老人ホーム費用の確定申告|医療費控除の対象・戻る金額・手続き方法
2026年4月20日
老人ホーム費用は確定申告で税金は戻るのか疑問に思っていませんか?
結論からお伝えすると、老人ホームの費用は施設の種類と費目によって医療費控除の対象となり、払いすぎた所得税が還付されます。
本記事では、医療費控除の対象になる施設の種類や費用項目、実際にいくら戻るかのシミュレーションをわかりやすく解説します。
見落としがちな高額介護サービス費との併用ルールや必要書類、手続きの流れも紹介しますので、ぜひ申告の参考にしてください。
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老人ホームの費用は確定申告(医療費控除)の対象?

老人ホームの費用のうち確定申告ですべてが医療費控除の対象になるわけではありません。
入居している施設の種類と費用の項目によって対象範囲が定められています。
すべてが医療費控除の対象になるわけではない
「親の施設代は毎月20万円だから、全額申告できる」と思い込んでしまう方は少なくありません。
しかし実際には、医療的なケアを目的とした費用のみが対象となるケースが多いのです。
まずは、施設から発行される領収書に「医療費控除対象額」が記載されているか確認することが確実でしょう。
【早見表】老人ホームの種類で異なる確定申告の控除対象範囲
| 施設の種類 | 控除対象となる範囲 | 控除額の計算ルール |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 介護費・食費・居住費 | 費用の合計額の2分の1 |
| 介護老人保健施設(老健) | 介護費・食費・居住費 | 全額 |
| 介護医療院 | 介護費・食費・居住費 | 全額 |
| 有料老人ホーム | 介護サービス利用料(自己負担分) | 介護保険サービス分のみ |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 介護サービス利用料(自己負担分) | 介護保険サービス分のみ |
参考:国税庁「No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価」
公営施設である特養は老人ホームの費用が民間施設と比べて抑えられるうえ、介護費・食費・居住費がまとめて控除対象になります。
費用と控除の両面で有利な選択と言えるでしょう。
確定申告の対象になる費用・ならない費用

介護保険の自己負担分やおむつ代は対象になりますが、理美容代などの日常生活費は対象外です。詳しく見ていきましょう。
控除対象になる主な費用
主に「医療的ケア」や「必要な介護」に関する実費が該当します。
- 介護保険サービスの自己負担額(1~3割)
- 医師が治療上必要と認めたおむつ代(おむつ使用証明書が必須)
- 施設から病院へ向かい際の通院交通費(公共交通機関やタクシー代)
老人ホーム費用の保険(介護保険)でカバーされる部分の自己負担分は、控除の対象になると覚えておくとスムーズですね。
控除対象にならない費用
一方で、本人の嗜好品や特別なサービスに対する費用は控除できません。
- 理美容代やクリーニング代
- 新聞代、おやつ代、個人的な日用品費
- 本人が希望して入居した個室の差額ベッド代
施設を選ぶ際は、老人ホーム費用の月額内訳を事前に確認し、控除対象外の費用がどの程度含まれるか把握しておくと申告時にスムーズです。
実際にいくら戻る?老人ホーム費用の医療費控除シミュレーション

還付される金額は申告する人の所得税率によって異なります。
また、多くの方が見落としがちですが、医療費控除を申告すると翌年の住民税(所得割)も軽減されます。
所得税の還付と住民税の節税を合わせると、申告のメリットは想像以上に大きいです。
【ケース①】年金収入のみの親が自分で申告する場合
親本人が非課税世帯または所得税を納めていない場合、所得税の還付は発生しません。
医療費控除は「すでに納めた所得税」が戻ってくる仕組み。
たとえば、親の収入が少なく、老人ホームの費用を非課税世帯として各種免除を受けている場合、そもそも所得税が0円であれば還付金は発生しません。
参考:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
【ケース②】子供が扶養して支払う場合
現役世代で所得税率の高い子供が親の費用を支払い申告すると、還付金が最大化できます。
【計算例】課税所得500万円(所得税率20%)の子供が、年間50万円の控除対象医療費を支払った場合
- 医療費控除額:50万円ー10万円(総所得の5%または10万円の低いほう)=40万円
- 所得税の還付額:40万円×20%=8万円
- 翌年の住民税軽減額:40万円×10%=4万円
- 合計節税効果:約12万円
このケースでは、12万円の税金が戻ってくる計算です。
老人ホームの費用を誰が払うか工夫することで、世帯全体の金銭的負担を軽減できるでしょう。
参考:国税庁「No.2260 所得税の税率」
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高額介護サービス費と確定申告の併用ルールと計算順序

