デイサービス(通所介護)を提供している施設は全国各地に多数ありますが、施設によって提供しているサービスや利用料金などに違いがあります。
そのため、デイサービスを利用する際はご自分のニーズや要望に適した施設を選ぶことが大切です。
本記事では、デイサービスを選ぶときに押さえておきたいポイントや、主な種類、利用時の注意点について解説します。
デイサービスの選び方5つのポイント
デイサービスを選ぶ際、チェックしたいポイントを「5つ」ご紹介します。
施設の規模と定員数をチェック
デイサービスの規模や定員数は、施設ごとにさまざまです。
定員数が多いところは、レクリエーションの雰囲気も活発になりますし、同じ利用者同士でコミュニケーションも取りやすくなります。
他方、少人数制のところは静かでゆったりした環境の中で過ごすため、他者とのコミュニケーションや騒がしい場所は苦手という方でもリラックスできます。
このように、施設の規模や定員数によって過ごし方や環境に違いが出るので、利用者の希望や性格に適しているかどうかをあらかじめチェックしておきましょう。
利用の対象者をチェック
デイサービスは要支援1、2や要介護1~5の認定を受けた方が利用できるサービスです。
ただ、同じデイサービスでも認知症対応型やリハビリ特化型など、特定の方を対象にしたデイサービスもあります。
その場合、認知症の診断を受けた方しか利用できなかったり、要介護1以上でなければ利用不可だったりするケースもあるので、利用対象者の範囲や要件をよく確認しておきましょう。
デイサービスの主な種類について、詳しくは後述します。
施設の雰囲気をチェック
同じデイサービスを提供する施設でも、スタッフの対応の良さや施設内の清潔度、他の利用者の雰囲気などは施設ごとに大きく異なります。
相性が合わないところを選んでしまうと通所にストレスを感じてしまう可能性が高くなるので、利用者の性格なども考慮しながら、雰囲気の良いところを選ぶことが大切です。
施設の雰囲気はホームページやパンフレットを見ただけでは判断しにくいので、一度身内の方と一緒に見学に行き、施設内を見て回ったり、レクリエーションを体験したりすることをおすすめします。
施設でどのようなレクリエーションが行われているのか知りたい方は、以下のページを参考にしてください。
老人ホームでのレクリエーションの種類や効果を詳しく解説
食事やレクリエーションの内容、入浴状況をチェック
デイサービスでは食事の提供や入浴サービス、レクリエーション活動などが行われていますが、提供される食事の内容や入浴の設備、レクリエーションの内容は施設ごとに異なります。
具体的には、温かい食事を出してくれるか。
利用者の状況に合わせて食事をアレンジしてくれるか、入浴は個浴か機械浴か、などの内容をチェックしておくのがおすすめです。
デイサービスの多くは、食事・入浴・レクリエーションを一通り受けられる体験サービスを行っているので、積極的に利用してみましょう。
利用料金をチェック
デイサービスの利用料金は、利用者の要介護度やサービス内容や利用時間などによって異なります。
まずは月々のおおまかな予算を決め、その範囲内でデイサービスの候補を絞り込んでいくとよいでしょう。
なお、お昼代やおやつ代、レクリエーション代は利用料金とは別に徴収されるので要注意です。
デイサービスには多くの種類がある
デイサービスは、サービス内容や利用対象者によっていくつかの種類に区分されます。
ここでは「デイサービスの主な種類」と「それぞれの特徴」を説明します。
認知症対応型
認知症対応型とは、要支援・要介護の認定を受けており、かつ認知症と診断されている方を対象としたデイサービスです。
一般的なデイサービスに比べて定員数が少なく、職員の配置数が多いところが特徴です。
また、施設には認知症に関する知識や、認知症ケアの経験が豊富なスタッフが常駐しており、専門的なケアを受けることができます。
リハビリ特化型
リハビリ特化型は、主に介護予防を目的とした身体機能訓練や日常生活訓練に力を入れているデイサービスです。
理学療法士や柔道整復師など、機能訓練の指導に適した専門家が在駐しており、利用者一人一人の体の状態や身体能力に合わせて、個別に機能訓練を実施します。
身体機能の維持や回復に注力したい方におすすめですが、その性質上、要介護1以上でなければ利用できないという制限が設けられているところもあります。
療養型
療養型とは、サービスを提供する際に看護師による観察が必要な方を対象としたデイサービスです。
主に難病などによる重度要介護者や末期がん患者向けのサービスで、入浴介助や排泄の援助、口腔ケアの他、服薬指導や栄養管理といった医療的なケアを行っているところもあります。
趣味特化型
趣味特化型とは、利用者の趣味や嗜好に合った活動を積極的に採り入れたデイサービスのことです。
例えば、カラオケや囲碁、将棋、フラワーアレンジメント、水彩画、編み物などを利用者同士で楽しむことができます。
そのため、趣味を通してコミュニケーションを取りたい方や、生活に張りが出るような趣味を作りたいと思っている方から人気を集めています。
お泊まり型
お泊まり型は、日中にデイサービスを受けた後、そのまま施設にお泊まりするサービスです。
一時宿泊が可能な介護施設にショートステイがありますが、需要が高く、なかなか予約が取りにくい傾向にあります。
お泊まり型はそんなショートステイの代替サービスとして注目を集めています。
ただ、お泊まり型は保険の対象外となり、宿泊費用は全額自己負担となるので要注意です。
デイサービスを利用するときの注意点
デイサービスを利用するに当たって注意したいポイントを「2つ」ご紹介します。
自己負担額に注意
デイサービスの費用は、介護保険が適用されれば自己負担額を1割に抑えることができます。
実際の自己負担額は、利用者の要支援度・要介護度や利用するサービスなどによって異なりますが、介護保険が適用されるサービス利用料に関する「自己負担額は400円~1,200円程度」が目安とされています。
一方、介護保険は施設で提供される食事代やレクリエーション活動に用いた材料費、おむつ代などには適用されません。
デイサービスでこれらを利用した場合、支払いは全て自己負担となります。
こうした介護保険適用外の費用を加えると、デイサービスの1日あたりの自己負担額は1,000円~2,000円くらいが相場です。
例えば週3のペースでデイサービスを利用した場合、毎月1万2,000円~2万4,000円程度の費用がかかる計算になります。
介護保険が適用されたとしても、利用回数が増えるほど自己負担額も大きくなるので、あらかじめ月の予算と希望するサービスを決めてからデイサービスを選ぶことをおすすめします。
本人の希望・要望をよく聞いておく
デイサービスで提供されるサービスや場の雰囲気、スタッフの対応などは施設によって大きく異なります。
利用者の性格やライフスタイル、趣味や嗜好などに適した施設を選ばないと、通所にストレスを感じてしまう可能性もゼロではありません。
そのため、デイサービスを選ぶ際はまず利用者本人の希望や要望に耳を傾け、デイサービスに何を望んでいるのか、集団行動に向いているかどうかなどをしっかり確かめておきましょう。
利用者の希望やニーズに合う老人ホームをお探しの方は、ぜひ「あなたらしく」をご利用ください。