夜間せん妄が起こる原因とは?家族の対応や認知症との違いも解説

夜間せん妄が起こる原因とは?家族の対応や認知症との違いも解説

夜になると突然落ち着きがなくなったり、家の中を歩き回ったり…。急な変化がみられると、家族として強い不安や戸惑いを感じます。こうした状態は「夜間せん妄」と呼ばれ、体調の変化や環境の影響などが重なって起こることがあります。

ここでは、夜間せん妄とは何か、主な原因や家族の対応をわかりやすく解説します。

夜間せん妄とは

夜間せん妄とは

夜間せん妄とは、さまざまな原因で生じる脳の働きの一時的な乱れによる意識の障害が、とくに夜間に強くあらわれる状態です。意識が不安定になることで、幻視・興奮・注意散漫などの症状が出やすくなります*1。

たとえば、次のような行動がみられます。

  • 突然落ち着きがなくなる
  • 家の中を歩き回る
  • 誰かがいると訴える

夜間に症状が強まる要因として、睡眠・覚醒リズムの乱れが非常に多いとされています。多くは体の不調や環境の変化に伴って起こるため、原因を取り除き適切なケアで改善が期待できます。

夜間せん妄が起こる主な原因

夜間せん妄が起こる主な原因

夜間せん妄は、身体の不調・薬剤・環境変化・睡眠リズムの乱れなど、複数の要因が重なって起こりやすいとされています。原因としては、発熱・脱水などの身体の不調や、睡眠薬・抗不安薬・鎮痛薬などの薬剤の影響が挙げられます*1。

また、次のような要因があると、症状が出やすくなることがあります。

  • 痛み、便秘、尿閉、視力や聴力低下などの身体的不快感
  • 不安や抑うつなどの心理的ストレス
  • 入院や引っ越し、騒音や明るさの変化などの環境ストレス

とくに、睡眠・覚醒リズムの乱れや不眠は非常に多くみられ、夜間に症状が強まる理由の1つです。介入可能な場合が多いため、原因に気づくことで再発予防にもつながります。

夜間せん妄と認知症の違い

夜間せん妄と認知症の違い

夜間せん妄と認知症は似ているようですが、経過や症状の出方に明確な違いがあります

せん妄は急に起こり、夜に悪化しやすいのが特徴で、原因を取り除けば改善が期待できます*1。認知症の場合はゆっくり進行し、症状が1日を通して続く点が大きな違いです。

夜間せん妄 認知症
発症 急に起こる ゆっくり進行
経過 夜に悪化しやすい 1日を通して持続
特徴 意識のゆらぎ・混乱・幻視 記憶障害・判断力低下
改善 原因を取り除けば改善しやすい 限定的

【場面別】夜間せん妄で家族ができる対応

【場面別】夜間せん妄で家族ができる対応

ここでは、自宅でできる夜間せん妄への対応を場面別にまとめました

1.夕方から就寝前までの対応

就寝前は、次のように刺激を減らし、安心できる環境を整えることが大切です。

  • 過度な光や騒音を避ける
  • 照明を少し落とす(暗くし過ぎない)
  • トイレを済ませる
  • 必要な物を手の届く範囲に準備する

安心感が高まることで、夜間の混乱や不穏をやわらげやすくなります。できるだけ興奮するような刺激を控え、ゆったり過ごせる雰囲気づくりを意識しましょう。

2. 夜中に混乱したときの対応

夜中に混乱したときは、まず安全の確保を優先します。

  • つまずきやすい物を片付ける
  • 真っ暗にせず薄明かりをつける
  • 否定せず、短くゆっくり声をかける

また、痛み・便秘・尿意・発熱・脱水など、身体的不快感が隠れていることもあります。必要に応じて、トイレや水分を確認しましょう。

急がせたり叱ったりせず、落ち着いた態度で寄り添うことで、不安が軽減しやすくなります。

3.翌朝は生活リズムを整えて再発を防ぐ

生活リズムを整えることは、夜間せん妄の再発を防ぐための基本です。次のような行動を取り入れると、睡眠と覚醒のリズムが整いやすくなります。

  • 朝の光を浴びる
  • 決まった時間に起床する
  • 軽い体操などで体を動かす

日中はできる範囲で活動量を保ち、昼寝は長くなりすぎないように調整しましょう。規則正しい生活や適度な活動、日光にあたる習慣は、せん妄予防に有効とされています*1。

無理のない範囲で日中の過ごし方を整えることで、夜間の混乱が起こりにくくなります。

夜間せん妄とともに、昼夜問わず目的もなく歩き回る徘徊がみられることもあります。気になる方は「認知症の徘徊はなぜ起こる?家庭でできる対策と探さないの正しい意味」もあわせてご覧ください。

夜間せん妄で家族が疲弊しないために

夜間せん妄で家族が疲弊しないために

厚生労働省の調査によれば、夜間の見守りが続く介護者には、睡眠不足や疲労感といった負担が強く見られます。「気が休まらない」「本人のそばにいると腹が立つ」と感じるなど、精神的な負荷も高まることが報告されています*2。

家族が疲弊しないためには、デイサービスやショートステイなどを一時的に利用することも大切です。少し休むことは決して手抜きではなく、結果的に本人の安定にもつながります。

夜間せん妄で相談や受診が必要なケース

夜間せん妄で相談や受診が必要なケース

夜間せん妄が続くときは、早めに専門家へ相談しましょう。急に様子がおかしくなった場合は、まずかかりつけ医に相談し、身体的な原因がないか確認してください。

必要に応じて、内科や精神科などにつないでくれます。緊急性が低い場合は、地域包括支援センターへ相談してもよいでしょう。

夜間せん妄で困ったときは専門家に相談を

夜間せん妄は、体の不調や環境の変化などが重なって起こりやすく、原因に気づくことで改善が期待できます。就寝前の環境づくりや夜間の安全確保、生活リズムの調整も大切です。

症状が続くときは、まずかかりつけ医に相談しましょう。相談先に迷う場合は、コンシェルジュに相談できるベルコメンバーズアプリもお気軽にご活用ください。お困りごとに応じ、介護サービスや専門家におつなぎします。

【参考文献】

*1 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター:認知症・せん妄ケアマニュアル第2版.(最終閲覧日:2025年11月26日)

*2 厚生労働省:認知症の人を介護する家族等に対する効果的な支援のあり方に関する調査研究報告書.(最終閲覧日:2025年11月26日)

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