認知症の方がデイサービスを嫌がる背景とタイミング|対応のポイントも解説

認知症の方がデイサービスを嫌がる背景とタイミング|対応のポイントも解説

認知症の家族にデイサービスを利用してほしいのに「行きたくない」と嫌がられ、どう対応すればよいのか迷うこともあるでしょう。デイサービスに行きたがらない理由は一人ひとり異なるため、いつ・どのような場面で嫌がるのかを振り返ることが大切です。

この記事では、嫌がるタイミングから考えられる理由や、対応のポイントをわかりやすく解説します。

認知症の方がデイサービスを嫌がる背景とは?

認知症の方がデイサービスを嫌がる背景とは?

デイサービス(通所介護)は、自宅での生活を支えるため、食事や入浴などの日常生活上の支援や機能訓練などを提供するサービスです。家族の介護負担を軽減する目的もあります。

認知症の方がデイサービスを嫌がる場合、理由を決めつけるのは避けましょう。本人の気持ちやこれまでの生活、心身の状態、周囲の環境などが関係している可能性もあります。

厚生労働省の「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第2版)」でも、本人の意思は置かれた状況などによって変わることがあり、生活歴や環境にも配慮しながら丁寧に意思を確認することが示されています。「認知症だから」と一括りにせず、その人の状況に合わせて考えることが大切です。

認知症の方がデイサービスを嫌がるタイミングから理由を考える

認知症の方がデイサービスを嫌がるタイミングから理由を考える

認知症の方がデイサービスを嫌がるときは、いつ・どのような場面で嫌がるのかにも目を向けてみましょう。デイサービスの話をしたとき、出発するとき、利用後では、背景を考える手がかりも異なります。

デイサービスの話をすると嫌がる

デイサービスの話をすると嫌がる場合は、本人が利用することに納得できていなかったり、これまでの生活を変えることに戸惑っていたりする可能性もあります。

また、デイサービスがどのような場所なのか十分にイメージできず、不安を感じている場合もあるでしょう。本人がこれまでどのように生活してきたのか、普段どのような過ごし方を好んでいるのかも、背景を考えるうえで大切です。

デイサービスの送迎車が来たときに嫌がる

デイサービスの送迎車が来たときや、出発直前になると嫌がる場合もあります。そのようなときは、次のような点を振り返ってみましょう。

  • 出発までの時間に余裕がなく、慌ただしい状況になっていないか
  • 疲れや体調の変化はなかったか
  • 外出を前に、緊張や不安が強くなっていないか

朝から疲れている、出発前になると落ち着かない様子があるなど、普段との違いにも目を向けてみてください。

デイサービス利用後に「もう行きたくない」と言う

利用後に「もう行きたくない」と言う場合は、実際にデイサービスで過ごした経験が関係している可能性もあります。たとえば、活動内容や周囲の環境が本人に合っていなかったり、長時間の利用で疲れを感じていたりすることも考えられるでしょう。

また、本人が言葉で理由を十分に説明できない場合もあるため、利用前後の表情や様子の変化も背景を考えるヒントになります。

認知症の方がデイサービスを嫌がるときの対応のポイント

認知症の方がデイサービスを嫌がるときの対応のポイント

デイサービスを嫌がるときは、家族だけで対応を抱え込まず、本人が気持ちを伝えやすい状況を整えたり、必要に応じて専門職に相談したりすることも大切です。

本人の気持ちを聞き、時間を置いて確認する

「デイサービスに行ったほうがいいよ」と勧めても拒否する場合は、本人がどのように感じているのかを聞いてみましょう。

厚生労働省の「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン(第2版)」では、本人が安心できる環境を整え、わかりやすい言葉でゆっくり説明することや、「はい・いいえ」だけで終わらない質問で希望を聞くことが示されています。

具体的には、次のような対応が考えられます。

  • 落ち着いている時間に「デイサービスで気になることはある?」などと尋ねる
  • 一度に多くのことを説明せず、本人の様子を見ながら伝える
  • 言葉だけではイメージしにくい場合、施設のパンフレットや写真などを見せながら説明する
  • 強く拒否しているときは結論を迫らず、いったん時間を置いて改めて気持ちを聞く

日常での声かけや接し方について知りたい方は「認知症の方への適切な接し方!ポイントと5つの具体例」も参考にしてみてください。

ケアマネジャーやデイサービスのスタッフに相談する

本人への対応に迷ったときは、ケアマネジャーやデイサービスのスタッフに、いつ・どのように嫌がるのかを具体的に伝えて相談してみましょう。

利用後に嫌がる場合は、デイサービスでどのように過ごしていたのかスタッフにも聞き、本人の話と合わせて背景を考えてみることが大切です。必要に応じて、利用時間や過ごし方など調整できることがないか相談する方法もあります。

また、本人には「行きたくない」という思いがある一方、家族にも休息が必要だったり、仕事や生活との両立が難しかったりする場合があります。本人と家族の希望が異なるときも、専門職と情報を共有しながら、双方の状況を踏まえて今後の対応を検討していきましょう。

なお、デイサービスには、認知症の方を対象とした「認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)」もあります。利用先を検討するときは「認知症対応型デイサービスとは?メリット・デメリットと選び方も解説」も参考にしてみてください。

デイサービスを嫌がる理由を考え、家族だけで抱え込まないようにしましょう

認知症の方がデイサービスを嫌がる背景は一人ひとり異なるため、本人の様子や嫌がるタイミングを手がかりにその理由を考えてみましょう。

無理に利用してもらうことだけを目指さず、本人に合った利用方法や過ごし方を考えることも大切です。対応に迷ったときは、ケアマネジャーやデイサービスのスタッフにも相談しましょう。

認知症の症状や種類、もの忘れとの違いなど全体像を知りたい方は「認知症の基礎知識|初期症状・種類・予防・もの忘れとの違いを解説」のページも参考にしてみてください。

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