ただ、老人ホームへの入居後には、衣類の洗濯はどのように対処すればよいのでしょうか?
洗濯の方法は施設ごとに異なっているため、入居前にルールを確認しておきましょう。
今回の記事では、「老人ホームでの洗濯」について詳しくご紹介します。
老人ホームでは洗濯をしてもらえる?
老人ホームでは介護や介助だけでなく、洗濯をはじめとした生活サポートも受けられます。
生活サポートには入浴や排泄などさまざまな種類があり、ここには洗濯や掃除といった家事のサポートも含まれています。
汚れてしまった衣服をそのままにすると不衛生ですし、感染症の危険性も高まってしまうでしょう。
清潔で気持ちの良い毎日を過ごすためにも、洗濯物はこまめに洗濯に出すことが大切です。
老人ホームでは、洗濯におけるトラブルを防いで効率良く作業をするため、洗濯しやすい衣類の着用を推奨することがほとんどです。
デリケートな素材の衣服は洗濯がしにくく、破れやほつれなどのトラブルが起きるケースもあるのでできるだけ着用を避けましょう。
また、洗濯物の紛失を防ぐために、すべての衣類に名前を書いておくことも大切なポイントです。
洗濯を施設側に任せる場合の料金は、施設の基本的なサービス料に含まれているのが一般的です。
しかし、中には洗濯の料金が追加で発生する施設もあるため、事前に料金体系を確認しておきましょう。
他には、老人ホームでは感染対策も重要です。
詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
「老人ホームにおける感染症対策の重要性や事例について詳しく紹介」
⇒ ご参照ください。
老人ホームにおける洗濯物の対応方法
洗濯に関するルールは施設ごとに異なり、すべてを施設に任せられることもあれば入居者やご家族が洗濯をしなければならないこともあります。
老人ホームにおける洗濯の対応は大きく、以下の「5パターン」に分けられます。
老人ホーム選びで失敗しないためにも、事前に施設の洗濯ルールを詳しくチェックしておきましょう。
老人ホームの施設内で洗濯する
多くの老人ホームは、日常生活や日々の家事に負担を感じる方を対象としています。
そのため、老人ホームへの入居後には日常生活を支える生活サポートや家事サポートを受けられるのが一般的です。
つまり、食事や入浴の介助だけでなく、洗濯をはじめとした家事のサポートも老人ホームのサービスに含まれているのです。
小規模や中規模の老人ホームの多くは、施設内に洗濯機を設置しています。
施設のケアスタッフは、入居者の洗濯物を預かって施設内で洗濯し、乾かしたあとにたたんで入居者の居室に戻すまで行うのが一般的です。
洗濯サービスで洗ってもらえるものは衣服だけでなく、寝具類やタオル類など、日常的に必要なあらゆる布製品に及びます。
多くの場合、施設では洗濯のあとに乾燥機を使って洗濯物を乾かします。
デリケートな衣類は乾燥機で縮んだり傷ついたりすることがあるので、乾燥機で乾かしても問題がないような素材の衣類を選んで身につけるのがおすすめです。
外部業者に洗濯を委託する
中規模または大規模の老人ホームでは、スタッフの負担を和らげて業務の効率をアップさせるために、洗濯を外部の業者に依頼するケースがあります。
入居者の人数が多い老人ホームの場合、すべての洗濯物を手作業で洗濯するとかなりの手間がかかってしまいます。
洗濯を外部委託すれば、衣類の洗いだけでなく乾燥やアイロンがけ、たたむ作業などもすべて専門業者に任せられるのでとても効率的です。
また、洗濯の専門業者に依頼すれば、汚れがひどい衣類やデリケートな衣類も適切に洗濯してもらえます。
施設内での洗濯と外注を組み合わせる
施設内での洗濯と外注業者による洗濯を組み合わせている老人ホームもあります。
例えばトイレの失敗で汚れてしまった衣服はすぐに洗う必要があるため、施設内で対応したほうが効率的です。
一方で、ドライクリーニングが必要な衣類は専門業者に外注すればよりキレイに仕上げてもらえます。
預かった洗濯物の一部を施設内で洗い、残りを洗濯業者に外注するという形式にすれば、洗濯の効率やクオリティが高まりやすくなるのです。
入居者自身が洗濯する
自立支援や介護予防を目的として、老人ホームの入居者が自ら洗濯をするケースもあります。
入居者が自分で衣服を洗濯するのは、介護度が低く自分で身の回りのことができる場合に限られます。
例えばグループホームやサービス付き高齢者向け住宅のような施設なら、日常的な家事の動作ができる人が自ら洗濯を担当することがよくあります。
要介護度が高くなるとできなくなることが増えるため、できるうちに洗濯をはじめとしたさまざまな日常動作をしたいと考える方は少なくありません。
また、洗濯自体はスタッフが担い、洗濯物をたたむ作業を入居者が協力しながら行うようにしている老人ホームもあります。
日々の洗濯を自身の仕事とすることで、身体機能や認知機能の向上・維持につなげられる可能性は十分に考えられます。
他にも、入居者やスタッフと協力しながら洗濯の作業をすれば、コミュニケーションの機会が生まれやすくなるでしょう。
ご家族が持ち帰って洗濯する
老人ホームでは基本的に、施設内で洗濯のサービスを受けることが可能です。
しかし中には、面会の際にご家族が洗濯物を持ち帰り、洗って次の面会の際に持ってくるケースもあります。
また、限られたサービスのみを提供しているような老人ホームの場合、お部屋に洗濯機を持ち込んで自身で洗濯をしなければならないことがあります。
洗濯機を持ち込まない場合には、ご家族が都度洗濯を担う必要があるでしょう。
他にも、入居者が衣類の扱いに神経質になっているときや、特定の洗剤を使いたいなどのこだわりがあるときには、ご家族が洗濯を担当したほうがよいかもしれません。
ご家族に洗濯をしてもらうことで、入居者は家庭の温かさや家族のつながりを感じやすくなります。
精神的な安定感につなげるために、あえて家族が洗濯を担当するケースもあります。
ご家族が洗濯するときの頻度やポイント
入居者のご家族が洗濯をする場合には、定期的に施設に足を運び、洗い上がった衣類を届けたり洗濯物を回収したりする必要があります。
汚れた洗濯物を居室に放置してしまうと異臭やカビの原因になってしまいます。
特に、排泄や食べこぼしの汚れがついてしまった衣類を長時間そのままにするのは不衛生なので、できれば週2~3回くらいの頻度で洗濯物を取りに行ったほうがよいでしょう。
洗濯物の汚れがひどいときや、長時間置きっぱなしにしてしまいニオイが発生してしまったときには、除菌効果や消臭効果の高い洗剤を使って洗濯するのがおすすめです。
また、ご家族が洗濯を担えば衣類の紛失などのトラブルを回避でき、入居者のストレスを減らせます。
施設に洗濯を任せるのと比較し、料金を節約できる可能性も考えられます。
ご家族に余裕があるのなら、洗濯をその都度持ち帰り、自宅で洗って届けるのもよいかもしれません。
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