ケアマネージャーにどこまで相談して良い?認知症介護で相談できること・難しいこと
認知症の家族を介護する中で、慣れない対応に戸惑い、「ケアマネージャーにはどこまで相談して良いのだろう」「些細なことでも相談して良いのだろうか」と悩む方もいるのではないでしょうか。
介護サービスのことは相談しやすくても、家族の負担や本人への接し方、家庭内の悩みまでは話しにくいと感じる方もいるかもしれません。
この記事では、ケアマネージャーに相談できること・対応が難しいこと、相談前に準備しておきたいことについて解説します。
ケアマネージャー以外の相談先もまとめているので、困りごとに応じた相談先を知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
ケアマネージャーに相談できること・対応が難しいこと

ケアマネージャーには、介護サービスの利用だけでなく、認知症の介護をするうえでのさまざまな困りごとを相談できます。
ここではケアマネージャーに相談できることと、ケアマネージャーだけでは対応が難しいことについてご紹介します。
ケアマネージャーに相談できること
ケアマネージャーには、認知症の介護をするうえで、さまざまな困りごとの相談が可能です。
介護保険法ではケアマネージャーについて、要介護者や要支援者からの相談に応じ、心身の状態に応じて適切なサービスを利用できるよう連絡調整等を行う専門職として位置付けられています。
つまり、ケアマネージャーの役割は介護サービスの手配だけではありません。家族の疲労、介護の限界、生活上の困りごとなども聞き取りながら、本人や家族に必要な支援を一緒に考えることも役割の一つです。
たとえば、以下のような内容はケアマネージャーに相談できます。
- デイサービスに行くのを嫌がり、ベッドから起きない
- 散歩に行くと言って出かけたまま、なかなか帰ってこない
- 服や下着を着替えなくなり、衛生面が心配
- トイレの失敗が増え、家族だけで対応するのが難しくなってきた
- 夜中に何度も起きるため、家族が十分に眠れない
- 介護の負担が大きく、本人に強く当たってしまいそうで不安
このような悩みは、家族としてはただの愚痴や家庭内の問題と感じる方もいるかもしれません。しかし、ケアマネージャーにとっては、本人の生活や家族の介護負担を把握するための貴重な情報となります。
ケアマネージャーだけでは対応が難しいこと
ケアマネージャーには生活の広い範囲で相談できますが、すべてを直接解決できるわけではありません。たとえば、認知症の診断や薬の変更、治療方針の決定は医師の役割です。診断や薬の調整はかかりつけ医やもの忘れ外来など医療機関への相談が必要となります。
また、相続や財産管理、契約トラブルなどの法律に関わる問題も、ケアマネージャーのみでの判断は難しい内容です。
ケアマネージャーが直接対応できない内容でも、相談内容に応じて「どこに相談すれば良いか」を一緒に考えられる場合があります。どこに相談すればよいかわからないときは、まずは困りごとをケアマネージャーに話してみるのも一つの方法です。
相談する前に確認したい準備

ケアマネージャーにいざ相談しようとしても、うまく伝えられるか、どう話したら良いか迷う方もいらっしゃるかもしれません。限られた時間で状況を共有するため、困っていることや確認したいことを事前にメモに整理しておく方法があります。
たとえば、メモに整理しておくこととして考えられるのは、以下のような内容です。
- 具体的にいつから困るように思えてきたか
- 困りごとはどの程度の頻度で起きているか
- 認知症のご本人はどのような様子か
- 家族は何に困っているのか
- 困りごとに対して、希望したいサービスはあるか
- 認知症のご本人の前で話しても問題ない内容かどうか
ケアマネージャーは、本人や家族からの情報をもとに、生活上の困りごとや介護負担を把握し、必要な支援方法を検討します。日々の様子や家族の負担について共有された内容は、必要な支援方法やケアプランの見直しを検討する際の参考になります。
本人の前で話しにくい内容がある場合や、何を相談すれば良いかわからない場合は、次のような方法が考えられます。
- 「家族だけで相談したい」と先に伝えておく
- まずは今困っていることをそのまま伝える
ケアマネージャー以外の相談先

相談内容によってはケアマネージャー以外の相談先を検討したほうが良い場合もあります。相談先に迷う場合は、まずケアマネージャーに状況を伝え、どこに相談すれば良いか確認することが大切です。
以下に、認知症の方の介護をするうえでの困りごとや主な相談先、相談できる内容をまとめました。
| 困りごと | 主な相談先 | 相談できる内容 |
|---|---|---|
| 認知症の症状や受診についての相談 | かかりつけ医、物忘れ外来、認知症疾患医療センター | 認知症の診断、治療、薬、症状の変化など |
| 介護保険制度や地域の支援を知りたい | 地域包括支援センター、市区町村の介護保険窓口 | 介護保険制度、地域の介護サービス、生活支援など |
| 介護の悩みや大変さを誰かと共有したい | 認知症カフェ(地域包括支援センター) | 介護者の悩み、家族同士の情報交換、気持ちの整理など |
| 認知症の方の日常的な金銭管理が心配 | 社会福祉協議会 | 預金の払い戻しや解約、預金の預け入れの手続きなど、日常生活費の管理についての支援など |
| 相続・契約・借金などの法律問題の相談 | 法テラス、弁護士、司法書士 | 法律相談の窓口案内、弁護士・司法書士への相談、法制度の情報提供など |
| 悪質商法や消費者トラブルについての相談 | 消費生活センター、消費者ホットライン188 | 訪問販売、詐欺的トラブル、契約トラブルなど |
認知症の方の介護では、家族が思っていた通りに対応できない場面も少なくありません。一人で抱え込まず、必要に応じてケアマネージャーに相談し、状況にあった相談先を確認することが大切です。
まずはケアマネージャーに相談
ケアマネージャーには、介護サービスの相談だけでなく、認知症の方を介護する上でのさまざまな困りごとも幅広く相談できます。家族の介護疲れや不安、認知症の方への接し方に迷う場面も、今後の支援を考えるうえで欠かせない手がかりになります。
直接対応が難しい問題でも一緒に考え、適切な相談先を共有できる場合があるため、迷ったらまずはケアマネージャーに相談することも一つの方法です。
また、家族が認知症の症状や対応について知っておくと、困っている場面やケアマネージャーへの相談内容を具体的に整理する際の参考になります。
認知症の知識を深めたい方は、以下の認知症の基礎知識ページもあわせてご覧ください。
【参考文献】
厚生労働省法令等データベースサービス:介護保険法 (平成9年12月17日法律第123号)
厚生労働省:認知症に関する相談先
厚生労働省:地域包括支援センターの概要
厚生労働省:介護保険制度の概要(令和7年7月)
厚生労働省:日常生活自立支援事業


