「親の介護はメンタルがやられる」
「介護疲れの症状って?」
このように、在宅介護で心身ともに疲弊してしまい、どのように状況を改善すればよいかわからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
介護している方の多くが抱えている「介護疲れ」は、適切な対策を講じないまま放置してしまうと、心身に不調をきたす可能性があります。
本記事では、介護疲れの理由や「5つの対策」について詳しく解説します。
介護疲れか確認できるチェックリストも紹介しているため、「もしかして介護疲れかも?」と感じている方はぜひ参考にしてください。
なお、介護疲れの対策として老人ホームへの入居も有効的な手段のひとつです。
“あなたらしく”の無料サポートを受けながら、家族のニーズに合った老人ホームを選んで、介護にかかる負担を軽減してみてはいかがでしょうか。
介護疲れはあなただけじゃない|今すぐできるチェックリスト
家族の介護に疲れてしまい、心身ともに限界を感じている方は少なくありません。
ここでは、介護疲れかどうかを簡単にチェックできるリストを紹介します。
介護疲れのチェックリスト | |
---|---|
介護は自分だけが担当している | |
介護はできるだけ家族が担いたいと考えている | 被介護者以外の家族の対応は後回しにしてしまう | 介護について相談できる人や頼れる人がいない | どこに介護の相談をすればよいかわからない | 介護を優先するあまり気軽に外出できない | 趣味や友人との食事などの時間を作れない | 睡眠時間が足りない、熟睡できなくなった | いつまで続くかわからない介護に不安を感じている |
どれかひとつでも当てはまる場合は、介護を通してストレスや不安を感じており、心身ともに介護疲れが悪化する可能性があるため注意してください。
なぜ?介護で疲れる理由
介護で疲れてしまうのには、おもに「3つの理由」があります。
- 1. 身体的な負担
- 2. 精神的な負担
- 3. 経済的な負担
身体的な負担
休みなく続く介護では、介護者の身体に大きな負担がかかるタイミングが多々あり、身体的な負担が介護疲れにつながっています。
たとえば、ベッドから車椅子への移動の際には、被介護者を抱き抱える状態になるため介護者は腕や腰を酷使します。
また、おむつ交換や食事・排泄・入浴の介助にも体力が必要であり、これらの積み重ねが介護疲れを重症化してしまう要因のひとつです。
精神的な負担
思うように進められない介護にイライラしたり、落ち込んだりと、精神的な負担が増えてしまうことも介護疲れの理由です。
「夜中に何度も起こされておむつ交換をしている」「認知症の母との意思疎通が難しい」など、多くの介護者が悩みを抱えながら介護をしています。
さらに、介護がいつまで続くかわからない不安や、相談相手がいない孤独感から、追い込まれてしまうケースも少なくありません。
経済的な負担
介護保険制度によって、介護サービスの自己負担額を軽減できるものの、費用がまったくかからないわけではありません。
とくに、寝たきりで日常生活のすべてに介護が必要とされる要介護4〜5の場合、月々にかかる費用は高くなります。
また、介護者が介護を理由に仕事を退職してしまうと、収入が減ってしまうためにさらに経済的な負担が大きくなります。
介護疲れになりやすい人の6つの特徴
介護疲れになりやすい人には、以下の「6つの特徴」があります。
- 1. 真面目で一生懸命
- 2. 責任感が強い
- 3. 完璧主義
- 4. 我慢強い
- 5. 自分のことよりも相手を優先する
- 6. 他人に迷惑をかけられないと考えている
このような方は、介護で疲れてイライラしても「自分の介護が至らないせいだ」「これくらい乗り越えないと」と自分を責めてしまう傾向があります。
本人も自覚しないうちに介護疲れが溜まり、介護うつや介護離職など、重大な問題を引き起こしてしまう可能性もあるため注意が必要です。
介護疲れを軽減する5つの対策
介護保険サービスの活用や介護施設への入居など、さまざまな対策を講じることで、介護疲れを軽減できます。
ここでは、介護疲れを軽減する「5つの方法」を紹介します。
- 1. 介護保険サービスを活用する
- 2. 自治体の高齢者支援制度を活用する
- 3. 相談できる場所や人とつながりを持つ
- 4. 介護施設への入居を検討する
- 5. 意識的にリフレッシュできる時間を作る
①介護保険サービスを活用する
