認知症の6つの初期症状とは?加齢との違いや受診の目安も解説
家族のもの忘れや性格の変化を目の当たりにすると、加齢によるものか、認知症の始まりなのか判断できず、不安が募るという方は多いのではないでしょうか。将来への心配から、認知症の初期症状がどのようなものか気になる方もいるかもしれません。
認知症は早めに気づくことで、今後の生活の選択肢が大きく変わる可能性があります。この記事では、認知症の初期症状の特徴、加齢によるもの忘れとの違い、受診を検討したいタイミングをわかりやすく解説します。
目次
認知症の6つの初期症状|チェックリスト

認知症とは、さまざまな病気によって脳の神経細胞の働きが少しずつ変化し、記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態です*1。初期には日常のちょっとした変化として現れることが多く「年のせいかな?」と見過ごされがちです。
ここでは、認知症の始まりとされる「6つ」の初期症状について解説します。
1.もの忘れがひどい
- 同じことを何度も言う・問う・する
- しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
- 今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
- 財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う
- 新しいことが覚えられない
2.判断・理解力が衰える
- 料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
- 話のつじつまが合わない
- テレビ番組の内容が理解できなくなった
3.時間・場所がわからない
- 約束の日時や場所を間違えるようになった
- 慣れた道でも迷うことがある
4.人柄が変わる
- 些細なことで怒りっぽくなった
- 周りへの気づかいがなくなり頑固になった
- 自分の失敗を人のせいにする
- 「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた
5.不安感が強い
- ひとりになると怖がったり寂しがったりする
- 外出時、持ち物を何度も確かめる
- 「頭が変になった」と本人が訴える
6.意欲がなくなる
- 下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
- 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
- ふさぎ込んで何をするのもおっくうがり、いやがる
*2 出典:公益社団法人認知症の人と家族の会.家族がつくった「認知症」早期発見の目安.
認知症の初期症状のチェックリストは「認知症テストの種類2つ!チェックリストを使って認知症を予防しよう」でも詳しく紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
加齢によるもの忘れと認知症の違い

年齢を重ねると、新しいことを覚えにくくなったり、気になることがすぐ思い出せなくなったりするのは珍しくありません。しかし、加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れには、はっきりした違いがあります。
| 加齢によるもの忘れ | 認知症によるもの忘れ |
|---|---|
| 体験したことの一部を忘れる | 体験したことすべてを忘れる |
| もの忘れの自覚がある | もの忘れの自覚がない |
| 症状は極めて徐々に進行する | 症状は進行する |
*1 出典:政府広報オンライン:知っておきたい認知症の基本.認知症の初期症状は?
加齢によるもの忘れで多いのは、昼食のメニューを思い出せないといった体験の一部を忘れるタイプです。認知症の場合は昼食を食べたこと自体を忘れるなど、体験そのものが抜け落ちることがあります。
加齢によるもの忘れとの違いは「認知症ともの忘れを見分ける方法とは?もの忘れがひどいときのチェック方法」でも詳しく解説していますので、もっと具体例を知りたい方は参考にご覧ください。
認知症の早期発見のために受診を検討したい3つのタイミング
次のような変化が見られる場合は、早めに医療機関での相談を検討しましょう。
1.生活に支障が出ているとき
調理や買い物、金銭管理といった日常動作が難しくなったり、同じミスを繰り返す、転倒や事故が増えたりしている場合は、注意が必要です。
生活機能の低下は、認知症だけでなく他の疾患が背景にある場合もあります。早めに医療機関で評価を受けることが大切です*3。
2.性格・感情の変化が急に強くなったとき
怒りっぽさや疑い深さ、不安の高まりなど感情や性格の変化が短期間で強くなる場合、脳の働きの変化が背景にあるリスクがあります。認知症の可能性を確認するために、専門家による診察を検討すべきとされています*4。
3.家族が「これまでと違う」と感じたとき
はっきりとした症状がなくても、表情や会話、行動の小さな違和感など、家族が「これまでと違う」と感じた場合も見逃せません。周囲の気づきこそ、認知症の早期発見につながる大切なサインです。できるだけ早く受診する必要があるとされています*5。
認知症の初期症状が疑われる場合の相談先

認知症の初期症状が気になるときは、早めに相談できる場所を知っておくことが大切です。
まずは、かかりつけ医に相談してみるとよいでしょう。かかりつけ医がいない場合は、もの忘れ外来を受診する方法もあります。
また、地域包括支援センターは、各市町村に設置されている高齢者の総合的な相談窓口です。日常生活の困りごとや介護の不安について相談でき、必要に応じて適切な医療機関につないでくれます。
最近は、スマホから利用できる相談ツールも増えています。外出が難しい方や、いきなり対面で相談することに抵抗がある方には、手軽に不安を伝えられる方法として活用できるでしょう。
認知症の初期症状に気づいたら早めに相談しましょう
認知症は初期の段階で早めに相談することで、適切な支援や対処につながりやすくなります。気になるサインがあるときは、医療機関や地域の相談窓口を上手に活用しましょう。
ベルコメンバーズアプリでは、認知機能チェックが手軽に行えます。結果はわかりやすくグラフに表示され、健康管理にも役立つので、ぜひ活用してみてください。
【参考文献】
*1 政府広報オンライン:知っておきたい認知症の基本.(最終閲覧日:2025年11月18日)
*2 公益社団法人認知症の人と家族の会.家族がつくった「認知症」早期発見の目安.(最終閲覧日:2025年11月18日)
*3 Panegyres, P. K., Berry, R., & Burchell, J. (2016). Early dementia screening. Diagnostics, 6(1), 6.
*4 Ducharme, S., Dols, A., Laforce, R., Devenney, E., Kumfor, F., van den Stock, J., Dallaire-Théroux, C., Seelaar, H., Gossink, F., Vijverberg, E., Huey, E., Vandenbulcke, M., Masellis, M., Trieu, C., Onyike, C., Caramelli, P., de Souza, L. D., Santillo, A., Waldö, M. L., … Pijnenburg, Y. (2020). Recommendations to distinguish behavioural variant frontotemporal dementia from psychiatric disorders. Brain: A Journal of Neurology, 143(6), 1632–1650.
*5 Dening, T. (2025). Recognising dementia in a primary care setting. Practice Nursing.
監修者
浦上 克哉 教授
監修者
浦上 克哉 教授
日本老年精神医学会理事
日本老年学会理事
日本認知症予防学会専門医
1983年鳥取大学医学部医学科卒業
1988年同大大学院博士課程修了
1990年同大脳神経内科・助手
1996年同大脳神経内科・講師
2001年同大保険学科生体制御学講座環境保健学分野の教授(2022年まで)
2016年北翔大学客員教授(併任)
2022年鳥取大学医学部保健学科認知症予防学講座(寄付講座)教授に就任
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