「老人ホームに入所した後には帰宅できない」と考える方もいるかもしれません。
しかし、特別な事情がある場合を除けば、老人ホーム入所後の一時帰宅は認められることがほとんどです。
そこでこの記事では、「老人ホームの入居者が一時帰宅するタイミング」についてご紹介します。
また、一時帰宅の流れやポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
老人ホームから一時帰宅することは可能?
老人ホームに入所した後はずっと外出ができないということはなく、必要に応じて一時帰宅することが可能です。
老人ホームでは基本的に、高齢者の尊厳を大切にすることを重視しています。
そのため、外出が制限されるケースは少ないようです。
実際に、家族が在宅している長期休暇の期間や年末年始、お盆休みなどの時期を選んで一時帰宅をする方は多くいます。
また、一時帰宅を申請し、旅行やレジャーに出かけるのもステキな時間になるでしょう。
「ときには自宅で過ごしたい」「家族のイベントごとを楽しみたい」といった場合には、一時帰宅を検討してみましょう。
一時帰宅で普段と異なる時間を過ごすのが、高齢者にとってよい刺激になることもあります。
家族や友人との会話は脳の活性化につながりますし、屋外を歩けば運動機能の維持や向上効果も期待できるでしょう。
特段の事情がない限り、一時帰宅の申請は問題なく認められますが、日常的に高度な医療ケアが必要な場合や認知機能に問題がある場合などには、一時帰宅ができないこともあります。
また、一時帰宅をするにあたって付き添える方がいない場合にも、施設からの許可が下りないことがある点に注意しましょう。
一時帰宅を希望する際にはあらかじめ施設に相談し、問題ないかを確認しておくのがおすすめです。
老人ホームでは外出が認められないケースもあります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
「老人ホームは外出禁止?外出できないケースを詳しく紹介」
⇒ ご参照ください。
一時帰宅するタイミング
老人ホームに入居している方は、どのような事情で一時帰宅をしているのでしょうか。
ここからは、一時帰宅のタイミングについて見ていきましょう。
年末年始やお盆、長期休暇のタイミング
年末年始やお盆には「家族一緒に過ごしたい」という思いから、一時帰宅を選ぶ方が多くいます。
また、家族が在宅でケアできる長期休暇のタイミングで一時帰宅するケースも多いようです。
そのため、年末年始やお盆の一時帰宅を待ち遠しく感じながら日々を過ごしている入居者もいるでしょう。
とはいえ、年末年始の時期はかなり寒く、逆にお盆の時期はかなり暑くなります。
一時帰宅の前後は健康管理を徹底するなど、心身のバランスに十分配慮することが重要です。
家族旅行や家族のイベントに参加するとき
家族旅行や親族との旅行は、高齢者にとってまたとない思い出作りの機会となります。
また、ときには気分転換のために家族でレジャーに出かけたり、イベントに参加したりするのもおすすめです。
その他、法事や法要、身内の結婚式、家族にとって欠かせないイベントなどへの参加のために一時帰宅をするケースも考えられます。
旅行やレジャーに出かけるにあたって長距離の移動が発生する場合には、体調に十分配慮しましょう。
バスや電車といった公共交通機関での移動が難しい場合には、自家用車や介護タクシーの利用をおすすめします。
また、移動中や移動先でリラックスできるよう配慮したり、無理のないスケジュールを組んだりすることも大切なポイントです。
高齢者本人の負担がなるべく軽くなるよう、工夫しましょう。
自宅を恋しく感じたときや寂しさを感じたとき
老人ホームへの入居後には手厚いケアを受けられますし、生活リズムも整いやすくなります。
それでも、入居後に老人ホームでの生活に負担を感じたり、寂しさを抱えたりする方は少なくありません。
特に、認知症の症状を抱える方は帰宅願望を持つことがよくあるため、十分に配慮したいものです。
面会のタイミングで「家に帰りたい」と言われた場合に、すぐに一時帰宅を選ぶのが最良とは限りません。
リラックスできる環境を整えたり施設での生活に興味を持たせたりすることで、帰宅願望が和らぐ可能性は十分考えられます。
このような対応をしても帰りたがる場合には、一時的に自宅で過ごせるよう環境を整えるのも一つの方法です。
しかし、一時帰宅を選択した結果、その後、老人ホームに戻ることを嫌がる可能性も考えられます。
入居者が一時帰宅したがるときには施設のスタッフと相談し、適切に対処することが肝心です。
一時帰宅するときの流れ
一時帰宅にあたっては、スケジュールの調整や施設への申請など、必要な準備がいくつもあります。
ここからは、「一時帰宅の流れ」について詳しく見ていきましょう。
家族でしっかりと相談する
老人ホームからの一時帰宅するときには、あらかじめ家族で相談をしておきましょう。
例えば家族の長期休暇に合わせて一時帰宅をするのなら、入居者とその家族の間で早めに日程を共有しておくのがおすすめです。
お盆や年末年始、法事などのタイミング、旅行などの予定についても、早めにスケジュールを確認しておきましょう。
日程の調整に加えて、自宅や外出先での介護ケアやサポートについても相談しておいた方がよいでしょう。
誰が付き添うのか、どのようなケアをするのかを事前に確認しておけば、一時帰宅中にトラブルが起きても対処しやすくなります。
無理のないスケジュールを立てる
一時帰宅の予定を立てるときには、無理のないスケジュールを組むことが大切です。
高齢者にとって環境の変化や生活リズムの変化は大きなストレスになります。
一時帰宅の際に普段と違う生活リズムを強いたり、長距離を移動したりすると、疲れから心身のバランスを崩してしまうかもしれません。
特に、要介護度が高い方の一時帰宅では、生活環境や生活リズムがなるべく変わらないよう十分に配慮したスケジュールを立てたいものです。
医療体制を確認する
医療ケアや看護ケアが必要な方が一時帰宅するときには、医療体制をしっかり確認しておきましょう。
一時帰宅で環境が変わったことで体調を崩したり、予想外のトラブルが起きたりするケースは十分考えられます。
このような場合に備え、自宅周辺や外泊先周辺の医療機関を前もってチェックしておくことがポイントです。
また、普段飲んでいる薬を忘れずに持参し、正しいタイミングで服用することも重要です。
早いタイミングで申請を済ませておく
一時帰宅の予定が固まったら、早めに施設への申請をしておきましょう。
一時帰宅をするときには、施設スタッフが常備薬など持ち物の準備をしたり、健康状態のチェックをしたりすることがあります。
また、食事の有無や介護ケアの有無なども早めに把握しておけば、一時帰宅中もスムーズに対応しやすいです。
施設によっては、直前の外出申請を認めていないこともあります。
施設側に負担をかけないためにも、一時帰宅のスケジュールを早めに伝えておきましょう。
外泊の可・不可については、入居前に確認しておくことも大切です。
入居老人ホームを比較して選ぼうとお考えの方は、「あなたらしく」をぜひご活用ください。