認知症の親と考えるデジタル終活とは?スマホ・ネット銀行・サブスクなどの整理と注意点
認知症の親が使っているスマートフォン(以下、スマホ)やネットサービスを、今後どのように管理すればよいか悩んでいませんか?
スマホのパスコードや利用中のサービスを家族が知らず、本人も契約内容を覚えていないケースもあります。デジタル終活では、スマホやネット上の契約、写真などの情報を整理し、本人がどうしたいかを確認することも大切です。
この記事では、認知症の家族と確認したいデジタル情報や、本人がパスコードや契約先を思い出せない場合の対応について解説します。
目次
デジタル終活とは?認知症の家族と確認したい理由

デジタル終活とは、スマホやパソコンといったデジタル上のパスワードや契約、データなどを生前に整理しておく取り組みのことです。ネット銀行やサブスクリプション、SNSのアカウント、写真や動画、連絡先などが対象です。
認知症では、もの忘れのほか、理解力や判断力に変化がみられることがあります。認知症が進むと、これまで利用していたサービスやパスワードを思い出せなかったり、契約内容を把握することが難しくなったりする場合もあります。
本人が利用しているサービスやデータについて、本人の意思を確認できる段階でデジタル終活について話し合うことが大切です。
認知症の家族とのデジタル終活で確認したいもの

デジタル終活でチェックしたい内容は、本人が利用している端末やサービス、保存しているデータなどです。ここでは、主な確認項目を3つに分けて紹介します。
スマートフォンやアカウント
スマートフォン(以下、スマホ)やパソコンについては、使用している端末やロック情報の管理状況を確認します。
あわせて、Apple AccountやGoogleアカウント、登録しているメールアドレスや電話番号なども確認項目です。本人が複数の端末やアカウントを使っている場合は、それぞれの利用状況も整理します。
パスワードなどの認証情報は、誰でも見られる場所に置くのではなく、本人の意向を確認したうえで保管方法を決めることが大切です。
ネット銀行・キャッシュレス・サブスク
ネット銀行やネット証券、キャッシュレス決済などは、利用しているサービス名や口座・決済の状況を確認します。
また、動画や音楽の配信サービス、有料アプリ、通販の定期購入など、継続して料金が発生する契約も確認の対象です。実際に、夫の死後、スマホのセキュリティサービスを解約しようとしたものの、IDとパスワードがわからず、すぐに解約できなかった事例もみられています。
こうしたサービスは、契約や利用の記録がインターネット上に限られている場合があります。本人が利用しているサービスと支払い方法を確認し、どのような契約があるかを整理します。
写真・連絡先・SNSなどのデータ
スマホやパソコン内のさまざまなデータも、デジタル終活で確認する項目です。
- 写真や動画
- 連絡先
- SNSやメール
- クラウド上のデータ
スマホの本体だけでなく、クラウド上にデータが保存されている場合もあります。利用しているサービスや保存場所を確認し、残したいデータや家族に共有する範囲など、本人がデータをどう扱いたいかも確認します。
認知症で本人がパスコードや契約先を思い出せない場合はどうする?

認知症によるもの忘れなどで、本人がパスコードや利用しているサービスを思い出せないケースもあります。思い出せない場合、本人の状態を確認しながら、手元に残っている情報や各サービスの手続きについてみていくことも大切です。
残っている記録から利用状況を確認する
本人が内容を理解して確認できる場合は、本人と一緒に手元に残っている記録を確認します。
確認するものは、以下の内容です。
- スマホに入っているアプリ
- クレジットカードや銀行の利用明細
- 携帯電話の料金明細
- メールに届いている請求・契約通知
- 郵便物や契約書類
本人に何度も思い出すよう求めるのではなく、確認できる範囲で残っている情報を手掛かりに利用状況を整理します。本人が契約内容を思い出せなくても、利用明細やメールなどにサービス名や支払いの記録が残っていることがあります。
パスワードがわからない場合は公式の手続きを確認する
本人がスマホのパスコードやサービスのID・パスワードを思い出せない場合は、端末メーカーや各サービスの公式窓口で手続き方法を確認するのも一つの方法です。
スマホでは、複数回パスコードを間違えると一定時間操作ができなくなったり、端末によってはセキュリティ上の制限があったりします。
故人のスマホを開けず、利用していたネット銀行の契約先がわからないといった事例もみられています。
パスワードがわからない場合は、家族が無理にログインするのではなく、本人の状況を伝えたうえで事業者が定める手続きを確認する方法があります。
確認できる段階で本人とデジタル情報を整理しておく

利用しているサービスやデータについて本人が確認できる場合は、意向を聞きながら情報を整理することも大切です。記録する内容だけでなく、パスワードなどの保管方法やデータの扱いも確認します。
エンディングノートなどに利用サービスをまとめる
利用しているデジタルサービスを、エンディングノートなどにまとめることも一つの方法です。
記録する主な内容として、以下が挙げられます。
- 利用しているサービス名
- IDや登録メールアドレス
- パスワードなどの情報を保管している場所
- 写真やSNSをどう扱ってほしいか
エンディングノートの保管場所を誰に伝えるかについても、本人の意向を確認しておくことが大切です。
家族が勝手に変更・解約しない
パスワードの変更やアカウントの削除、サブスクの解約、金融取引などを扱う際は、本人の意思や各サービスの手続きを確認します。
認知症がある場合でも、本人が意思を示せるときは、その意向を尊重することが大切です。厚生労働省の意思決定支援ガイドラインでも、家族は本人が意思を表明できるように接し、その意思を尊重する姿勢が示されています。
デジタル終活で確認する情報を家族で整理しよう
デジタル終活では、スマホだけでなく、ネット上の契約や金融サービス、写真なども確認対象です。
本人が情報を思い出せない場合は、残っている明細やメールなどを確認し、各事業者へ必要な手続きを問い合わせます。
また、認知症では記憶や理解・判断などに変化がみられることがあります。本人の状態や意思を確認しながら、家族で確認する内容を考えることが大切です。
認知症の症状や生活への影響については、認知症の基礎知識ページもあわせてご確認ください。
【参考文献】
独立行政法人国民生活センター:今から考えておきたい「デジタル終活」ースマホの中の”見えない契約”で遺された家族が困らないためにー



