特別養護老人ホームの多床室の特徴やメリット・デメリットを紹介

2024年9月30日

特別養護老人ホームの多床室の特徴やメリット・デメリットを紹介

特別養護老人ホームに入居すると、施設内に設けられた居室で日常生活を送ることになります。

 

多くの方は、老人ホームの個室というと、プライバシーが確保された1人専用の個別の部屋をイメージするかもしれません。

 

しかしながら、比較的手頃な月額費用で利用できる多床室を選択するのも、実は賢明な選択肢の一つと言えるでしょう。

 

本記事では、「特別養護老人ホームにおける多床室」とは具体的にどのようなものなのか、その「特徴や利点」、そして「注意点」について詳しく解説していきます。

 

多床室の実態を知ることで、ご自身やご家族にとって最適な選択ができるよう、必要な情報をお伝えしていきます。

 

 

特別養護老人ホームの多床室の特徴

特別養護老人ホームの多床室の特徴
 
特別養護老人ホームの多床室とは、定員が2名以上の居室を指します。

 

多くの特別養護老人ホームでは、1部屋に4つのベッドを置いた4人部屋のスタイルが一般的です。

 

多床室は古くからあるスタイルの居室で、病院の病室の雰囲気によく似ています。

 

居室は廊下に面しており、食堂や共用スペース、トイレやバスルームなどは別の場所にあります。

 

また当然ながら、男女の居住空間は分けられているため、同室には同性の入居者のみが居住することになります。

 

多床室にはそれぞれの入居者のベッドの他、荷物類を置くサイドボードなどが用意されています。

 

最近では、ベッドを個別に仕切るカーテンなどが完備されるケースも増えてきました。

 

特別養護老人ホームについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。

 

特別養護老人ホームには多床室以外の居室もある

特別養護老人ホームには多床室以外の居室もある
 
特別養護老人ホームの居室には多床室以外にも、従来型個室やユニット型個室、ユニット型個室的多床室などの種類があります。

 

ここからは、それぞれの居室スタイルの特徴についてチェックしていきましょう。

 

従来型個室

 
従来型個室とは、個々の入居者のスペースが完全に区切られている一人部屋のことです。

 

最近では、ユニット型個室を完備する特別養護老人ホームが増加傾向にあることから、ユニット型と区別するため、一般的な個室のことを従来型と呼んでいます。

 

従来型個室は壁面が完全に区切られており、プライバシーがしっかりと確保できます。

 

それぞれの部屋は廊下に面しているため、共用スペースへの移動もしやすいでしょう。

 

ユニット型個室

 
ユニット型個室とは、リビングルームなどの共用スペースをぐるりと取り囲むように個室を配置するスタイルです。

 

1つのユニットは9人ほどに設定されており、ユニットケアと呼ばれる介護サポートが提供されます。

 

ユニット型個室では、プライベートがしっかりと守られ、かつ個室に隣接しているリビングスペースでは入居者同士の交流も楽しめます。

 

完全プライベート空間と共用スペースの両方をバランスよく活用すれば、自宅で過ごすのと同じような感覚で生活できるでしょう。

 

ユニット型個室的多床室

 
ユニット型個室的多床室とは、もともと多床室だった居室を壁やパーテーションで区切ったタイプで、かつては準個室とも呼ばれていました。

 

それぞれの居住スペースは簡易的に区切られているものの、完全な個室にはなっていません。

 

そのため、このスタイルの床室では、ある程度のプライバシーは確保されるものの、隣の部屋の生活音が気になってしまう可能性は十分に考えられます。

 

なお、ユニット型個室的多床室はユニット型個室と同じように、居室の前に共用スペースが用意されています。

 

特別養護老人ホームの多床室を選ぶメリット

特別養護老人ホームの多床室を選ぶメリット
 
特別養護老人ホームの居室には多床室や従来型個室、ユニット型個室などさまざまなスタイルがあり、どれを選ぶべきかと悩む方もいると思います。

 

ここからは、多床室という選択肢のメリットについて考えていきましょう。

 

費用が安い

 
特別養護老人ホームの多床室を選ぶ大きなメリットはやはり、費用がリーズナブルという点にあります。

 

多床室は1つの空間で複数人の入居者のケアを行えるため、介護の効率がアップしやすくなります。

 

つまり、効率の良い介護が提供できる分、かかる費用も安く設定できるのです。

 

また、多床室は個室と比較して水道光熱費や空調費も安くなるのが一般的です。

 

老人ホームを利用するにあたって費用面が気になるという場合には、利用費が安い多床室を選択肢に入れるのも良さそうです。

 

孤独を感じにくい

 
自宅を離れて老人ホームで生活する中で、寂しさや孤立感を抱える方は少なくありません。

 

特に、個室の老人ホームを選んでしまうと、他の人とのコミュニケーションの機会が減り、孤独感が強まってしまう恐れがあります。

 

しかし、多床室であれば複数人が1つの部屋で生活しているので、寂しさを感じにくいでしょう

 

老人ホームへの入居後に人との交流を楽しみたい方や孤立を避けたい方は、多床室のある施設を探してみましょう。

 

迅速な対応を受けられる

 
老人ホームで生活するにあたって気になるポイントの1つに急変時の対応が挙げられます。

 

個室を選んだ場合、室内で体調が急変したときに、スタッフに気づいてもらえない可能性があります。

 

しかし多床室であれば、異変があったときには同室の入居者が知らせてくれるので安心です。

 

入居者が認知症を抱えているケースでも、不審な動きがあれば他の入居者がすぐにスタッフを呼ぶなどの方法で対応できます。

 

特別養護老人ホームの多床室にはデメリットもある?

特別養護老人ホームの多床室にはデメリットもある?
 

特別養護老人ホームの多床室を選ぶことにはいくつものメリットがありますが、一方で以下のようなデメリットも考えられます。

 

人間関係のストレスを抱える可能性がある

 
普段から人々とのコミュニケーションを楽しむタイプの方であれば、多床室での生活が特に苦痛になる心配はさほどないでしょう。

 

しかし、人付き合いが得意ではない方や、プライバシーを重視する傾向にある方にとっては、多床室での日常生活が大きなストレス要因となる可能性が高いと言えます。

 

特に、同室の方々との良好な人間関係を築くことができなかった場合には、居心地の悪さや不快感を日々感じることになるかもしれません。

 

そのため、自分の性格や生活スタイルをよく考慮した上で、入居する居室スタイルを選択することが重要です。

 

プライバシーを確保しにくい

 
多床室は、複数の入居者が同じ空間で生活を共にするという形態であるため、個人のプライバシーを十分に確保することが難しい環境であると言えます。

 

他の入居者の日常的な生活音や存在感が気になり、落ち着いて過ごすことが困難になる場合もあるかもしれません。

 

例えば、夜間に発生する物音や他の入居者のいびきなどが気になることで、十分な睡眠が取れず、眠りが浅くなってしまう可能性も考えられます。

 

さらに、おむつ交換や汚物の処理といった介護行為を他の入居者に目撃される恐れもあり、これは精神的な負担となる可能性があります。

 

これらの理由から、個人的な空間の確保を重視したい方や、静かな環境での生活を望む方にとっては、多床室ではなく個室を選択することをおすすめします。

 

個室であれば、よりプライベートな空間を確保でき、自分のペースで生活を送れるでしょう。

 

特別養護老人ホームをお探しの方は、「あなたらしく」をぜひご利用ください。

 

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