老人ホームにおける転倒防止対策について詳しく解説

2024年11月5日

老人ホームにおける転倒防止対策について詳しく解説

老人ホームで生活する高齢者はときに、ちょっとしたことで転倒してしまいます。

 

転倒はケガや骨折といったトラブルにつながるほか、転倒後症候群が引き起こされることもあるので注意が必要です。

 

この記事では、「高齢者が転倒しやすい理由」について詳しく考えていきます。

 

また、転倒事故を防止するための対策についても解説しますので、ぜひチェックしてみてください。

 

 

高齢者が転倒しやすい理由

高齢者が転倒しやすい理由
 
老人ホームでは入居者の転倒事故がたびたび起きてしまいます。

 

まずは、なぜ高齢者が転倒しやすいのかについてみていきましょう。

 

筋力の低下

 
高齢になるにつれて筋力が衰えてしまう方は少なくありません。

 

加齢によって筋力が下がると、歩くときに足を思うように動かせなくなったり、足が上がりにくくなったりします。

 

そうなると、歩行の際の足運びのバランスが崩れやすくなり、転倒のリスクが上がってしまうのです。

 

身体状態の悪化

 
身体症状の悪化が転倒を引き起こすこともあります。

 

例えば、起立性低血圧の方は立ち上がったときにめまいや立ちくらみが起きやすいため、急に動こうとすると崩れるように転倒してしまいます。

 

また、不整脈によってめまいが起き、転倒してしまう方も少なくありません。

 

視力が低下したり視野が狭くなったりするといった体の変化も、転倒のリスクを高めてしまいます。

 

認知症の症状を抱えている方は、自身の身体機能の状態を十分に理解できないまま歩いて転倒してしまうことがあります。

 

服薬の影響

 
老人ホームで生活する高齢者は、疾患の治療のために薬を飲むことも多いでしょう。

 

しかし、服薬後にはめまいやふらつきといった症状が起きることもあるため、十分な注意が必要です。

 

とはいえ、ふらつきやめまいが起きるからと自己判断で服薬をやめてしまうのはNGです。

 

服薬の影響が気になる場合には、医師や薬剤師に相談しましょう。

 

見守り不足

 
多くの老人ホームでは、転倒事故を防ぐための見守りやサポートが行われます。

 

しかし、スタッフの人員数が足りていない施設では、見守りの目が行き届きにくくなってしまいがちです。

 

特に、夜間や早朝にはスタッフの数が少なくなるため、転倒事故のリスクも高まりやすくなります。

 

生活環境の問題

 
高齢者が頻繁に転倒してしまう場合、生活環境に問題が生じている可能性があります。

 

たとえわずかな段差であっても、足が上がりにくい高齢者にとっては大きな障害となってしまいます。

 

また、通路や階段に手すりがないために、体を支えられず転倒してしまうこともあるでしょう。

 

ほかに、床が滑りやすかったり、ベッドへの乗り降りが難しかったりといった要因でも転倒が起こってしまいます。

 

老人ホームにおける転倒防止対策

老人ホームにおける転倒防止対策
 
老人ホームでは、高齢者の転倒を防止するためにさまざまな対策を講じています。

 

ここからは、「転倒事故の予防策」について詳しくみていきましょう。

 

見守りを強化する

 
高齢者の転倒事故が起きる原因の1つに、施設スタッフの見守り不足が挙げられます。

 

老人ホームによってはスタッフの人数が足りていないため、夜間などに十分な見守りができていないケースもあります。

 

転倒を防ぎながら快適に生活するためにも、スタッフを適切に配置している老人ホームを選ぶようにしましょう

 

環境を整える

 
老人ホームの生活環境を整えることは、転倒事故の防止につながります。

 

階段などの段差がある場所に手すりを設置したりスロープを作り付けたりといったバリアフリー対策は特に効果的です。

 

また、引っかかりそうな場所に荷物やコードがないか、床が滑りやすくなっていないかといったポイントをこまめに確認している施設も多いものです。

 

入居者の身体状態を把握する

 
老人ホームのスタッフは、入居者の身体の状態や行動パターンなどをしっかりと把握しています。

 

特に、歩行が安定せず見守りが必要な方は転倒リスクが高いため、丁寧なサポートを徹底しています。

 

また老人ホームでは、認知症を抱える方の見守りも欠かせません。

 

老人ホームでは、スタッフ間で情報を共有するなど工夫して転倒防止に努めています。

 

転倒防止のマットを敷く

 
床が滑りやすくなっているときには転倒防止マットが導入されることもあります。

 

最近では、医療や介護の現場で働く方の目線で開発された、歩きやすく滑りにくい高品質なマットが増えてきました。

 

歩行が安定しやすく、さらに転倒したときには衝撃を吸収してくれるようなマットを導入すれば、ケガを防止することが可能となります。

 

システムを活用する

 
最近では、入居者の事故を防止するためにコンピュータシステムを導入する老人ホームも増えてきました。

 

遠隔の見守りカメラがあれば、入居者の危険動作を察知したり見守ったりすることが可能です。

 

中には、転倒などのトラブルが起きたときにスタッフに自動で通知が届くようになっている便利なシステムもあります。

 

事故が起きたときに状況や原因を確かめられるのも、システム活用のメリットです。

 

高齢者の体調管理について詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。

 

「老人ホームの風邪予防対策は?ポイントを徹底解説」
⇒  ご参照ください。

 

転倒を防止するために自分でできること

転倒を防止するために自分でできること
 
転倒事故を経験したあと、転倒後症候群と呼ばれる症状に悩まされる高齢者は少なくありません。

 

転倒後症候群とは、転倒がきっかけで歩行に不安や恐怖を抱えてしまうことをいいます。

 

こうなってしまうと生活の質が大きく低下してしまうおそれもあるので十分な注意が必要です。

 

ここからは、「自身でできる転倒防止策」について紹介します。

 

食事で骨や筋肉を強化する

 
高齢になるにしたがって、骨や筋肉はどんどん衰えていきます。

 

体が衰えると転倒のリスクも高まってしまうため、意識的な対策は必須です。

 

食事の内容を工夫すれば、骨や筋肉を強化することも十分可能となります。

 

特に、カルシウムやビタミンD、ビタミンKなどは体に良い影響を与えてくれるので、積極的に摂取しましょう。

 

これらの栄養素は、牛乳やチーズなどの乳製品、緑黄色野菜やきのこ類、魚介類などに多く含まれています。

 

栄養バランスに配慮した食事を提供している老人ホームを選ぶと良いでしょう。

 

トレーニングを続ける

 
毎日のトレーニングやリハビリも転倒防止に効果的です。

 

ウォーキングやストレッチといった簡単な運動であっても、日々の習慣として続けていけば十分な効果を得られます。

 

転倒事故を防ぐために、背伸び運動や立ち座り、筋力トレーニングなどのリハビリを積極的に実施している老人ホームもあります。

 

ただし、急に過度な運動をするとかえってケガをしてしまうおそれがあるので、まずは適度な運動から始めてみましょう。

 

医師に相談する

 
ふらつきやめまいが頻繁に起こる場合には、医師に相談するのがおすすめです。

 

症状を放置していると、急なふらつきやめまいによって転倒してしまうこともあるので十分気を付けましょう。

 

医師に診察してもらい、適切な治療や対処を受ければ、転倒事故のリスクを大きく下げられます。

 

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