老人ホーム費用は保険でいくら安くなる?介護保険・民間保険の節約額を徹底試算

2026年5月15日

老人ホーム費用は保険でいくら安くなる?介護保険・民間保険の節約額を徹底試算

老人ホームの費用は保険でいくら安くなるの?と気になっていませんか?

 

公的介護保険・民間介護保険・医療保険の3種類を組み合わせることで、月額数万円〜十数万円単位の自己負担軽減が可能です。

 

「すべて保険でまかなえる」という誤解は禁物。

 

本記事では各保険の適用範囲・実際にいくら安くなるかのシミュレーション・出費を最小化する具体的な手順まで解説します。

 

 

老人ホーム費用に関わる3つの保険

老人ホーム費用に関わる3つの保険
 

老人ホームの費用に保険で活用できるのは「公的介護保険」「民間介護保険」「医療保険」の3種類です。

 

【一覧表】公的介護保険・民間介護保険・医療保険の適用範囲

 

公的介護保険・民間介護保険・医療保険のそれぞれでカバーする領域は異なります。

 

まずはそれぞれの役割を知りましょう。

 

保険の種類 役割 節約・給付される金額目安
公的介護保険 施設での介護サービス費(1~3割) 月額数万円~20万円相当のサービス費減額
民間介護保険 生活費や居住費などに使える現金給付 一時金数十万~数百万円、または年金形成
医療保険 入居中の通院・入院・手術などの治療費 治療費の7~9割軽減、民間給付金数万円~

参考:公益財団法人生命保険文化センター「公的介護保険で受けられるサービスの内容は?
参考:厚生労働省「我が国の医療保険について
参考:朝日生命「民間介護保険とは?知っておきたいメリット・デメリットや加入の必要性

 

介護保険と一口に言っても意味が違う:公的と民間の根本的な違い

 

公的介護保険と民間介護保険の最大の違いは給付の形です。

 

  • 公的介護保険:介護サービスそのものが提供される現物給付
  • 民間介護保険:現金が手元に届く現金給付

 

民間保険は、もし高額な入居一時金で老人ホームの費用を一括払いする必要がある場合や、月々の不足分を直接お金で補えます。

 

公的介護保険で老人ホーム費用はいくら安くなる?

公的介護保険で老人ホーム費用はいくら安くなる?
 

介護度が高くなるほど保険の恩恵は大きくなり、月額数万円~十数万円単位で自己負担を抑えられます

 

介護保険が適用される施設とされない施設の境界線

 

施設で介護保険が適用されるかどうかは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているかどうかが境界線です。

 

  • 指定あり(介護付き有料老人ホームなど):包括報酬制で介護費用が低額に抑えられる
  • 指定なし(住宅型有料老人ホームなど):外部の居宅サービスを利用した分だけ費用が加算される

 

 

介護保険の自己負担割合別・月額費用シミュレーション

 

介護保険の自己負担割合は、所得に応じて1~3割に変動します。

 

この差は大きく、老人ホームの費用シミュレーションをするには欠かせない項目。

 

以下は、住宅型老人ホームなどで外部サービスを利用する場合の、月額利用限度額と自己負担額の目安表です(多摩市の地域単価を反映した例)。

 

要介護度 月額利用限度額の目安 1割負担 2割負担 3割負担
要介護1 182,800円 約18,280円 約36,560円 約54,840円
要介護3 294,900円 約29,490円 約58,980円 約88,470円
要介護5 394,800円 約39,480円 約78,960円 約118,440円

参考:多摩市「介護保険の自己負担は所得に応じて1割から3割までのいずれかです

 

介護保険で払えない費用はどこ?自己負担になる項目一覧

 

老人ホームの費用介護保険で払えないのは居住費・食費・日用品代などです。

 

老人ホームの費用が払えないと悩む家族の多くは、この生活費部分の負担が重くのしかかっています。

 

実際に月額でいくらくらいかかるのか見てみましょう。

 

  • 居住費(家賃・管理費など):5~15万円
  • 食費:4~7万円
  • 日用品・おむつ代・理美容代:1~3万円
  • 医療費・お薬代:数千円~数万円

 

 

民間介護保険の給付金は老人ホーム費用に使えるのか

民間介護保険の給付金は老人ホーム費用に使えるのか
 

民間介護保険の給付金は、もちろん老人ホームの費用に充てられます。

 

公的保険ではカバーできない食費、身元引受人がいない場合に保証会社へ支払う依頼料など、用途は自由です。

 

【関連記事】老人ホーム費用と保証会社の仕組み|身元保証人なしでも安心して入居する方法

 

民間介護保険の給付条件と入居時期がずれるケースに注意

 

民間保険は要介護2以上など独自の給付条件があるため、要支援などで入居した場合はすぐにお金が下りないことがあります

 

老人ホームの費用を要介護2になったから少しは抑えられると思ったのに、現状は要介護1で全額自己負担になったと焦る家族の体験談は決して珍しくありません。

 

給付金の受け取り方と老人ホーム費用への充当方法

 

給付金の受け取り方は一時金タイプと年金タイプの2つに分かれます。

 

入居時の初期費用に充てるなら一時金タイプ、毎月の費用を補うなら年金タイプが適しています。

 

加入年齢と保険料・給付額の損益分岐点

 

高齢になってからの加入は保険料が割高になり、払込総額が給付額を上回る「元本割れ」のリスクがあります。

 

