老人ホームは何歳から入居が可能?平均年齢やタイミングを解説

2023年7月1日

老人ホームは何歳から入居が可能?平均年齢やタイミングを解説

老人ホームへの入居を考えるうえで、何歳から入居できるのか、老人ホームを検討したり入居したりするタイミングはいつ頃がよいのかと漠然とした疑問を抱える方も少なくありません。

本記事では、老人ホームへの入居を検討するタイミングと理由を具体的なデータをもとに解説します。

 

老人ホームは何歳から入居が可能?

老人ホームは何歳から入居が可能?

多くの老人ホームでは、入居可能な年齢を60歳以上、または65歳以上としています。ただし、以下のとおり施設の種類によって入居可能な年齢は異なるため注意しましょう。

介護保険サービスが適用される年齢である「65歳以上」を基準としている施設が多いのですが、要介護認定を受けていると65歳未満であっても入居できることがあります。

実際、60~65歳以上の入居者が多いのですが年齢以外の条件もあるため、一般的な入居可能年齢を把握したうえで施設に直接確認するとよいでしょう。

<原則、60歳以上が入居可能な施設」>

  • 軽費老人ホーム(A・B型)
  • 老人保健施設

 

<原則、65歳以上が入居可能な施設」>

  • 軽費老人ホーム(C型)
  • 特別養護老人ホーム
  • 養護老人ホーム
  • グループホーム
  • 有料老人ホーム

 

老人ホームに入居するときの平均年齢

老人ホームに入居するときの平均年齢

老人ホームに入居する平均年齢は、80歳前後です。厚生労働省の資料「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて」によると、入居者の年齢は80代がもっとも多く、5割以上を占めています。[注1]

また、国土交通省の資料「高齢者の住まいに関する現状と施策の動向」(令和4年)によると、令和元年度の有料老人ホーム入居者の80代は6割以上というデータもあり、80代の入居者の割合はかなり高い状況です。[注2]

老人ホームへの入居の目的は人それぞれで、一般的に介護が必要になってから入居を考える人が多いのですが、セカンドライフを楽しみたいという理由で入居する場合は、60~70歳前後の比較的若い時期に入居を決める傾向にあります。

入居可能年齢を満たしていても、入居したい施設の入居者平均年齢と自分の年齢がかけ離れていると、入居後に理想の生活ができないこともあります。気になる場合は、入居したい施設の利用者平均年齢も確認しておきましょう。

 

[注1]厚生労働省:介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて P35
[注2]国土交通省:高齢者の住まいに関する現状と施策の動向 P17

老人ホームへの入居を考えるタイミング

老人ホームへの入居を考えるタイミング

老人ホームへの入居を考えるタイミングは、なるべく早い段階がおすすめです。一般的なタイミングとしては、パートナーが亡くなったとき、退院したものの自宅での生活が難しくなったとき、家族による自宅での介護が難しくなったときなどが挙げられます。

ここでは、早いタイミングで老人ホームへの入居を考えるべき理由を解説します。

 

施設選びには時間と体力が必要

施設選びには、かなりの時間がかかります。施設の見学に約1時間以上、見学から入居までに数ヵ月、体験入居も含めるとさらに期間が必要です。1日に何件も回るとなると、体力も消耗します。

もし家族と一緒に行動する場合は、タイミングが合う日程を選ばなくてはなりませんので、期間に余裕をもつことも大切です。

また、よい施設を選ぶために複数の施設を比較検討すればするほど、時間と体力を要します。

すぐに入居するつもりでなくても、相談や見学ができる施設もありますので、知識を得るためにも元気なうちに比較だけでもしておくとよいでしょう。

 

判断力があるうちに選ぶ

年齢を重ねるにつれて、体力だけではなく、判断力も弱ってきます。65歳以上から認知度の低下が認められるケースもありますので、正確な判断ができるうちから入居したい老人ホームを探したり、家族と話し合ったりしておくとよいでしょう。

契約する場合、重要事項が書かれた説明書の内容を、きちんと理解したうえで判断する力も必要です。計画的な経済プランも立てなければなりませんので、頭が働くうちに入居したい老人ホームを絞って確認事項をしっかり把握し、金銭面の準備もしておきましょう。

 

健康寿命を迎えるのは70代

近年「健康寿命」という言葉がよく聞かれるようになりました。健康寿命とは、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間のことです。健康寿命から平均寿命までの間は日常生活に支障がある「健康ではない=自分一人では生活できない」期間を意味します。

厚生労働省が発表している「健康寿命の令和元年値について」の男女別の健康寿命と平均寿命は以下のとおりです。[注3]

<健康寿命>
男性:72.68歳
女性:75.38歳

<平均寿命>
男性:81.41歳
女性:87.45歳

男女差はあるものの、健康寿命から平均寿命まで約10年の差があることがわかります。この10年間、ひとりで生活するのが困難なケースも多いでしょう。

60代のうちから入居する施設を比較検討したうえで、70代を迎えるあたりから入居するなど、ライフプランと経済状況に合わせて老後に備えておきましょう。

 

[注3]厚生労働省:健康寿命の令和元年値について P3

要介護認定者数は75歳以上から増加傾向

厚生労働省の「令和2年度 介護保険事業状況報告(年報)」によると、年齢別の要介護認定者数は以下のとおりです。[注4]

年齢 認定者総数
(要介護1〜5)
65歳以上70歳未満 15万5,000人
70歳以上75歳未満 36万2,000人
75歳以上80歳未満 55万7,000人
80歳以上85歳未満 93万6,000人
85歳以上90歳未満 129万1,000人

 

一概に年齢だけで決めるのは難しいのですが、一般的に要介護認定を受けるのは75歳以上から増加傾向にあることがわかります。つまり、「元気なうち」というのは「75歳まで」ともいえるでしょう。いつ何が起こってもよいように、備えをしておく心構えは必要です。

 

[注4]厚生労働省:令和2年度 介護保険事業状況報告(年報)

人口の推移で競争率が激しくなる

日本の65歳~84歳の人口は2025年にピークとなり、以降は減少していくといわれています。一方、85歳以上の人口は2060年まで増加していく見通しです。

平均寿命は年々上がっていますので、要介護者の人数もますます増えていくでしょう。老人ホームの増加も予想されますが、子育て世代の減少にともない介護する側の人員不足も視野に入れると、満足に老後を暮らせる施設は早めに見極めておくことが大切です。

いざというときに競争率が激しく入居が難しいということにもなりかねません。入居したいタイミングですぐに対応できるよう、下調べは早めにしておくのが賢明です。

 

【まとめ】老人ホームへの入居は早めに検討しよう!

今回は、老人ホームへの入居は何歳から可能なのか、また入居を考えるべきタイミングについて解説しました。元気なうちから老人ホームでのライフスタイルを楽しむことで、家事の手間が減ったり、趣味や好きなことに時間を効率的に使ったりできるというメリットがあります。

一方、入居自体が早いと生涯でかかる経費が高くなったり、介護度が重くなると退去しなくてはならない施設もあったりとデメリットもありますので、何が最適かは個人差があります。何を目的に老人ホームに入居するのかをベースに、ぜひ自分に合ったライフプランを検討してみてください。

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