認知症は遺伝する?必ず発症するわけではない理由と家系との関係
認知症の家族がいる場合「自分も将来発症するのではないか?」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。しかし、認知症は遺伝だけで発症する病気ではありません。加齢や生活習慣など、さまざまな要因が関係すると考えられています。
ここでは、認知症と遺伝の関係、認知症の種類ごとの違い、家系との関係をわかりやすく解説します。
目次
認知症は遺伝する?家族に認知症がいても必ず発症するわけではない
認知症は、遺伝だけで発症する病気ではないと考えられています。多くの場合は、次のような複数の要因が重なって起こるとされています。
- 加齢による脳の変化
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病
- 運動不足や社会的孤立などの生活環境
認知症の発症には遺伝以外の要素も関係するため、家族に認知症の方がいても、必ず発症するとは限りません。ただし、アルツハイマー型認知症は、遺伝要因が関係する可能性があるとされています。
認知症の種類ごとにみる遺伝との関係

ここでは、それぞれの認知症の種類と遺伝との関係を見ていきましょう。
アルツハイマー型認知症と遺伝
アルツハイマー型認知症の発症には、遺伝が影響を与えている可能性があります。1万組以上の双子を対象としたある大規模な研究では、発症のしやすさに関わる要因のうち、遺伝的要素の占める割合は約6〜8割と推定されています。なお、この数値は発症確率を示すものではありません。
双子でも一方が発症し、もう一方が発症しないケースも多く報告されています。日々の生活習慣や環境などが、発症リスクに影響すると考えられています。
アルツハイマー型認知症について詳しく知りたい方は「アルツハイマー型認知症の初期症状とは?日常生活での具体例をもとに解説」もあわせてご覧ください。
血管性認知症・レビー小体型認知症と遺伝
血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって起こる認知症です。発症には高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が関係することが多く、遺伝の影響は限定的と考えられています。
レビー小体型認知症は、脳内にレビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質のかたまりが蓄積することで起こる認知症です。現在のところ、明確な遺伝との関係は十分に解明されていません。
血管性認知症やレビー小体型認知症の場合、アルツハイマー型認知症と比べて、遺伝の影響は少ないと考えられています。
レビー小体型認知症の特徴については「レビー小体型認知症の特徴とは?日常場面での具体例や対応のヒントも解説」で詳しく解説しています。こちらも参考にご覧ください。
認知症は母親や父親から遺伝する?家系との関係|FAQ

ここでは、認知症と家系に関してよく寄せられる質問に回答しました。
Q:アルツハイマー型認知症は母親から遺伝しますか?
アルツハイマー型認知症は母親だけでなく、父親からも遺伝子が受け継がれる可能性があります。医学的には、どちらの親から遺伝しやすいという違いはないとされています。
一方、特定の遺伝子変異によって発症する「常染色体優性遺伝性アルツハイマー病」が知られています。ただし、このような遺伝性アルツハイマー病は、非常にまれとされています。
Q:認知症は家系に関係しますか?
家族に認知症の方がいる場合、発症リスクがやや高くなる可能性があるとされています。ただし、多くは遺伝だけで発症するわけではなく、加齢や生活習慣などさまざまな要因が関係します。
なお、日本神経学会の「認知症疾患診療ガイドライン2017」によれば、単に家族歴があるという理由だけで遺伝子検査を受けることは、一般的には推奨されていません。
家族に認知症の方がいる場合に意識したい生活習慣

家族に認知症の方がいる場合、毎日の生活を見直すことが大切です。世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、認知機能低下のリスクを下げる可能性がある生活習慣として、次のような点が挙げられています。
- 適度な運動
- 野菜や魚などを取り入れたバランスのよい食事
- 高血圧や糖尿病など生活習慣病の管理
- 人との交流や趣味などの社会参加
特別な対策というより、日常生活の中で少しずつ取り入れられる習慣です。とくに、運動は認知機能の低下リスクを減らす可能性があるとして、強く推奨されています。
誰でも気軽に始められる運動については「認知症予防に運動を!気軽にできる運動と実践ポイント」を参考にご覧ください。
認知症は遺伝だけで決まる病気ではない
認知症は遺伝だけで決まる病気ではなく、加齢や生活習慣、健康状態などさまざまな要因が関係すると考えられています。
家族に認知症の方がいても、必ず発症するとは限りません。日頃から運動や食事、生活習慣病の管理などを意識することが、認知症の発症リスク低減に役立つとされています。
認知機能に不安がある場合、ベルコメンバーズアプリの認知機能チェックを活用するのもおすすめです。継続的な健康管理に、ぜひお役立てください。
【参考文献】
日本神経学会:認知症疾患診療ガイドライン2017
Gatz M, et al. (2006).Role of genes and environments for explaining Alzheimer disease.Archives of General Psychiatry
世界保健機関(WHO):WHOガイドライン.認知機能低下と認知症のリスク軽減
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