老人ホーム費用は非課税世帯ならいくら?減免制度の条件と資産要件

2026年5月14日

老人ホーム費用は非課税世帯ならいくら?減免制度の条件と資産要件

「老人ホームの費用は非課税世帯でも払える?いくらになる?」と不安に感じていませんか?

 

実は条件を満たせば減免制度が利用でき、毎月の自己負担を5~8万円台に大きく抑えることが可能です。

 

本記事では、特定入所者介護サービス費(補足給付)の仕組みと段階別の自己負担額、資産要件の最新ルール、申請の落とし穴まで解説します。

 

 

老人ホーム費用は非課税世帯なら月額5~8万円台に抑えられる(食費・居住費)

 

老人ホームの費用は非課税世帯であれば、月額5~8万円台にまで抑えることが十分に可能です。

 

これは施設入居時の最大のネックとなる食費と居住費が軽減されるためです。

 

非課税世帯が使える特定入所者介護サービス費とは

 

特定入所者介護サービス費(補足給付)とは、低所得の方が施設を利用する際の食費・居住費の負担を国が補助する制度です。

 

実際に私が相談を受けた方でも、「年金が少なくて老人ホームの費用が払えない」と涙ぐんでいた方が、この制度を利用して無事に入居できたケースを何度も見てきました。

 

令和8年8月改定を反映した最新負担限度額(日額・月額)

 

令和6年8月の改定で厚生労働省はさらに負担限度額を見直すことを通知しています。

 

老人ホームの費用を安い状態で長く利用し続けるためにも、どの段階に該当するかは把握しておきましょう。

 

【食費の負担限度額】

段階 食費(日額) 月額換算(30日)
第1段階 300円 約0.9万円
第2段階 390円 約1.2万円
第3段階① 650円 約2.0万円
第3段階② 1,360円 約4.1万円
基準費用額(上限) 1,445円 約4.3万円

 

【居住費の負担限度額(多床室・特養など)】

段階 居住費(日額) 月額換算(30日)
第1段階 0円 0円
第2段階 430円 約1.3万円
第3段階①② 430~530円 約1.3~1.6万円
基準費用額 915円 約2.8万円

参考:厚生労働省「令和6年8月からの特定入所者介護(予防)サービス費の見直しに係る周知への協力依頼について

 

特定入所者介護サービス費制度が使える施設と使えない施設の境界線

 

特定入所者介護サービス費制度が使えるのは、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)といった公営の施設です。民間の有料老人ホームやグループホームでは原則として利用できません

 

【関連記事】老人ホームの費用は公営と民間でいくら違う?料金差とサービスを比較

 

老人ホーム費用が減免される住民税非課税世帯の定義と判断条件

老人ホーム費用が減免される住民税非課税世帯の定義と判断条件
 

「年金が少ないから大丈夫だろう」と思い込んで申請に行き、認定されなかった。

 

そんな方を何人も見てきました。

 

非課税世帯の認定には所得要件と資産要件の両方を満たす必要があります。

 

 

所得要件:本人だけでなく世帯全員が非課税であること

 

入居者本人だけでなく、住民票上の世帯全員が住民税非課税であることが条件です。

 

老人ホームの費用を誰が払うかに関係なく、同居家族に課税者が一人でもいれば対象外となります。

 

さらに見落とされやすいのが配偶者特例です。

 

たとえ別居・別世帯であっても、配偶者に住民税が課税されていれば減免の対象外になります。

 

「夫と住民票を分けたから問題ない」と思い込んでいた方が、申請直前で弾かれるケースは決して珍しくありません。

 

老人ホーム費用の確定申告でも、世帯全体の所得状況が影響しますので覚えておきましょう。

 

参考:国税庁「No.1180 扶養控除

 

資産要件:預貯金・投資信託・タンス預金も対象

資産要件:預貯金・投資信託・タンス預金も対象
 

所得要件をクリアしても資産要件を満たさなければ減免は受けられません

 

手持ちの老人ホーム費用資産が定められた限度額以下である必要があります。

 

段階 対象者の条件 預貯金限度額(単身/夫婦)
第1段階 老齢福祉年金・生活保護受給者 1,000万円/2,000万円
第2段階 年金等収入80万円以下 650万円/1,650万円
第3段階① 年金等収入80万円超〜120万円以下 550万円/1,550万円
第3段階② 年金等収入120万円超 500万円/1,500万円

 

将来、老人ホームの費用を一括で払うために貯めていたお金や有価証券、投資信託・新NISA口座の残高・タンス預金も、隠さずに申告しなければなりません。

 

不正受給が発覚すると加算金などの重いペナルティが科せられます。

 

負債(借入金・住宅ローン)がある場合の資産相殺ルール

 

一方で、借入金や住宅ローンなどの負債がある場合は、プラスの資産から差し引く(相殺する)ことが認められています。

 

資産を申告する際は、ローン残高の証明書などを忘れずに準備しましょう。

 

参考:預金保険機構「(2)相殺

 

資産状況を整理してから施設を探したい方はこちら >> 【あなたらしく公式HP】

 

世帯分離で非課税にするメリットと注意点

世帯分離で非課税にするメリットと注意点
 

「世帯分離をすれば親が非課税になる」というのは事実ですが、安易に行うと後悔するリスクが潜んでいます。

 

世帯全体での総合的な老人ホーム費用のシミュレーションを行いましょう。

 

世帯分離による費用削減の仕組みと実体

 

課税されている子世代と住民票を分ける(世帯分離する)ことで、親単独の非課税世帯を作り出し、減免制度の対象にするという合法的な方法です。

 

これにより、老人ホーム費用の自己負担が月数万円単位で下がる可能性があります。

 

参考:大阪社保協「「世帯分離」って知っていますか?

