老人ホームへの入居を希望しても、すぐに入ることができるとは限りません。
近年では老人ホームの需要が急速に高まっていることから、多くの施設で入居待ちが発生しています。
そこで今回は、老人ホーム申し込みで入居待ちと言われたときの「対処法」について解説していきます。
老人ホームの入所待ちはどのくらい?
老人ホームに空きがある場合には、申し込みをすればすぐに入居することが可能です。
しかし、申し込みの際に担当者から「入居待ちの状態です」、「空室が出たらご連絡します」と伝えられるケースは少なくありません。
老人ホームが定員いっぱいの状態になっているときには、たとえ強く入居を希望していてもすぐに入ることはできないのです。
老人ホームへの入居までの待ち時間は状況によって異なります。
数週間待てば入居できるケースがある一方、入居までに数カ月、あるいは1年以上待たされるケースもあります。
老人ホームの需要が高い都市部では、入所できるまでに3年間、4年間という膨大な時間がかかってしまう可能性も考えられます。
特に入居待ちの時間がかかりやすい老人ホームとは?
老人ホームによって入居待ちの長さは異なりますが、特に入居までの時間がかかりやすいのは特別養護老人ホームです。
特別養護老人ホームは年金支給額の範囲内など、比較的低予算で入居できる老人ホームです。
また、入居にかかわる手続きもそれほど難しくないため、多くの方が入居を希望しています。
特別養護老人ホームは一度入居すると長期にわたって利用を続ける方が多いため、空きが出にくいという事情もあります。
さらに、特別養護老人ホームへの入居は申し込み順ではなく、要介護度や介護者の有無など入居の優先度によって決まります。
介護が特に必要と思われる方から入居できるシステムになっているため、優先度が低い方はかなり待たされる傾向にあるのです。
日本国内では数十万人の方が特別養護老人ホームへの入居を待っていると言われます。
他に、介護付き有料老人ホームも待機人数が多い傾向にあります。
こういった老人ホームへの入居を希望するのなら、早めに申し込みを済ませておいた方が良さそうです。
老人ホームで入所待ちと言われたときの対処方法
老人ホームに申し込んでから入居できるまでの待機期間をどのように過ごしたらよいのかと悩む方は少なくないと思います。
入居待ちの期間を乗り切る方法は以下のようにいくつも考えられます。
在宅で介護をする
老人ホームに空きが出るまでの間、家族で在宅介護を続けるのも1つの選択肢です。
ただし、家族の介護には大きな負担がかかることがあるため、できるだけ無理のない方法で介護を行いましょう。
訪問看護や通所介護などの介護サービスを利用すれば、在宅介護の負担は大きく和らぎます。
訪問介護とは、ヘルパーステーションなどのスタッフが自宅を訪問し、介護のサービスを提供することを言います。
訪問看護では看護やリハビリの他、入浴などのサービスを受けられることもあります。
また、デイサービスのような通所系サービスの利用も、介護の負担を和らげる良い方法です。
通所看護や通所リハビリテーションの事業所では、介護サービスに加えて送迎サービスも実施しています。
介護を負担なく続けていくためにも、ぜひ訪問看護や通所介護のサービスを積極的に活用しましょう。
ショートステイを利用する
必要に応じてショートステイを利用しながら入居待ちの時間を過ごす方法も考えられます。
ショートステイとは、介護施設に短期間宿泊できるサービスのことです。
1日から30日の間で宿泊サービスを利用できるため、家族の負担は大きく和らぎます。
ただし、ショートステイの利用は最大30日となっており、この期間を過ぎたら最低でも1日は自宅で過ごさなければなりません。
ショートステイを30日使い、1日は自宅で過ごし、またショートステイを利用するという繰り返しで老人ホームへの入居待ちの時間を乗り切っている方もいます。
地域包括支援センターに相談する
老人ホームにすぐに入ることができずお困りなら、地域包括支援センターに相談してみましょう。
地域包括支援センターは高齢者をサポートしてくれる総合相談窓口です。
各地域に配置されているセンターには、保健師や社会福祉士、ケアマネジャーなどの専門家が在籍しています。
介護に詳しい専門家に相談すれば、必要なケアプランを作成してもらったり、介護予防サービスを紹介してもらったりといったサポートを受けられます。
別のエリアの老人ホームを検討する
特別養護老人ホームは入居待ちが発生しやすいと言われますが、地域によってはほとんど入居待ちが発生していないこともあります。
待機者が少ないエリアの老人ホームに申し込みをすれば、早い段階で入居できるかもしれません。
ただし、遠方の老人ホームを選んでしまうと、住み慣れた地域を離れることになってしまいます。
慣れない環境に置かれることで、大きな負担やストレスを抱えてしまう高齢者もいるものなので、注意が必要です。
他の老人ホームを探す
他の老人ホームを探す場合でも、希望する老人ホームがあるのなら入居待ちの状態をキープしてきましょう。
希望する老人ホームの入居待ちをしている間、他の老人ホームに一時入居する方もいます。
入居待ちの短期間だけ有料老人ホームなどの民間施設を利用するのは珍しいことではありません。
有料老人ホームはサービスが細かく、老後の生活が充実しやすいという良さがあります。
また、幅広い介護度合いに対応してもらえるなど多くのメリットがあるので、上手に活用してみましょう。
他の老人ホームを探す方法とは?
老人ホームの入居待ち期間には、すぐに利用できる別の老人ホームを探すのもよいでしょう。
老人ホームの種類はいくつもあるので、まずはどのようなサービスがあるのかを把握することから始めましょう。
入りたい老人ホームの種類を決めれば、老人ホーム探しがしやすくなります。
老人ホーム探しにあたっては、「地域包括支援センター」や「老人ホーム紹介センター」などを利用するのが効果的です。
また、最近ではインターネットを使って情報収集を行う方も増えてきました。
老人ホームのウェブサイトをチェックしたりポータルサイトで検索したりすれば、入りたい老人ホームが見つかりやすくなります。
気になる老人ホームが見つかったら、問い合わせをしたりパンフレットを取り寄せたりするのがおすすめです。
施設の見学などにも足を運び、良し悪しを見極めた上で申し込みに進みましょう。
【まとめ】老人ホームの入居待ちの期間を上手に乗り切ろう!
老人ホームへの入居を希望している方にとって、入居待ちは大きな壁となってしまいます。
まずは入居の申し込みをし、待機期間には在宅介護をしたり別の老人ホームを利用したりと工夫しながら乗り切りましょう。
入居待ちの期間に別の老人ホームを積極的に探せば、介護の選択肢を増やすことができるかもしれません。
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