高額介護サービス費と医療費控除は併用できます。
ただし、計算する順序を守ることが重要です。
高額介護サービス費で払い戻された金額は支払った医療費から差し引かれる
申告時には、高額介護サービス費で戻ってきた金額を支払った医療費からマイナスしなければなりません。
費用の二重取りは法律で禁止されています。
これを忘れてそのまま申告してしまうと、後から税務署に修正申告を求められるため注意が必要です。
高額介護サービス費がある場合の医療費控除の計算手順
高額介護サービス費がある場合の医療費控除の実際の計算手順は以下の通りです。
- 1. 介護保険の限度額を超えた分を市町村に申請して払い戻してもらう
- 2. 施設に支払った1年間の総額から1で戻った金額を引く
- 3. 残った金額を医療費控除として税務署へ申告する
少し複雑に感じますが、この順番を守ることで正しい老人ホーム費用のシミュレーションが可能になります。
老人ホーム費用の確定申告に必要な書類と手続きの流れ

老人ホーム費用の確定申告をする際は、施設が発行する領収書と医療費控除の明細書を準備し、原則として翌年の2月16日から3月15日までに申告する必要があります(還付申告のみの場合は1月1日から可能)。
参考:国税庁「No.2020 確定申告」
必ず用意すべき書類
一年分の領収書と明細書が必須です。
場合によってはおむつ使用証明書も必要になります。
リストで確認しましょう。
- 施設発行の領収書(「医療費控除対象額」の記載があるもの)
- 医療費控除の明細書
- (該当する場合)おむつ使用証明書
施設によっては、入居時に老人ホームの費用を一括で前払いするプランもありますが、控除の対象となるのは「その年に提供されたサービス分のみ」となる点に気を付けましょう。
e-Taxでの申告手順(おすすめ)
スマートフォン・パソコンを使ったe-Taxによる電子申告が最もスムーズです。
領収書の添付を省略でき(5年間の自宅保管は必要)、還付金の入金も早くなります。
画面の案内に従って金額を入力するだけなので、初めての方でも対応できます。
参考:e-Tax「ご利用の流れ」
まとめ
老人ホームの費用は、施設の種類・費目によって医療費控除の対象となります。
申告によって得られるメリットは所得税の還付にとどまらず、翌年の住民税の軽減も含まれるため、「どうせ少額だから」と後回しにするのは損です。
領収書を年間通じて保管し、高額介護サービス費との計算順序を守って正しく申告しましょう。
過去5年分はさかのぼって申告できるため、まだ申告していない分がある方はお早めに対応することをおすすめします。
「手続きが不安」「老人ホームの費用相場を知りたい」という方はこちらから >> 【あなたらしく公式HP】
老人ホーム費用の確定申告についてよくある質問
ここでは老人ホーム費用の確定申告についてよくある質問をまとめています。
老人ホーム費用の確定申告は過去の分もさかのぼって申告できますか?
老人ホーム費用は過去5年分までさかのぼって還付申告することが可能です。
気がついたタイミングで早めに対応しましょう。
参考:国税庁「No.2030 還付申告」
領収書を紛失してしまった場合、老人ホーム費用の確定申告はどうしたらいいですか?
施設に再発行を依頼するか、「支払証明書」を発行してもらいましょう。
基本的に領収書自体の再発行は難しいケースが多いですが、年間の支払い額や医療費控除対象額をまとめた証明書なら発行してくれる施設がほとんどです。
親と別居していますが、子供が支払った老人ホームの費用も確定申告できますか?
老人ホーム費用の確定申告は「生計を一(いつ)」にしていれば、別居していても子供が申告できます。




