老人ホームへの入居後には、自由な外出が制限されるイメージがあるかもしれません。
病院などでは治療のために外出が制限されることがありますが、老人ホームでは散歩などの気軽な外出が許可されるケースは多いものです。
とはいえ、散歩や買い物などで出かける際には、いくつか気を付けたいポイントが考えられます。
そこでこの記事では、「老人ホーム入居者の散歩」について詳しく解説していきます。
老人ホームでは散歩に出かけることは可能?
老人ホームへの入居後にも、ときには気晴らしのために居室を出て外を歩きたいと思うこともあるでしょう。
老人ホームの外出ルールは施設ごとに異なっているため、すべての施設で散歩が許可されるとは限りません。
とはいえ、お元気な方であればほとんどの場合、散歩などの軽い外出は推奨されるケースがほとんどです。
太陽光を浴びながらの散歩はとても気持ちが良いものですし、体を軽く動かせば良い運動になります。
都市部の老人ホームは敷地の広さが限られていることが多く、外を歩く機会が減ってしまうケースもあるかもしれません。
こういった場合には、安全面に注意しながら老人ホームの外をゆっくり散歩してみましょう。
もちろん、敷地面積が広く自然豊かな老人ホームであれば、敷地内を散歩することも十分可能です。
老人ホームには外出できないケースもあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「老人ホームは外出禁止?外出できないケースを詳しく紹介」
⇒ ご参照ください。
散歩することによる効果
屋外を歩く行為には、心身の健康につながるさまざまな効果があります。
ここからは、散歩に出かけることで得られる「効果」や散歩の「メリット」について解説します。
ストレス発散や気分転換になる
ストレスを溜め込みやすい方や日々の生活の中で気分がふさぎやすい方には、屋外での散歩がおすすめです。
太陽光を浴びて、風を感じながら外を歩けば自然と気分も晴れやかになります。
日光を浴びると、人の脳内にはセロトニンと呼ばれる物質が増えやすくなり、これが精神の安定につながるとされています。
ストレスを発散して明るく健康的な日々を過ごすためにも、ぜひ外を散歩してみましょう。
体力維持や運動能力向上が見込める
人の体力は年齢とともに低下していくものですが、日々の生活に軽い運動を取り入れれば、体力をキープすることも十分可能です。
体力維持のため、老人ホームへの入居後に散歩を欠かさないようにしている方も多いものです。
散歩を通じて軽い運動を継続すれば、老人ホームへの入居後にも若々しさをキープしやすくなります。
また、外を歩いて足を鍛えることによって、運動能力の維持だけでなく向上も見込めます。
認知症の予防になる
室内にこもりがちになったり寝たきりになったりすると、認知症の症状も進行しやすくなります。
逆に言えば、屋外に出てしっかりと体を動かせば、認知症の症状は和らぎやすくなるのです。
外を散歩して体を動かすと脳に適度な刺激が及び、脳の老化が起きにくくなります。
よく歩く人ほど認知症の発症率が低いといわれているので、ぜひ積極的に散歩をして認知症予防につなげましょう。
疾患の予防につながる
年齢を重ねる中で気になる疾患が増えたという方もいると思います。
高血圧や高血糖、膝や腰の疾患、心肺機能の低下といったお悩みを抱えているのなら、軽い散歩を日々の生活に取り入れてみましょう。
散歩は有酸素運動なので、じっくりと歩けば、血流の改善や心肺機能の向上効果が見込めます。
散歩はハードな運動とは異なり、膝や腰に負担がかかる可能性も低いため、体をいたわりながら適度な刺激を与えられるのも魅力的です。
散歩を通じて体を動かせば、疾患の改善や予防につながりやすくなります。
睡眠の質がアップしやすくなる
夜あまり眠れない方や睡眠の質が悪いと感じている方にも、日々の散歩がおすすめです。
軽い運動をした日の夜はぐっすり眠れるという方は少なくありません。
ウォーキングなどの軽い運動を習慣付ければ、不眠の症状も改善しやすくなるといわれます。
ただし、激しい運動をするとかえって寝つきが悪くなることもあるので注意が必要です。
睡眠の質を高めるためにも、軽めの散歩を習慣化するのがおすすめです。
老人ホームから散歩に出るときの注意点
老人ホームから散歩に出かけるのはとても充実したひとときですが、散歩の際には気を付けたいポイントがいくつかあります。
安心して楽しく散歩を楽しむためにも、以下のような「注意点」を押さえておきましょう。
外出のルールを守る
老人ホームではそれぞれ、入居者の外出に関するルールを設けています。
特に、散歩などの外出の際には出入りのチェックをするスタッフに声をかけたり、外出申請をしたりするのを忘れないようにしましょう。
勝手に外出をしてしまうと、入居者がどこへ出かけたのかを施設側で把握できず、混乱させてしまうケースがあります。
また、外出先でトラブルがあった場合にもすぐに対応できないなど、リスクが高まってしまいます。
安心して楽しく散歩に出かけるためにも、必ずスタッフに声掛けをしましょう。
体に負担がかからないよう心がける
適度な散歩をすればリフレッシュできて、体を動かす良い機会にもなります。
しかし、屋外でハードな運動をしたり遠くまでウォーキングしたりすると、体に過度な負担がかかってしまうかもしれません。
遠くまで出かけて運動をした後、疲れが溜まって帰れないようなことになっては大変です。
快適に散歩を楽しむためにも、外に出かける際には決して無理をしないよう心がけましょう。
食事がいらない場合には申し出る
散歩に出かけたついでに外で昼食を食べたり、友人とともに外食の時間を過ごしたりすることもあると思います。
こういった場合には、施設で用意される昼食がいらない旨を前もって伝えておきましょう。
食事の要否を伝えなかった場合、食事の準備がされてしまい、一食分が無駄になってしまう可能性があります。
また、施設スタッフを困らせてしまう可能性もあるので、必ず事前に申し出ることが大切です。
安全性に配慮する
散歩やウォーキングをするのなら、安全が確認できる場所を選びましょう。
車の通りの少ない場所や整備されている場所、急な坂や段差がない場所などであれば、快適に散歩できます。
散歩の際には動きやすい服装を選び、スニーカーやウォーキングシューズを履いて出かけましょう
また、天気の急変が予想されるときや雨風などが強い日、夕方以降の時間などには無理に出かけないことも重要なポイントです。
スタッフに付き添いを頼むのは難しい
体の不自由な方は、散歩に出かける際にスタッフに付き添いを頼みたいこともあると思います。
一部の老人ホームではスタッフの付き添いが可能ですが、付き添いを制限されるケースも少なくありません。
特に、施設スタッフの人数が十分でない場合には、付き添いを断られてしまう可能性が高いでしょう。
こういった場合には、ご家族を呼び出して付き添ってもらうなどの工夫が必要です。
自分らしく過ごせる老人ホームを探すなら、「あなたらしく」を活用するのがおすすめです。