老人ホームの費用は比較するだけでなく、この損益分岐点を知っておくことも重要です。

 

【シミュレーション例:給付金300万円の終身介護保険の場合】

加入年齢 月払保険料(想定) 85歳までの払込総額 損益分岐点(元本割れか)
40歳 4,000円 216万円 お得(84万円プラス)
50歳 6,000円 252万円 お得(48万円プラス)
70歳 18,000円 324万円 元本割れ(24万円マイナス)

※架空のモデルケースです。実際の保険料・給付額は保険会社・商品によって大幅に異なります。必ず保険会社に個別確認の上でご判断ください。

 

老人ホーム費用のシミュレーションで自己負担額を確認するならこちら >> 【あなたらしく公式HP】

 

老人ホーム入居中に医療保険は使えるのか

老人ホーム入居中に医療保険は使えるのか
 

老人ホーム入居中の病気やけがに対しては、通常通り公的・民間の医療保険が適用されます。

 

老人ホーム入居中に入院した場合:入院給付金は受け取れるか

 

施設から病院へ入院した期間については、民間医療保険の入院給付金を受け取れます。

 

施設の部屋を確保しておくための月額費用は継続して発生するため、この給付金は大きな助けになるでしょう。

 

介護保険×医療保険の合算制度で自己負担を減らす

 

高額介護合算療養費制度を使えば自己負担を大幅に減らせます。

 

1年間で支払った医療費と介護費の合計が限度額を超えた場合、超過分が払い戻されます

 

老人ホーム費用の確定申告(医療費控除)と併せて手続きを行うことで、手元に残るお金が変わってきます。

 

【具体例】
年間の自己負担上限額が56万円だったとします。

 

もし1年間で医療費40万円、介護費40万円(合計80万円)を支払った場合、超過した24万円が手元に戻ってきます。

 

参考:厚生労働省「高額医療・高額介護合算療養費制度について

 

老人ホーム費用を最小化するための手順

 

施設費用をできるだけ抑え、老人ホームの費用を安い状態に維持するための具体的な手順を解説します。

 

ステップ①公的介護保険の自己負担割合と高額介護サービス費の上限を確認する

 

まずは自分の負担割合と、月々の負担上限額を把握してください。

 

上限を超えた分は高額介護サービス費として戻ってきます。

 

所得区分 月々の自己負担上限額(世帯)
生活保護受給者等 15,000円
市区町村民税世帯非課税 24,600円
一般所得者(年収約383万円未満等) 44,400円
現役並み所得者 93,000円 または 140,100円

参考:厚生労働省「高額介護サービス費の負担限度額が見直されます

 

ステップ②負担限度額認定証の対象かどうかを確認する

 

老人ホームの費用は非課税世帯の方などは、居住費や食費が大幅に減免される負担限度額認定証を申請できます。

 

これだけで月数万円の節約になるため、必ず市区町村で確認しましょう。

 

段階 対象者の条件
第1段階 老齢福祉年金・生活保護受給者
第2段階 年金等収入80万円以下
第3段階① 年金等収入80万円超〜120万円以下
第3段階② 年金等収入120万円超

参考:朝日生命「介護保険負担限度額認定証とは・取得条件や申請手続き

 

ステップ③民間介護保険の給付条件・受け取り方を確認する

 

手元の証券を取り出し、「いつ・いくら・どうやって」給付されるかを保険会社に確認してください。

 

老人ホームの費用を資産から取り崩す時期を遅らせるポイントになります。

 

一般的な受取手順は以下の通りです。

 

  • 1. 給付要件の確認
  • 2. 保険会社への連絡
  • 3. 診断書の取得
  • 4. 書類の提出・着金

 

 

ステップ④医療費が重なる月は高額介護合算療養費制度の申請を検討する

 

医療と介護の両方で出費がかさんだ年は、忘れずに合算制度を申請してください。

 

ただし、自動で付与されるのではなく、自分で申請しないと戻ってこないということは覚えておきましょう。

 

まとめ

老人ホーム費用は、公的介護保険、医療保険、そして民間介護保険を賢く組み合わせることで大きく自己負担額を減らすことができます。

 

「記事を読んで制度は理解できたけれど、結局自分に合う施設はどこ?」と感じた方は、無理にご自身だけで抱え込まず、プロの力を借りるのが最も確実なステップです。

 

まずは気になった施設のパンフレットを取り寄せたり、無料相談窓口を活用したりして、具体的な行動をスタートしてみましょう。

 

無料相談・資料請求はこちら >> 【あなたらしく公式HP】

 

老人ホーム費用と保険についてよくある質問

ここでは、老人ホームの費用と保険についてよくある質問をまとめています。

 

介護保険が適用されない住宅型老人ホームでは、民間保険でどう補えますか?

 

訪問介護などを利用した際の高額な自己負担分を、民間保険の給付金(現金)で直接支払うことで補填できます。

 

要介護認定を受ける前でも民間介護保険の給付を受けられますか?

 

原則として受けられません。

 

ほとんどの民間保険は公的介護保険の要介護度や独自の寝たきり状態等の基準に連動して給付されるためです。

 

老人ホームに入居後、新たに民間介護保険に加入することはできますか?

 

老人ホーム入居後に新たに民間介護保険に加入するのは非常に困難です。

 

すでに介護が必要な状態や持病がある場合、健康状態の告知で加入を断られるケースがほとんどとなります。