではなく、無理なく続けられる形で毎日の生活を少しずつ整えていくことです。
認知症の有病率について詳しく知りたい方は「認知症の人数や有病率はどのくらい?約3人に1人がなる時代に」をご覧ください。
認知症予防で大切な3つの生活習慣とは?

ここでは、認知症予防で大切な生活習慣について見ていきましょう。
1.脳を使う習慣|脳トレゲーム・学習など
脳を使う活動は、認知症予防の基本です。頭を使うと脳の回路が刺激され、認知機能が維持されやすくなると考えられています。
アメリカの研究では、処理速度を高める脳トレを受けた高齢者は、受けていない高齢者と比べて、10年後の認知症発症リスクが約29%低下したと報告されました*2。
他にも日常生活に取り入れやすい例としては、以下が挙げられます。
- 新聞や本を声に出して読む
- 囲碁や将棋、クロスワードパズル
- 興味のある分野のオンライン講座や学び直し
難しいことをする必要はありません。楽しんで続けられる方法を選び、毎日少しでも脳を使う習慣をつくることが大切です。
英語などの語学学習も、認知症予防が期待できるとされています。詳しく知りたい方は「英語を話せると認知症になりにくい?予防のための学習法をお伝えします」を参考にご覧ください。
2.体を整える習慣|食事・運動・睡眠など
体を整える生活習慣は、認知症予防の重要な柱です。毎日の食事や運動、睡眠を見直すことで、脳と体の健康を長く維持できると考えられています。
たとえば、研究では野菜や果物、魚、オリーブオイルを多く含む地中海食は、抗酸化作用や抗炎症作用によって脳の健康を守る効果が報告されています*3。
また、運動の役割は、脳の血流と神経栄養因子(神経細胞を活性化するホルモン)を増やすことです。定期的に体を動かすことは、認知機能の低下を招きにくくする大切な生活習慣だと考えられています。
手軽に取り組みやすい運動には、次のようなものがあります。
- ウォーキング
- ストレッチ
- 筋トレ
さらに、質のよい睡眠は日中にたまった老廃物を排出し、アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβの蓄積を防ぐサポートをすると考えられています*3。
アミロイドβについて詳しく知りたい方は「認知症の原因物質であるアミロイドβとは?溜まる3つの原因や排出方法紹介」も参考にご覧ください。
3.人と関わる習慣|会話・社会活動など
人と関わる習慣は、認知症予防において意識したい大切なポイントです。会話や社会活動を通して脳が刺激を受け、感情や思考が活発になると考えられています。
約237万人を対象としたオーストラリアの研究では、社会的なつながりが少ない人は認知症の発症リスクが約1.6倍高いことが報告されています。一方、家族や友人との交流や地域活動など、積極的に人と関わる機会を持つ人では、リスクが低下しました*4 。
日常生活の中では、次のような行動を心がけるとよいでしょう。
- 家族や友人との会話を増やす
- 趣味やサークル、ボランティアに参加する
- 地域のイベントや集まりに顔を出す
人とのつながりは心の支えになるだけでなく、脳の健康を守る力にもなります。コミュニケーションの重要性については「認知症の予防にはコミュニケーションが効果的!4つの方法も紹介」をご覧ください。
今日からできる認知症予防の始め方と続けるコツ

認知症予防の取り組みは、特別なことをするよりも続けるリズムをつくることが大切です。たとえば、次のように行動のきっかけを決めると、自然に習慣化しやすくなります。
- 朝食後に散歩する
- 昼食後に脳トレする
- 就寝前に日記を書く
- 週末に家族や友人と電話で話す
研究によれば、小さな目標から始め、記録をつけて達成感を得ることが長続きのコツとされています。できない日があっても気にせず、翌日から再開する柔軟さもポイントです*5。
家族ができるサポートとしては、頑張りすぎないよう声をかけたり、取り組みを一緒に楽しんだりすることです。「今日もできたね」と小さな達成を喜び合うことで、継続しやすくなるでしょう。
今日からあなたらしい認知症予防を始めましょう
認知症予防は、毎日の小さな積み重ねが大切です。脳を使い、体を動かし、人と関わるといった生活習慣が将来の自分を支えます。
習慣にするための第一歩は、今の自分の状態を知ることです。ベルコメンバーズアプリなら、ゲーム感覚で楽しみながら認知機能チェックができます。生活習慣を見直すサポートツールとして、ぜひご活用ください。
【参考文献】
*1 厚生労働省:認知症施策推進基本計画.
*2 Edwards, J. D., et al. (2017). Speed of processing training results in lower risk of dementia after 10 years of follow-up. Alzheimer’s & Dementia.
*3 Zhao, C., Noble, J. M., Marder, K., Hartman, J. S., Gu, Y., & Scarmeas, N. (2018). Dietary Patterns, Physical Activity, Sleep, and Risk for Dementia and Cognitive Decline. Current Nutrition Reports, 7(4), 335–345.
*4 Penninkilampi, R., Casey, A. N., Fiatarone Singh, M. A., & Brodaty, H. (2018). The Association between Social Engagement, Loneliness, and Risk of Dementia: A Systematic Review and Meta-Analysis. Journal of Alzheimer’s Disease, 66(4), 1619–1633.
*5 Peng, W., Li, L., Kononova, A., Cotten, S., Kamp, K. J., & Bowen, M. (2021). Habit Formation in Wearable Activity Tracker Use Among Older Adults: Qualitative Study. JMIR mHealth and uHealth, 9(6), e22488.
監修者
浦上 克哉 教授
監修者
浦上 克哉 教授
日本老年精神医学会理事
日本老年学会理事
日本認知症予防学会専門医
1983年鳥取大学医学部医学科卒業
1988年同大大学院博士課程修了
1990年同大脳神経内科・助手
1996年同大脳神経内科・講師
2001年同大保険学科生体制御学講座環境保健学分野の教授(2022年まで)
2016年北翔大学客員教授(併任)
2022年鳥取大学医学部保健学科認知症予防学講座(寄付講座)教授に就任
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