認知症の方の施設費用はいくら?月額費用の内訳と確認ポイントを解説

認知症の方の施設費用はいくら?月額費用の内訳と確認ポイントを解説

認知症の親の施設入居を考え始めると「毎月いくら必要なのだろう」「表示されている月額費用だけを見ればよいの?」と不安になる方もいるでしょう。

施設の費用は、介護サービス費だけでなく、居住費や食費など複数の費用から成り、要介護度や施設によっても異なります。ここでは、認知症の方の施設入居にかかる費用と確認したい内訳を解説します。

認知症の方の施設入居にかかる主な費用

認知症の方の施設入居にかかる主な費用

認知症の方が入居を検討できる施設には、特別養護老人ホーム(特養)や認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、介護付き有料老人ホームなどがあります。必要な費用は施設の種類や要介護度、居室のタイプなどによって異なります。

特養では、介護サービス費の自己負担とは別に、居住費や食費などがかかります。グループホームでも、家賃や食材料費などが別途必要です。

介護付き有料老人ホームでは、前払い方式や月払い方式などがあり、家賃や管理費などの設定も施設によって異なります。

そのため、月額費用だけで判断せず、何が含まれているのか、別途必要になる費用はあるのかを確認することが大切です。実際の負担額は、希望する施設の料金表や重要事項説明書などで事前に確認しましょう。

認知症の施設費用は主に4つに分けて確認する

認知症の施設費用は主に4つに分けて確認する

認知症の方の施設費用は「月額〇万円」という合計額だけでなく、何にいくらかかるのかを分けて確認すると整理しやすくなります。ここでは、主な費用を次の4つに分けて見ていきます。

1.入居時に必要な費用

介護付き有料老人ホームなどでは、入居時に前払い金などが必要になる場合があります。一方、月払い方式を選べる施設もあり、支払い方法や金額は施設によって異なります。

前払い方式を選ぶ場合は、入居時の金額だけでなく、退去した場合の返還条件なども重要事項説明書で確認しましょう。

2.介護サービスの自己負担

介護保険サービスを利用した場合、利用者は原則1割を負担し、一定以上の所得がある方は2割または3割を負担します。実際の負担額は、要介護度や利用するサービス、加算などによって異なります。

2026年9月時点では、厚生労働省の「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」によれば、共同生活住居が1つの場合、1割負担の基本的な利用者負担は、要介護1で1日765円、要介護5で859円と示されています。

30日利用すると仮定して単純計算すると、約2万3,000〜2万6,000円です。ただし、実際の負担額は地域区分や加算などによって異なります。家賃や食材料費、光熱水費などは別途必要になるため、施設に確認しましょう。

3.居住費・食費

施設では、介護サービス費とは別に、居住費や食費などが必要です。特別養護老人ホームでは、個室や多床室など居室の種類によって居住費が異なります。グループホームでは、家賃や食材料費、光熱水費などを負担します。

介護付き有料老人ホームでも、家賃や管理費、食費などの設定は施設ごとに異なります。施設を比較するときは、月額費用に何が含まれているのか、別途必要になる費用があるのかを確認しましょう。

4.医療費・日用品費など

施設で生活していても、通院や処方薬などにかかる医療費のほか、理美容代や日用品費などが別に必要になる場合があります。

これらは本人の健康状態や生活状況によって変わるため、毎月同じ金額とは限りません。施設によって別途料金となる項目も異なるため、入居前に料金表などで確認しておくとよいでしょう。

なお、費用面とあわせて、どのタイミングで施設入居を検討すればよいか迷っている方は「認知症の親を施設に入れるタイミングと注意点を徹底解説」も参考にご覧ください。

施設の月額費用が変わる理由と負担軽減制度

施設の月額費用が変わる理由と負担軽減制度

施設にかかる費用には、一定の要件を満たすことで負担を軽減できる制度があります。

要介護度や自己負担割合、施設によって費用は変わる

施設の月額費用は、要介護度や介護保険の自己負担割合、居室の種類、施設ごとの料金設定などによって変わります。

施設を比較するときは、本人の要介護度や自己負担割合を伝え、毎月どのくらいの費用が必要になるのか確認しておきましょう。

利用できる負担軽減制度を確認する

月々の介護サービスの利用者負担額が、所得に応じた上限額を超えた場合は「高額介護サービス費」により超過分が支給されることがあります。ただし、高額介護サービス費では、食費や居住費などは対象に含まれません。

また、所得や資産などの要件を満たす方が特別養護老人ホームなどの介護保険施設を利用する場合、食費・居住費の負担を軽減する「特定入所者介護サービス費(補足給付)」を利用できることがあります。

対象となる施設や条件は、制度によって異なります。利用できる制度があるか、市区町村の介護保険窓口やケアマネジャーに確認しましょう。

ケアマネジャーにどのようなことを相談できるのか知りたい方は「ケアマネージャーにどこまで相談して良い?認知症介護で相談できること・難しいこと」も参考にご覧ください。

施設費用は月額だけでなく内訳まで確認しましょう

認知症の方の施設費用は、介護サービス費だけではありません。入居時の費用や居住費・食費、医療費・日用品費などがあり、要介護度や所得、施設によっても異なります。月額費用だけで決めるのではなく、何が含まれているかを確認しながら、本人や家族に合った施設を検討することが大切です。

なお、認知症の症状や種類、もの忘れとの違いなど全体像を確認したい方は「認知症の基礎知識|初期症状・種類・予防・もの忘れとの違いを解説」ページも参考にしてみてください。

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監修者 浦上 克哉 教授

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浦上 克哉 教授

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浦上 克哉 教授

日本認知症予防学会代表理事
日本老年精神医学会理事
日本老年学会理事
日本認知症予防学会専門医

1983年鳥取大学医学部医学科卒業

1988年同大大学院博士課程修了

1990年同大脳神経内科・助手

1996年同大脳神経内科・講師

2001年同大保険学科生体制御学講座環境保健学分野の教授(2022年まで)

2016年北翔大学客員教授(併任)

2022年鳥取大学医学部保健学科認知症予防学講座(寄付講座)教授に就任

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