認知症の人数や有病率はどのくらい?約3人に1人がなる時代に

認知症の人数や有病率はどのくらい?約3人に1人がなる時代に

加齢によるもの忘れは誰にでも起こる変化ですが、背景に認知機能の低下が隠れている場合もあります。
認知機能が低下して生活に支障が出る認知症は、誰でもなる可能性があります
 
高齢化率が29.3%(2024年10月1日現在)に突入した日本では、「認知症になったら何もできなくなり、すべて介護してもらう」のではなく、「認知症になっても周りとつながりながら本人らしく生活していく」時代へと変化してきています。
 
しかし、徐々に進行する認知症の症状によって本人や家族などの周囲の生活が変化していくため、認知症について適切な情報を正しく理解し、早期から予防に取り組むことも重要です。
 
この記事では、高齢社会の日本における認知症の人数や有病率について年齢や男女差も含めて解説します。

統計データで見る認知症の人数と有病率

統計データで見る認知症の人数と有病率

2022年時点で、65歳以上の高齢者における認知症の有病率は12.3%、人数にして443万2千人と報告されています。
一方、認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)の有病率は15.5%で約558万5千人です。
 
認知症とMCIを合わせた有病率は約27.8%であり、65歳以上の高齢者人口約3千603万人から換算すると、約3人に1人が認知症またはその予備群に当たることになります。
 
また、2012年時点の調査では認知症の有病率が15.0%であったのに対して、2022年には12.3%に低下していました。
同時に、MCIの有病率は2012年の13.0%から2022年には15.5%へと上昇しています。
このような傾向から、認知症に進行する前の段階(MCI)にとどまるケースが増えてきている可能性が示唆されています。
 
加えて、ほかにも有病率が低下した背景として考えられているのは、次のような社会全体の健康意識の変化の影響です。

  • 喫煙率の低下
  • 中年期以降の生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常など)管理の改善
  • 高齢者の健康意識の高まり

これらの影響が、認知機能低下の進行を抑えることに役立っている可能性があります。

認知症の人数と有病率の将来推計

認知症の人数と有病率の将来推計

将来の推計では、65歳以上の認知症の有病率は2050年に15.1%、人数にすると約586万6千人になると見込まれています。
軽度認知障害(MCI)は16.2%、約631万2千人と推計されており、認知症またはMCIの状態にある高齢者の有病率は31.3%になる見通しです。
 
2060年には、認知症の有病率が17.7%(約645.1万人)、MCIが17.4%(約632.2万人)と予測されています。
認知症またはMCIの状態になる高齢者の有病率は35.1%と、さらに増える見通しです。
 
ただし、MCIの方がすべて認知症になるわけではありません。
2012年から2022年の10年間でMCIの有病率は上昇している一方、認知症の有病率は減少傾向を示しています。
MCIの段階で変化に気づき、生活習慣の改善や治療に取り組むことで、認知機能の維持や認知症への移行を遅らせることができると期待されています。

年齢階級別・男女別にみる有病率の推移

年齢階級別・男女別にみる有病率の推移

認知症は年齢とともに有病率が上昇します。
2022年時点での年齢階級別の有病率(全体)を見てみると、80歳未満では一桁台の有病率にとどまっていますが、80歳以上では10%を超え、85歳以上では30%を超え、さらに90歳以上では50%を超える結果です。(表1参照)
 
また、男女別にみると、70代までは差が小さいものの、85歳以上になると男女の差が大きくなり、90歳以上では男性35.6%に対し女性55.1%と、女性の方が高い値を示しています。
年齢を重ねるにつれて、特に女性の認知症リスクの高まりがうかがえます。*表1

年齢階級/認知症の有病率 全体(男女) 男性 女性
65~69歳 1.1% 1.1% 1.0%
70~74歳 3.1% 2.3% 3.1%
75~79歳 7.1% 6.0% 7.4%
80~84歳 16.6% 15.9% 16.9%
85~89歳 32.8% 25.2% 37.2%
90歳以上 50.3% 35.6% 55.1%

認知症が女性に多いと言われる理由

認知症が女性に多いと言われる理由

認知症の中でも頻度が高いアルツハイマー型認知症は、男性よりも女性に多いと言われていますがその理由は明らかではありません。
平均寿命の差や環境、性ホルモンの影響が関連していると考えられています。

平均寿命の男女差

日本における平均寿命は男性81.09年、女性87.14年(2023年時点)です。
女性の方が長い傾向にあります。
そのため、認知症のリスクが高まる年齢層に女性が多いという人口構成上の特徴の影響が考えられます。

一人暮らしによる社会的孤立

65歳以上の一人暮らしの割合は男性15.0%に対し、女性22.1%(2020年時点)です。
女性は男性よりも平均寿命が長いため、配偶者や同居者を失う可能性が相対的に高くなりがちです。
一人暮らしになると、他者との交流や外出機会が減る傾向があり、社会的に孤立すると認知症のリスクにつながります。

性ホルモンの影響

更年期の女性ホルモンの低下や女性ホルモンと男性ホルモンのバランスの関連が影響していると考えられています。

認知症の有病率は年齢とともに増加。早めのチェックで認知機能の低下を予防

認知症は特別な病気ではなく、加齢とともに誰にでも起こり得ます。
高齢化により認知症と認知症になる手前の段階の認知症予備軍の方の人数は増加傾向にあり、合わせると高齢者の約3人に1人の割合です。
 
しかし、2022年の認知症の有病率は10年前の2012年よりも低下していることから、早期からの生活習慣病予防や健康を意識した生活が、将来の認知機能の低下予防につながることが期待できます。
 
大切なのは認知機能の変化に気づける環境を整え、早期に発見し、適切な対応をとることです。
認知機能の検査は医療機関で受けられるものもありますが、近年ではアプリを使ってより簡単にチェックできるようになりました。
 
なかでも「ベルコメンバーズアプリ」では、認知機能チェックの記録や振り返りが行える機能があり、変化に気づくきっかけづくりに役立ちます。
セルフチェックの一つとして生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

【参考文献】

*表1 認知症の年齢階級別の有病率
出典:国立大学法人 九州大学 令和5年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業)認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究報告書、図5:2022-2023年調査における認知症の年齢階級別有病率より作成

・内閣府 令和7年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)

・国立大学法人 九州大学 大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野 二宮 利治 令和 5 年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業)
認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究

・厚生労働省 令和7年度認知症セミナー ( 行政説明資料 )( 令和7年7月17日 )
「認知症及び軽度認知障害(MCI)の高齢者数と有病率の将来推計」

・浦上克哉 性差と認知症 最新精神医学:2024.29 (2) 121-124

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