高齢者の昼寝が多いのはなぜ?注意したいサインと家族ができる対応

高齢者の昼寝が多いのはなぜ?注意したいサインと家族ができる対応

高齢の親が日中に寝ている時間が増えると「年齢のせい?」「このまま様子を見てよいのだろうか?」と迷う方もいるのではないでしょうか。

高齢者の昼寝が多い背景には、加齢による睡眠リズムの変化だけでなく、体調や薬、日中の過ごし方などが関係することもあります。本記事では、考えられる原因や注意したいサイン、家族ができる対応をわかりやすく解説します。

高齢者の昼寝が多いのはなぜ?考えられる主な原因

高齢者の昼寝が多いのはなぜ?考えられる主な原因
高齢者の昼寝が多い理由は1つではなく、いくつかの要因が重なっていることもあります。

日中の活動量が減っている

加齢にともない体内時計が変化し、睡眠と覚醒のリズムが弱まりやすくなります。昼夜のメリハリがつきにくくなると、日中の活動量が減り、昼間の眠気や昼寝につながることがあります。

たとえば、家にいる時間が長い、会話の機会が少ないなどの変化があると、日中にうとうとしやすくなるでしょう。

夜間の睡眠不足や体調・薬の影響がある

高齢になると、夜中に目が覚めやすくなったり、トイレに起きる回数が増えたりすることがあります。夜に十分眠れていないと、日中の眠気につながります。

また、体調不良や持病の治療薬、睡眠薬などによって眠気が残ることもあります。薬を変更してから昼寝が増えた場合でも、自己判断で薬を中止したり量を減らしたりせず、かかりつけ医や薬剤師への相談を検討しましょう。

認知機能の変化が関係していることもある

昼寝が多いだけで、認知症と判断することはできません。ただし、認知症の人では睡眠と覚醒のリズムが乱れ、日中にうとうとする時間が増える場合があります。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、認知症の人の約6〜7割が睡眠の乱れで悩んでいるとされています。また、長い昼寝や頻繁な昼寝は、認知機能低下のリスクと関連する可能性も報告されています。

高齢者の昼寝が多いのは良くない?注意したいサイン

高齢者の昼寝が多いのは良くない?注意したいサイン
高齢者の昼寝は、短時間であれば休息になることもあります。ただし、昼寝が長くなり、生活リズムや会話、反応の変化がみられる場合は注意して見守りましょう。

昼夜逆転している

昼間に長く眠ると、夜に眠れなくなることがあります。夜の睡眠が浅くなると、さらに日中の眠気が強くなり、昼夜逆転に近い生活になる場合もあります。

たとえば、次のような様子がないか確認しましょう。

  • 夜中に何度も起きる
  • 朝になっても眠そうにしている
  • 昼過ぎまで寝ている

昼寝の時間だけでなく、夜の睡眠や日中の過ごし方もあわせて見直すことが大切です。

声をかけても起きにくい・ぼんやりしている

昼寝から起きたあと、しばらくぼんやりすることはよくあることです。ただし、以前と比べて次のような変化がみられる場合は、体調の変化にも注意しましょう。

  • 声をかけても反応が鈍い
  • ふらつきや転びそうな様子がある
  • 食事や水分をとる量が減っている

一時的な眠気であれば、少し時間をおくと落ち着くこともあります。ただし、急に反応が鈍くなった場合や、顔のゆがみ、片側の手足に力が入らない、ろれつが回らないといった症状がみられる場合は、様子を見ずに119番通報を検討しましょう。

もの忘れや会話の変化もみられる

昼寝の増加に加えて、次のような変化がある場合は、認知機能の変化にも目を向けるきっかけになります。

  • 同じ話をくり返すことが増えた
  • 会話の内容がかみ合いにくい
  • 約束や予定を忘れることが増えた

睡眠の様子だけで判断せず、以前との違いをあわせて見守ることが大切です。

認知症と加齢によるもの忘れの違いについては「認知症ともの忘れを見分ける方法とは?もの忘れがひどいときのチェック方法」もご覧ください。

高齢者の昼寝が多いときに家族ができる対応

高齢者の昼寝が多いときに家族ができる対応
高齢者の昼寝が多いときは、生活全体を見ながら少しずつ整えていくことが大切です。できることから始めてみましょう。

生活全体を見守り、昼寝や夜の睡眠時間を記録する

昼寝の時間だけでなく、夜の睡眠や日中の過ごし方も確認しましょう。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠の状態を1週間記録し、寝床に入っている時間と実際に眠っている時間を区別することをすすめています。

たとえば、次のような内容をメモしておくとよいでしょう。

  • 起床時間と就寝時間
  • 昼寝をした時間と長さ
  • 夜中に起きた回数
  • 日中の活動量や外出の有無

細かく書く必要はありません。「午前中に30分」「昼食後に2時間」など、簡単に記録するだけでも十分です。気になる変化がある場合は、記録した内容をもとにかかりつけ医へ相談すると、状況を伝えやすくなります。

日中の活動や外出の機会を少しずつ増やす

高齢者は日中の活動時間を増やし、必要以上に寝床で過ごさないことがすすめられています。日中に太陽の光を浴びることや、習慣的な運動、人とのつながりも良質な睡眠に役立つとされています。

  • 朝起きたらカーテンを開ける
  • 午前中にベランダや玄関先に出る
  • 天気のよい日に近所を5~10分ほど歩く
  • デイサービスや地域の集まりを利用する

たとえば、本人が負担に感じないよう「一緒に散歩しない?」など、自然に声をかけるとよいでしょう。

外出や人との交流を増やす方法を知りたい方は「高齢者に合ったボランティアの種類|メリット・注意点や探し方も解説」もご覧ください。

認知症が心配なときは早めに状態を確認しましょう

高齢者の昼寝が多い理由には、睡眠リズムの変化や活動量の低下、体調不良、薬の影響などがあります。昼寝が多いだけで、認知症と判断はできません。ただし、もの忘れや会話の変化、昼夜逆転などが気になる場合は、早めに状態を確認することが大切です。

なお、ベルコメンバーズアプリを活用して、認知機能の状態を確認する方法もあります。日常生活の変化に気づくきっかけとして、お役立てください。

【参考文献】

厚生労働省:健康づくりのための睡眠ガイド2023

国立長寿医療研究センター:睡眠と健康

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