高齢者とは何歳から?65歳以上、75歳以上の高齢者の定義について徹底解説

2023年7月18日

高齢者とは何歳から?65歳以上、75歳以上の高齢者の定義について徹底解説

日本は、3.4人に1人が65歳以上という世界に類を見ないほどの超高齢社会です。

この記事では、高齢者とは何歳からなのか、高齢者になる前にしておくべきことなどを詳しく解説します。

 

高齢者とは何歳から?

高齢者とは何歳から?

国連機関のWHO(世界保健機関)は、高齢者は65歳以上の人であるとしています。日本における高齢者の定義は法律や制度によって異なりますが、65歳以上を高齢者とするケースが多いでしょう。

細かく見ると、以下のように法律や制度によって違いがあります。

  • 老齢基礎年金・老齢厚生年金:65歳から給付開始
  • 介護サービス:65歳以上で要介護・要支援認定を受けると利用可能
  • 後期高齢者医療制度:75歳以上、または65歳以上75歳未満で一定の障害認定を受けた人が対象

 

高齢者の身体的な特徴

高齢者の身体的な特徴として、次のようなものがあります。

  • 耳が聞こえにくくなる
  • 老眼・白内障など、目が見えにくくなる
  • シミ・しわ・白髪などの見た目が変化する
  • 筋力の低下により、日常生活が困難になる
  • 臓器のはたらきが低下する
  • 病気にかかりやすくなる

 

高齢になると見た目だけではなく、体の内部も衰えてくるでしょう。

 

高齢者の精神的な特徴

高齢者の精神的な特徴は、次のとおりです。

  • 積極的に行動を起こそうとする意欲が低下する
  • 記憶や注意力などを維持することが難しくなる
  • 頑固になり、保守的傾向が強くなる
  • うつ状態になりやすい
  • 計算・記憶・説明などの認知機能が低下する
  • ケアレスミスが目立つ
  • 複数のことを同時に行うことが難しくなる

 

身体的な変化と精神的な変化の両方が起こるケースも多いでしょう。

 

前期高齢者・後期高齢者とは?

前期高齢者・後期高齢者とは?

一般的には、65~74歳の人を前期高齢者、75歳以上の人を後期高齢者と区分しています。前期高齢者の人のなかには、まだまだ活動的な人も多いでしょう。

国民の意識調査アンケートでも、高齢者と認識する年齢は「70歳以上」とする人が最も多く約42%、次いで「65歳以上」が約22%、「75歳以上」が約15%、「60歳以上」が約9%、「80歳以上」が約7%という結果でした。[注1]

活動的な人が多い前期高齢者と比べて、後期高齢者は病気にかかりやすく、身体的に弱っている人や、認知能力が低下している人も多くいます。後期高齢者の特徴は、次のとおりです。

  • 低栄養・免疫機能の低下により、感染症を発症しやすい
  • 糖尿病性腎症・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症といった臓器障害が顕在化しやすい
  • 薬剤による好ましくない作用があらわれる頻度が増える
  • 要介護状態になりやすく、一度入院すると退院が困難になる傾向にある

 

[注1]内閣府:平成25年度 内閣府 高齢期に向けた「備え」に関する意識調査 P1

 

日本における高齢者の割合

日本における高齢者の割合

す。65歳以上の人口割合は、1950年では総人口の5%未満でしたが、1970年には7%を超え、1994年に14%を超える高齢社会へと突入しました。

その後も高齢化率は上昇をし続け、2007年に21%を超えて超高齢社会を迎え、令和3年10月1日現在、28.9%に達しています。今後、高齢化率はますます上昇し、2025年に30%、2065年には38.4%に到達し、2.6人に1人が高齢者となると予想されています。[注2]

[注2]内閣府:令和4年版 高齢社会白書 高齢化の状況 P1〜3

 

高齢者が増えることによる問題

高齢者が増えることで、働いている現役世代の負担が大きくなります。高齢者1人を支える現役世代の人数は、1950年においては12.1人でしたが、少子高齢化社会となり、1980年には7.4人、2020年には2.1人まで減少しました。

このまま高齢化が進んでいくと、2065年には高齢者1人に対して現役世代が約1.3人で負担しなければならず、医療や介護といった社会保障の給付と負担のバランスが崩れていきます。社会保険料などの負担が増えていくことで、家計に余裕がなくなり、さらに消費が落ち込み、社会全体の経済規模が縮小していくことも予想されます。

身近な消費についても影響が出てくるでしょう。高齢になると買い物に出掛ける頻度が少なくなるため、店舗の売り上げが下がります。また、車を運転する機会も減り、郊外や幹線道路沿いの大型店舗やレストランなどを利用せず、住居から距離が近い店でしか買い物をしなくなります。

いずれは大型店舗の撤退など、地域の経済危機を招くことになりかねません。さらに、地域の小売業が縮小することで、流通機能や交通インフラが弱体化し、日常の買い物が困難な状況になる消費者が増加します。

高齢化が進むと、老人ホームの入所待ちも増えてしまうでしょう。介護職の人材不足を感じている施設の割合は、63.0%と多い状況です。[注3]
介護スタッフが不足すると、十分なサービスを提供できません。高齢者を受け入れる体制が整わず、入所を断っているケースもあるようです。

[注3]公益財団法人 介護労働安定センター:令和3年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査 結果報告書 P55

 

高齢者になる前に考えておきたいこと

高齢者になる前に、自分の希望することやどのような高齢期を過ごしたいのかを考えておくことが大切です。たとえば、介護が必要となったとき、配偶者も高齢者のため介護できなかったり、家族が遠方に住んでいるため日常的なサポートを受けられなかったりするケースもあるでしょう。

家族だけで介護をすることが難しい場合は、老人ホームなどを利用する必要があります。ただ、老人ホームを利用したいと思っても、すぐに入所できないケースもあるでしょう。

老人ホームといっても、さまざまな種類があり、入居するための条件はそれぞれ異なります。さらに入居手続きに必要な書類を準備したり、入居前の面談や審査があったりするため、すぐには利用できません。一時的とはいえ、老人ホームへの入居前には家族で介護することになるケースも多いでしょう。

高齢者を迎える前に自分の希望や意思として、老人ホームを利用したいのか、自宅で過ごしたいのか、家族はどのような形でサポートできるのか、金銭的な負担はどうするのかなど、家族と話し合っておくとよいでしょう。

利用できる公的サービスにはどのようなものがあるのかを調べておくことも大切です。基本的に公的サービスは、利用者が申請しないと受けることができません。高齢者になる前に、社会福祉や年金などの制度や相談先を確認し、必要なときがきたら利用できるようにしましょう。

 

 

【まとめ】自分らしい高齢期を送るには高齢者になる前の準備が大切!

今回は、高齢者についての現状や問題などについて紹介しました。高齢者といっても、まだまだ活発な人も多いでしょう。まだまだ元気に働きたい、いろいろなところに旅行に行きたい、ほかの人と交流しながら老人ホームで過ごしたいなど、自分の想いをもっている人もいるかもしれません。

高齢者を迎える前に、自分の想いを家族と共有し、将来に向けての準備をすることで、自分らしい高齢期を迎えることができるでしょう。

老人ホームでの生活を検討しているなら、「あなたらしく」に相談して施設を探してみるのがおすすめです。多くの施設のなかから、自分に合った生活の場が見つかるでしょう。

 

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