デイケアは通所リハビリテーションとも呼ばれる介護保険サービスです。
デイサービスとは異なり、デイケアでは専門的なリハビリを軸にしたサポートが提供されます。
本記事では、「デイケアのサービス内容や利用条件」について解説します。
また、デイケアを選んで利用するメリットとデメリットもご紹介しますので、十分に比較して最適なサービスを選んでみてください。
一般的なデイケアのサービス内容4種類
まずは、デイケアでどのようなサービスが受けられるのかについてみていきましょう。
リハビリ
デイケアで提供される主なサービスはリハビリです。
ケガや病気が原因で身体機能が衰えてしまった方に対しては、従来の機能を取り戻すためのリハビリが行われます。
また、健康的な状態を長く維持するために、マシーンを使ったリハビリのほか、複数人で実施する体操やトレーニング、個別に行う工作や園芸といったリハビリもあります。
食事介助
デイケアでは個々の身体状況に合わせた食事が提供されます。
糖尿病や高血圧などで食事制限がある場合も、最適な食事を用意してもらえるので安心です。
レクリエーションやイベント
デイケアではデイサービスと同じようなレクリエーションやイベントが行われます。
身体機能向上を目的とした体操や運動、認知機能の維持のためのゲームや手作業など、その内容はさまざまです。
入浴介助
浴室を完備しているデイケア施設を選べば、入浴介助を受けることも可能です。
デイケアの浴室は車椅子やストレッチャーでそのまま利用できることもあります。
ゆったりとお湯に浸かれば結構が良くなり筋肉のコリがほぐれやすくなりますし、なにより心身をリラックスさせることができます。
老人ホームの選び方に悩んでいる方はこちらの記事もチェックしてみてください。
『【一覧表あり】老人ホームの入居条件を徹底比較!』
⇒ ご参照ください。
デイケアの利用対象者
デイケアは誰もが自由に利用できるサービスというわけではありません。
利用には一定の条件が設定されているので、「必要条件を満たしているかどうか」を確認しましょう。
医師の診断を受けた方
デイケアの利用にあたっては医師の診断が必要です。
デイケアのリハビリは医師の指示のもとで行われるため、診断を受けずにリハビリのみを行うことはできません。
まずは主治医に相談するか、ケアマネジャーなどに相談して判断を仰ぎましょう。
要支援、要介護の認定を受けている方
デイケアを利用できるのは、要支援または要介護と認定された方に限られます。
一方、デイサービスは基本的に要介護1以上の方を対象としていますが、これとは異なりデイケアは要支援の方でも利用可能です。
ただし、デイケアは介護保険サービスに該当するため、要介護認定を受けていない自立の方は利用できません。
デイケアの利用を検討しているのなら、まずは地域包括支援センターや自治体の役所などに相談し、要介護認定を受けるようにしましょう。
65歳以上の方
要介護認定を受ける必要があるという特性上、デイケアを利用できるのは原則として65歳以上の方に限られます。
ただし、関節リウマチや脳血管疾患などの特定疾病を抱えている場合には、64歳以下の方でも利用が認められます。
デイケアを利用するメリット
デイケアを定期的に利用すれば、以下のようにたくさんの「メリット」を得られます。
専門的なリハビリを受けられる
デイケア施設には、理学療法士や作業療法士などの国家資格を取得した、機能訓練のスペシャリストが多数在籍しています。
リハビリの際には、利用者ごとに計画書が作成され、その内容に沿って適切なケアが提供されます。
また、リハビリに特化した専門機器も取り揃えられているので、質の高いリハビリを受けられるでしょう。
知識を持たない方が個人でリハビリをするのは難しいものですが、プロに任せれば機能回復の効果は十分に見込めます。
リハビリ中のトラブルに対応しやすい
デイケア施設にはリハビリ職員だけでなく、医師や看護師も常駐しています。
リハビリの最中に急に体調を崩したとき、なんらかの事故が起こったときにも、すぐに対応してもらえるので安心です。
病院や診療所がデイケアを併設している場合には、異変が起きた際にすぐに医療処置を受けられます。
万一の際のリスクを最小限に抑えられるのも、デイケアの魅力の一つです。
状況を定期的にチェックしてもらえる
デイケア施設では、リハビリの専門家が身体能力や日常生活能力などを総合的に評価しています。
定期的にデイケアに通うことで、どういった機能訓練ができているのか、今後どんなことをしたらいいのかといったポイントを見極めやすくなります。
リハビリの効果をしっかり評価してもらえば、より質の高いリハビリにつなげられますし、モチベーションもアップしやすくなるでしょう。
家族の介護負担が和らぐ
在宅のみで介護を続けた場合、ご家族に大きな負担がかかりがちです。
デイケアを活用すれば、家族が休息を取ったり家事や仕事に充てる時間を確保したりでき、負担が大きく和らぎます。
デイケア施設の中には、リハビリに加えて食事介助や入浴介助に対応しているところもたくさんあります。
こういった施設を選んで入居すれば、介護負担をさらに減らすことができるでしょう。
デイケアを利用するデメリット
高品質なリハビリを受けられるのがデイケアの魅力ですが、一方でデイケアの利用にはデメリットも考えられます。
ここでは、デイケアを利用する「デメリット」をみていきましょう。
すぐに利用できるわけではない
デイケアは、施設に申し込めばすぐに利用できるようなサービスではありません。
利用するにあたってはまず医師の診断を受け、診断書や指示書を作成してもらう必要があります。
この診断書や指示書の内容をもとに、リハビリが必要と判断されればデイケアの利用が可能となります。
集団リハビリの時間がなくなることがある
施設でのリハビリというと多くの方が個別リハビリをイメージすると思いますが、集団リハビリを導入しているデイケアも少なくありません。
また、マンツーマンのリハビリと集団リハビリを並行して行う施設もあります。
個別リハビリを受けたい場合には、事前にサービス内容や提供時間を確認しておくとよいでしょう。
デイサービスと比較して費用が高め
デイケアは専門的なリハビリケアが提供される分、利用費用はやや高めです。
ただし、デイサービスやデイケアの費用は、施設の滞在時間や自己負担割合などによって変わってきます。
状況によっては、リーズナブルな価格でデイケアを受けられる可能性も十分にあります。
費用面が気になる場合には、事前に問い合わせたり見積もりを取ったりしてみましょう。
設備が充実していない施設もある
質の高いリハビリ指導を受けられるのがデイケアの魅力です。
しかし、施設によって設備の充実度は異なり、中にはそれほど設備を整えていないデイケアもあります。
こういったデイケアを選んでしまうと、リハビリの質が下がってしまうこともあります。
デイケアを利用する前には、施設の状況やリハビリの充実度を詳しくチェックしましょう。
介護保険サービスや老人ホームをお探しなら「あなたらしく」をご活用ください。