 

健康保険料の上昇や扶養控除の喪失などで損をするケースも

 

しかし、世帯分離によって子どもが親を税法上の扶養から外すと、親自身の国民健康保険料が跳ね上がったり、子供側の税金(扶養控除の喪失により所得税・住民税がアップ)が増えたりするデメリットがあります。

 

結果的に世帯全体でのトータル支出が増えてしまったという失敗談は後を絶ちません。

 

【関連記事】老人ホーム費用は保険でいくら安くなる?介護保険・民間保険の節約額を徹底試算

 

世帯分離より優先すべき制度・資金計画の考え方

 

まずは他の制度を活用して老人ホーム費用の捻出ができないか検討しましょう。

 

以下の場合は、世帯分離よりも優先すべき制度があります。

 

  • 1ヶ月の介護費用が高額な場合→高額介護サービス費が最優先
  • 医療費と介護費が両方かさんでいる場合→高額医療・高額介護合算療養費制度が最優先v
  • 社会福祉法人が運営する施設(特養など)を検討中の場合→社会福祉法人等による生計困難者に対する利用者負担軽減制度が最優先

 

参考:国税庁「5 高額介護(居宅支援)サービス費 (介護保険法51、61)
参考:厚生労働省「高額医療・高額介護合算療養費制度について
参考:厚生労働省「社会福祉法人等による生計困難者に対する利用者負担軽減制度について

 

減免を受けるための負担限度額認定証の申請ステップ

減免を受けるための負担限度額認定証の申請ステップ
 

減免制度を利用するためには、住んでいる市区町村へ介護保険負担限度額認定証の申請を行うことが必須です。

 

条件を満たしていても自動的に適用されるわけではありません。

 

必要書類の準備と提出のタイミング

 

申請書、同意書、本人と配偶者の通帳の写しなどが必要です。

 

窓口で「奥様の通帳のコピーも必要です」と急に言われて慌てないよう、以下のスケジュールで準備を進めましょう。

 

  • 入居2~3ヶ月前(施設検討時):本人・配偶者の通帳残高を確認し、世帯全員が非課税かを把握する
  • 入居1ヶ月前(入居決定・契約前):申請書、同意書、通帳の写し(直近2ヶ月分、定期預金等のページも含む)、身分証明書を用意する
  • 入居前~入居同月中:住んでいる市区町村窓口へ申請・提出する

 

参考:朝日生命「介護保険負担限度額認定証とは・取得条件や申請手続き

 

申請は入居前が基本|入居後でも遡及できる条件とは

 

原則として、申請した月の1日に遡って減免が適用されます。

 

もし申請が翌月にズレ込むと、前月分は全額自己負担となってしまうため、入居が決まったらすぐ(できれば入居前に)手続きを行うのが鉄則です。

 

有効期限の更新忘れを防ぐための自治体通知のチェック方法

 

認定証の有効期限は毎年「7月末」です。

 

時期が近づくと自治体から更新案内が郵送で届きますが、これを見落として更新を忘れると、8月以降の費用が通常料金に跳ね上がってしまいます。

 

まずは夏場に必ず郵便物をチェックする癖をつけることが基本です。

 

さらに最近では、紙の通知を見落とさないための対策として、自治体情報通知アプリや自治体の公式LINEを活用するのも非常に有効です。

 

参考:株式会社日情システムソリューションズ「自治体情報通知アプリ

 

まとめ

老人ホーム費用は、世帯全員が住民税非課税であり、かつ一定の資産要件(単身500万円~など)を満たすことで、減免制度を利用して月額5~8万円台に抑えることが可能です。

 

令和6年8月からの法改正による居住費の引き上げ(日額60円)や、資産要件の厳格化を正しく理解し、入居前にしっかりと負担限度額認定証の申請を行いましょう

 
費用負担を軽減し、安心できる施設選びを実現してください。

 

老人ホームについての無料資料請求・相談はこちらから >> 【あなたらしく公式HP】

 

老人ホーム費用の非課税についてよくある質問

ここでは、老人ホーム費用の非課税についてよくある質問をまとめています。

 

 

老人ホームの費用は、持ち家があっても住民税が非課税なら減免制度は受けられますか?

 

はい、受けられます。

 

現在の制度では、不動産(持ち家や土地)は特定入所者介護サービス費の資産要件の対象外です。

 

ただし、売却して現金化するとその時点で「資産(預貯金)」としてカウントされるため注意が必要です。

 

民間の有料老人ホームでも、非課税世帯が使える減免制度はありますか?

 

特定入所者介護サービス費は使えませんが、自治体独自の家賃補助や、生活保護受給者向けの特例料金を設けている施設があります。

 

認知症で本人の通帳管理ができない場合、資産調査はどうすればいいですか?

 

家族が代理で記帳・コピーを行うか、金融機関に取引明細書の発行を依頼して提出します。

 

すでに成年後見制度を利用している場合は、成年後見人がこれらの手続きを代行します。