認知症検査の流れ5ステップ|種類・費用・受診先の選び方をわかりやすく解説
「最近、親のもの忘れが増えた気がする…」
「記憶力が落ちてきて不安がある」
そんなときは、誰でも迷いや心配を抱えるものです。まずは、認知症の検査がどのように行われ、どんな種類があるのか知っておくことが安心につながります。
認知症かもしれないと感じたときは、治療で改善が期待できる病気を見落とさないためにも、早めに受診することが大切です。
この記事では、認知症の検査が必要な理由や流れ、代表的な検査の種類をわかりやすく解説します。
目次
認知症の検査はなぜ必要?

もの忘れなどの背景には、治療で回復が期待できる病気(脳腫瘍・慢性硬膜下血腫など)が潜んでいることがあります*1。認知症の検査は、まず原因を正しく見分けるために必要です。
また、アルツハイマー型認知症のように完治は難しい疾患でも、早期に気づき治療を始めることで進行を緩やかにできる可能性があります。
本人が自分の状態を理解し、今後の暮らしを考えるきっかけになるでしょう。家族にとっても、適切な介護方法や支援サービスを早めに準備でき、安心につながります。
認知症検査の流れ5ステップ

ここでは、実際に多くの医療機関で行われている認知症の検査の流れを見ていきましょう。
1. 問診で既往歴や生活の変化を確認する
まずは問診で既往歴をはじめ、もの忘れの頻度、性格の変化など、日常生活で気になる点を詳しく確認します。
受診前にメモを用意しておくと伝え忘れを防ぎ、診察がスムーズになります。
2. 認知機能検査を行う|MMSE・長谷川式など
ミニメンタルステート検査(MMSE)や長谷川式(HDS-R)などの簡単な質問で、記憶力・注意力・時間や場所の理解などを総合的に評価します。どちらも10分ほどで終わる短時間のテストで、痛みや身体的な負担はありません。
MMSEや長谷川式(HDS-R)について詳しく知りたい方は「認知症テストの種類2つ!チェックリストを使って認知症を予防しよう」をご覧ください。
3.身体検査や血液検査で別の病気が隠れていないか確認する
尿検査や心電図検査、レントゲン検査や血液検査で、認知症と似た症状を引き起こす別の病気がないかを確認します。
甲状腺機能の異常やビタミンB12不足、脱水、感染症などは治療で改善が期待できるため、原因を正しく見極めることが重要です。
4. 必要に応じて画像検査を行う|CT・MRIなど
MRIやCTなどの画像検査で、脳の萎縮や血管障害の有無を確認します。
検査は医師の判断により、必要に応じて実施されます。
5.より専門的な検査が追加になる場合もある
脳の血流を調べるSPECT、アルツハイマー型認知症の萎縮パターンを解析するVSRAD、より詳細に認知機能を評価する神経心理検査、MCIスクリーニング検査(自費)などを行うこともあります。
認知症検査の種類一覧|スクリ―ニングと専門的検査まとめ

認知症の検査は、いくつかの方法を組み合わせて総合的に評価します。
ここでは、よく行われるスクリーニング検査と専門的な二次検査に分けて、一覧でまとめました。
主な認知症スクリーニング検査
現在の認知機能を大まかに把握するために行う短時間の検査です。
医療機関ごとに実施する検査は異なり、すべてを行うわけではありません。
| MMSE(ミニメンタルステート検査) | 記憶・見当識などを確認 |
|---|---|
| 改訂長谷川式認知症スケール(HDS-R) | 日本で広く使われる質問式テスト |
| MoCA | 軽度認知障害(MCI)を早期に見つけやすい |
| CDT(時計描画テスト) | 時計を描く課題で認知機能を確認 |
| Mini-Cog | 3つの単語を思い出す+時計描画の簡易テスト |
必要に応じて行う認知症の専門的な検査
必要に応じて行われる、より詳細な認知症検査です。
医師が必要と判断した場合、実施されます。
| DASC-21 | 21項目で認知機能+生活機能の変化を評価 |
|---|---|
| ABC-DS(ABC認知症スケール) | 介護者からの情報を基にADLや認知機能を多面的に評価 |
| 神経心理検査 | 記憶・言語・実行機能を詳しく評価 |
| VSRAD | アルツハイマー型の萎縮パターンを解析 |
| SPECT | 脳の血流を調べる画像検査 |
| MCIスクリーニング検査(自費) | 軽度認知障害の早期発見に役立つ検査 |
認知症検査の費用はどれくらい?

認知症の検査費用は、検査の種類や保険適用の有無によって異なります。一般的な外来診察や認知機能テストは健康保険が適用されるため、3割負担の場合は数百円程度です。
CT検査は3割負担で5,000〜1万円程度、MRI検査は1万円前後が目安です。撮影部位や機器の種類などによって前後することもあります。
また、MCI(軽度認知障害)スクリーニング検査など自費となる検査は、2〜3万円かかる場合があります。
認知症検査の受診先の選び方

認知症が疑われる場合、まずはかかりつけ医に相談するとよいでしょう。必要に応じて、より専門的な診療を行う「もの忘れ外来」や「認知症疾患医療センター」などを紹介してもらえます。
認知症は神経内科や精神科、心療内科、脳神経外科など複数の診療科で診断できます。地域によっては認知症専門外来が設置されているため、通いやすさや予約の取りやすさも確認するとよいでしょう。
全国のもの忘れ外来一覧は、公益社団法人認知症の人と家族の会の「全国もの忘れ外来一覧」をご覧ください。
認知症検査の前に認知機能を手軽にチェックをしたい方へ
認知症の検査は、問診・認知機能テスト・血液検査・画像検査などを組み合わせ、原因を正しく見極めることが大切です。早めに気づくことで、進行を緩やかにしたり、今後の暮らしへの備えがしやすくなります。
「気になるけれど、すぐに受診すべきかわからない」という方には、ベルコメンバーズアプリの専門医監修による認知機能チェックがおすすめです。受診の目安として気軽に利用できるので、ぜひ活用してみてください。
【参考文献】
*1 国立研究開発法人国立長寿医療センター:認知症とは.(最終閲覧日:2025年11月19日)
読まれている記事一覧
-
高齢者が同じことを何度も言うのはなぜ?対応方法と認知症との関連性を解説
-
認知症で病院に入院できる!精神科に入院する3つの基準や期間を解説
-
80代の親が少し前のことを忘れるのは単なる物忘れ?認知症との違いや見分ける方法を解説
-
高齢の母親と話が通じない4つの理由|コミュニケーション改善法やストレス対策も解説
-
認知症の親を施設に入れるタイミングと注意点を徹底解説
-
認知症予防に役立つチェックアプリ3選!おすすめポイントも紹介
-
同じ話を繰り返す母親への対処法|2つの原因と認知症チェック方法も徹底解説
-
高齢の親が寝てばかりいるのは認知症の初期症状が原因?家族ができる対処法3選
-
認知症の初期症状はわがまま?早く対処すべき3つの理由とその対処法
-
認知症の原因物質であるアミロイドβとは?溜まる3つの原因や排出方法紹介
-
認知症の予防にはコミュニケーションが効果的!4つの方法も紹介
-
英語を話せると認知症になりにくい?予防のための学習法をお伝えします
-
麻雀が認知症予防に?楽しみながら脳を使って健康に
-
【無料プリントあり】認知症予防に役立つプリントの活用方法と選び方
-
認知症の症状を抑える方法は主に3つ!治った例や家族の対応ポイント
