健康で豊かな老後生活を送るには、早い段階から老人ホーム選びを始めることが大切です。老人ホームのなかには、一般的な施設よりも設備や住環境が充実した「高級老人ホーム」があります。
高級老人ホームには、どのような特徴があるのでしょうか。また、費用面を比較した場合、一般的な老人ホームとどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、高級老人ホームの特徴や気になる費用の違いをわかりやすく解説します。
高級老人ホームとは?通常よりもハイグレードな老人ホームのこと
老人ホームには、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの民間施設から、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設などの公的施設まで、さまざまな種類があります。
一般的な傾向として、民間企業が運営する老人ホームのほうが、公的施設よりも設備や住環境が充実している傾向があります。
民間の老人ホームのなかでも、とくにハイグレードなものが「高級老人ホーム」です。高級老人ホームは、東京や大阪などの大都市や、郊外のリゾート地、高級住宅街などに建っており、まるで高級ホテルに滞在しているかのようなサービスを利用できます。
高級老人ホームの主な顧客は、経営者や医師、士業などの富裕層です。しかし、最近はしっかりと資金計画を立て、あこがれの高級老人ホームに入居する人も増えてきました。
高級老人ホームといっても、「なにが高級か」は施設によって異なります。高級老人ホームの特徴を知り、自分に合った施設を選ぶことが大切です。
高級老人ホームの6つの特徴
高級老人ホームと呼ばれる施設には、以下の6つの特徴があります。
- 立地環境が良好
- 建物の外観や内装が豪華
- 共用設備が充実
- 有名ホテルやレストランが監修した食事
- 豊富なイベントやレクリエーション
- 安心安全の医療・介護体制
高級老人ホームは、一般的な老人ホームよりも外観や設備のグレードが高く、高級ホテルに滞在しているような気分を味わえるのが特徴です。
1. 立地環境が良好
ほとんどの高級老人ホームは、東京や大阪などの大都市に建てられています。入居者の家族が来訪しやすいよう、ターミナル駅のそばの一等地に建てられた施設も多く、交通アクセスがよいのが特徴です。また、付近に商業施設が多いため、入居者の身の回り品や嗜好品を揃えやすいというメリットもあります。
高級老人ホームによっては、あえて都心から離れたリゾート地や別荘地、閑静な高級住宅街などに施設を構えているケースもあります。こうした高級老人ホームでは、都会の喧騒を離れて、ゆったりとした老後生活を送ることが可能です。利便性か住みやすさか、希望に合った住まいを選べるのも高級老人ホームの強みのひとつです。
2. 建物の外観や内装が豪華
高級老人ホームの特徴は、外装や内装のグレードが高い点にあります。一流の建築家やインテリアデザイナーと協力し、高級ホテルのように上品な空間を演出している施設がほとんどです。部屋の間取りも広く、豪華な家具やインテリアに囲まれて、豊かな老後生活を送ることができます。
また、バリアフリーが徹底されているのも、高級老人ホームの特徴です。看護師や介護士によるケアを受けやすい空間づくりがされており、健康維持や機能向上の点でも配慮があります。
3. 共用設備が充実
温泉やジャグジー、プール、フィットネスクラブ、カラオケルーム、シアタールーム、ダンスホール、図書館、理美容室など、高級老人ホームの共用設備は非常に充実しています。施設によって共用設備に特色があるため、老人ホーム選びの際に比較してみましょう。
4. 有名ホテルやレストランが監修した食事
高級老人ホームは食事面でも充実しており、季節に合わせてさまざまなグルメを堪能できます。有名ホテルやレストランが食事メニューを監修している施設も多く、食にこだわりたい人は高級老人ホームがおすすめです。もちろん、ほとんどの施設に管理栄養士などの専門家が在籍しており、栄養バランスも配慮されています。
5. 豊富なイベントやレクリエーション
老後も趣味を楽しみたい人は、高級老人ホームへの入所を検討してみましょう。施設によって異なりますが、高級老人ホームではヨガやフィットネス、生け花やフラワーアレンジメント、囲碁や将棋、麻雀、ゲートボールやグランドゴルフなど、さまざまなレクリエーションを楽しめます。施設によっては、外部からプロの講師を招き、カルチャースクールを実施しているケースもあります。
6. 安心安全の医療・介護体制
一般的な老人ホームと違って、高級老人ホームでは24時間体制の医療・介護サービスを提供しています。また、看護師や介護士の人数も多く、質の高いケアを受けることが可能です。理学療法士が常駐している施設なら、ホーム内で高度な機能訓練やリハビリテーションを受けることもできます。
高級老人ホームと一般的な老人ホームの費用の違い
費用面で比較すると、高級老人ホームと一般的な老人ホームにはどのような違いがあるのでしょうか。老人ホームの利用料金は、入居時に支払う「入居一時金」と、毎月のサービスの対価として支払う「月額利用料」の2種類に分けられます。
一般的な老人ホームの利用料金の相場は、以下の表のとおりです。
施設の種類 | 入居一時金 | 月額利用料 | |
民間施設
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介護付き有料老人ホーム | 0~600万円 | 15~30万円 |
住宅型有料老人ホーム | 0~20万円 | 10~15万円 | |
サービス付き高齢者向け住宅 | 0~20万円 | 10~20万円 | |
グループホーム | 0~15万円 | 10~15万円 | |
公的施設
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ケアハウス | 0~30万円 | 10~15万円 |
特別養護老人ホーム | なし | 10~15万円 | |
介護老人保健施設 | なし | 10~15万円 | |
介護療養型医療施設 | なし | 10~15万円 |
※老人ホームによって利用料金が異なるため、必ず施設のホームページを確認してください。
一般的には、公的施設よりも民間施設のほうが、老人ホームの利用料金が高くなります。とくに本格的な介護サービスやリハビリテーションを受けられる介護付き有料老人ホームの場合、入居一時金の相場は0~600万円、月額利用料の相場は15~30万円です。
一方、高級老人ホームの場合、入居一時金が数千万~1億万円、月額利用料が20~50万円くらいの価格帯の施設を指すことが一般的です。
入居一時金は非常に高額ですが、ほとんどの施設では入居期間が終了する前に退去した場合、入居一時金の一部を返還する仕組みがあります。とはいえ、高級老人ホームに入居するには、かなりの費用負担が発生します。あこがれの高級老人ホームで老後生活を送りたい場合は、早い段階から老後資金を貯めておくのがおすすめです。
【まとめ】高級老人ホームの特徴を知り、「あなたらしく」で入居の検討を
高級老人ホームとは、民間企業が運営する老人ホームのなかでも、とくに利用料金が高額な施設を指す言葉です。入居一時金や月額利用料の負担が大きい代わり、施設の外観や設備、食事のメニュー、医療・介護サービスのグレードが高く、快適な老後生活を送ることができるのが特徴です。将来、高級老人ホームに入居したい人は、早い段階から老後資金の準備を進めておきましょう。
近くの高級老人ホームを探したい場合や、老人ホームの入居一時金や月額利用料を知りたい人は、「あなたらしく」を活用しましょう。