老人ホームは、希望した方すべてが即時に入居できるというわけではありません。
入居の申し込みの際には審査があり、施設側の基準に合致していないときには、審査落ちという形で入居を断られることもあるのです。
そこで本記事では、老人ホームの入居審査基準についてご紹介いたします。
また、審査に落ちたときに考えられる理由や、入居するための対処法についても解説します。
老人ホームの審査基準
老人ホームに入居の申し込みをしたあとには、施設のスタッフと入居希望者との間で面談を実施します。
面談にあたり、書類の提出も求められます。
施設側は面談や書類の内容を元に、老人ホームへの入居が可能か否かを判断するのです。
老人ホームの入居審査に通らないのは珍しいことではありません。
入居条件に合っていないときには、どんなに入居を熱望していても審査に落とされてしまいます。
入居審査で主にチェックされるのは入居希望者本人の「要介護度」です。
また、年齢や必要な医療行為、収入や資産といった項目もチェックポイントとなります。
老人ホームでは、入居した方が安心して暮らせるような環境の構築に力を入れています。
入居希望者のケアが十分にできないと考えられるときや、ほかの入居者にストレスや負担をかけるおそれがあるときは、入居を断られてしまうのです。
なぜ落ちる?老人ホームの審査に落ちる理由
老人ホームの審査に落ちたときに考えられる主な理由としては、以下の「5つ」が挙げられます。
- 要介護度などの条件が合っていない
- 金銭面の問題がある
- 医療行為に対応していない
- 問題を起こすおそれがある
- 保証人がいない
それぞれチェックしていきましょう。
1. 要介護度などの条件が合っていない
多くの老人ホームでは、入居条件として年齢や要介護度、健康状態の基準を設けています。
その中でも、要介護度が高い方が優先的に入居できるよう配慮している施設がほとんどです。
要介護度が低い方は入居が後回しになってしまうか、そもそも入居を断られてしまうことになります。
老人ホームの入居審査を受ける際には、入居条件に合致しているかを確認しておくとよいでしょう。
2. 金銭面の問題がある
老人ホームへの申し込み時には、資産状況をチェックされるのが一般的です。
設備が充実しており快適に過ごせる老人ホームやサービスのいい老人ホームは、サービス料が高めに設定される傾向にあります。
また、要介護度が高くサポートの必要性が高い方も、施設の利用料が高額になります。
まとまった費用がかかる施設に入居したにもかかわらず、あとあと支払いができなくなった場合、やむなく退去を選択しなければなりません。
そのため老人ホームの審査では、支払い能力があるかをあらかじめ細かくチェックしているのです。
3. 医療行為に対応していない
日常的な医療行為を必要としている方は、介護施設では対応できないため審査に落ちてしまうことがあります。
ほとんどの老人ホームは主に介護や介助、生活支援を提供しており、医療ケアを行うことは想定されていません。
しかし、人工呼吸器の管理や透析、インスリン注射や胃ろうの経管栄養など、医療行為が必要な高齢者もいます。
こういった医療行為を必要とする方は、医師や看護師が常駐している施設や医療行為が提供されている施設を選ぶ必要があります。
医療行為を提供していない老人ホームに対して医療行為を求めた場合、審査に落ちてしまうこともあるので気をつけましょう。
医療行為が必要な場合には、医師や看護師が配置されている老人ホームを選びましょう。
「介護老人保健施設」や「介護医療院」といった施設を選べば、介護と医療両方のケアを受けることができます。
4. 問題を起こすおそれがある
問題行動を起こすと予想されるケースや、別の老人ホームで問題を起こしたケースでも、入居審査に落ちることがあります。
問題行動とは暴言や暴力、人のものを盗むなど、大きなトラブルにつながる言動のことです。
老人ホームは多くの高齢者が寝食をともにする共同生活の場です。
問題を起こす入居者がいると、スタッフに大きな負担がかかり、ほかの入居者にストレスを与えることになってしまいます。
こういった理由から、問題行動がみられる場合には入居審査に通らない可能性が高まります。
5. 保証人がいない
老人ホームに入居する際には保証人や身元引受人を家族などに引き受けてもらう必要があります。
保証人や身元引受人がいない場合、施設への入居を断られてしまう可能性も考えられます。
老人ホームの運営者やスタッフは、入居後のケアや治療、緊急時の対応、利用料の支払いなどに対応しなければなりません。
入居後にトラブルが起きたときや支払いが滞ったときなど、老人ホーム側の対処だけではどうにもならない状況下では、保証人や身元引受人に連絡して適切な対処を進めることになります。
保証人や身元引受人がいない場合にはトラブルに対応できなくなるリスクが高まるため、受け入れを断られやすくなります。
とはいえ、保証人や身元引受人になってくれるような家族を持たない高齢者は、施設に入れないというわけではありません。
「身元引受人代行サービス」や「成年後見人制度」を利用すれば、施設の審査に通る可能性は高まります。
老人ホームの審査に落ちたときの対応方法
老人ホームの審査に落ちたときに「どの老人ホームにも入れてもらえないのでは」と心配する方もいるかもしれません。
しかし、老人ホームへの入居審査に落ちてしまっても諦める必要はまったくないので心配は不要です。
老人ホームへの入居を断られたときには、できれば「審査落ちの理由」を確認しましょう。
どのようなポイントを満たしていないのかを把握しておくことは、条件に合う老人ホームを探す上で重要です。
審査に通らなかった理由が改善可能なものであれば、改善ののちにあらためて申し込みをし直すなどの対処ができるかもしれません。
どうしても審査条件に合致しないときには、受け入れ可能な老人ホームを新たに探してみましょう。>
例えば、医療行為が必要な方であれば、医師が常駐する老人ホームを選んで申し込むのがおすすめです。
費用面の条件が合わず審査落ちしてしまったときには、よりリーズナブルな費用で入居できる老人ホームを探してみましょう。
【まとめ】老人ホームの審査に落ちても入居を諦める必要はない!
老人ホームに入居を申し込んだものの、審査に落ちてしまったという経験のある方は意外と多いものです。
1つの施設に断られたからといって、老人ホームへの入居自体を諦めてしまう必要はまったくありません。
近隣の老人ホームを探せば、入居条件に合う老人ホームはきっと見つけられます。
周囲の人に相談したりウェブ検索を活用したりと工夫し、自分に合った老人ホームを探してみましょう。
条件に合う老人ホームを探す場合は、ぜひ「あなたらしく」を活用してみてください。