自治体の要介護認定を受けて、要支援1〜2や要介護1〜5と認定されると、公的な介護保険サービスを利用できます。
自己負担額1〜3割で必要なサービスを受けられるため、介護者である家族の負担を軽減可能です。
おもな介護保険サービスは、以下の通りです。
サービス名 | 対象者 | サービス内容 |
---|---|---|
訪問介護 | ・要介護1〜5 | 訪問介護員が利用者の自宅に訪問し、身体介護や生活支援を行う |
訪問入浴介護 |
・要支援1〜2 ・要介護1〜5 |
介護職員と看護職員が利用者の自宅に訪問し、持参した浴槽で入浴の介護を行う |
通所介護(デイサービス) | ・要介護1〜5 | 通所介護施設に通い、生活支援や機能訓練などのサービスを日帰りで受ける |
短期入所生活介護(ショートステイ) |
・要支援1〜2 ・要介護1〜5 |
介護者の心身の負担軽減などを目的に、介護老人福祉施設に短期間入所し、生活支援や機能訓練などのサービスを受ける |
要介護度によって利用できるサービスが異なるため、以下の記事も参考にしながら必要なサポートを受けられるように手続きを進めましょう。
【一覧表あり】要介護度(介護レベル)8段階別の状態と利用できるサービス
また、介護保険制度についてはこちらの記事も参考にしてください。
【一覧表あり】介護保険サービスとは?サービス内容や自己負担額について
②自治体の高齢者支援制度を活用する
自治体の高齢者支援制度を活用することで、経済的な負担による介護疲れを対策できます。
たとえば、紙おむつの現物支給や購入費の助成など、紙おむつ助成制度を設けている自治体があります。
利用対象や条件は市区町村によって異なるため、担当のケアマネージャーや自治体の窓口に相談してみましょう。
また、福祉タクシーを利用する際の運賃を助成するタクシー券を提供している市区町村もあります。
③相談できる場所や人とつながりを持つ
介護に関する悩みを相談できる場所や、人とつながりを持つと、孤独を感じずに正しい情報を得ながら介護を続けられます。
相談できる場所や人の例を、以下に紹介します。
- ケアマネージャー
- 地域包括支援センター
- 自治体の高齢者向けの相談窓口
- 民生委員
- 介護家族の会
上記以外にも、老人ホーム選びのプロ”あなたらしく”の無料サポートがおすすめです。
介護の知識を豊富に持ったスタッフに、介護にまつわるさまざまな悩みを相談できます。
以下の記事では、相談先についてよりくわしく解説しています。
④介護施設への入居を検討する
介護施設への入居を検討することも、介護疲れの対策として有効です。
介護のプロが常駐する施設に入居することで、被介護者・介護者ともに安心して日常生活を送れます。
おもな介護施設は、以下の通りです。
施設名 | 特徴 |
---|---|
特別養護老人ホーム | 要介護者が日常生活や機能訓練などを受ける施設 |
グループホーム | 認知症の高齢者が生活支援や機能訓練を受ける施設 |
介護付き有料老人ホーム | 介護サービスや生活支援を受けられる施設 |
住宅型有料老人ホーム | 生活支援サービスや、見守り、緊急時の対応などを受けられる居住施設 |
高齢者住宅についてくわしく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
⑤意識的にリフレッシュできる時間を作る
意識的にリフレッシュできる時間を作り、介護から離れることも大切です。
1日10分、15分でも自分がリフレッシュできる時間を作ることで、精神的な介護疲れの負担を軽減できます。
- 好きな音楽を聴く
- アロマオイルを炊く
- 好きな映画やドラマを観る
など、自分にとって癒される方法を見つけましょう。
適切なサービスを活用して介護疲れを乗り越えよう
介護疲れは多くの介護者が経験し、適切な対策を講じないままでいると、介護うつや介護離職など重大な問題を引き起こす可能性があります。
真面目で責任感が強く、ほかの人にうまく頼れない方ほど介護疲れを抱え込みやすいため注意が必要です。
介護保険サービスや自治体の支援制度の活用のほか、介護施設への入居を検討するなど、適切なサービスを取り入れて介護を乗り越えましょう。
「どの施設を選べばいいかわからない」「老人ホームの種類を知りたい」と感じている方は、”あなたらしく”を活用してみてください。
介護に精通したプロのスタッフが地域に根付いた情報をもとに、あなたの家族に最適な施設を選定し、入居後まで一貫してサポートします。