老人ホームを利用するにあたって、入居者の男女比が気になる方もいると思います。
男女比が半々であれば、男性も女性もそれほど気にせず日々の生活を過ごせるかもしれませんが、実際は女性の比率が高めになることがほとんどです。
この記事では、「老人ホームの男女比」について詳しく解説していきます。
老人ホームの男女比はどのくらい?
老人ホームごとに男女比は異なりますが、ほとんどの老人ホームでは男性入居者よりも女性入居者の方が多い傾向にあります。
多くの場合、老人ホームの男女比は「2:8から3:7くらい」です。[注1]
女性の比率が多くなる理由として、女性の方が平均寿命が長い点が挙げられます。
家で夫を看取った後に、1人になった女性が入居するケースも少なくありません。
老人ホームに入らずに家での生活を選ぶ男性もいます。
人にお世話をしてもらうことに抵抗がある、集団生活を敬遠するといった理由で老人ホームを利用しない男性もいるため、老人ホームでは相対的に女性の比率が上がりやすくなります。
[注1]厚生労働省「参考表 老人保健施設の入(在)所者と特別養護老人ホームの入所者の比較」
老人ホームでは男性は過ごしにくい?
老人ホームの男女比に偏りがある場合、男性は「馴染めないのでは?」「肩身が狭いのでは?」と尻込みしてしまうかもしれません。
しかし、男女比が偏っているからと男性の居心地が悪くなることはほとんどありません。
老人ホームではそれぞれの高齢者が自分のペースで生活しています。
食事とレクリエーション以外の時間には1人で過ごす時間も長いので、周囲の方をそれほど気にせず過ごせるでしょう。
老人ホームでの生活が長い方は、性別関係なくそれぞれに仲のよい相手を見つけて、楽しく交流しています。
老人ホームで過ごすにあたって、性別差はそれほど気にしなくてもよいかもしれません。
男性入居者が多い老人ホームもある
中には、男性入居者の比率が高い老人ホームもあります。
こういった老人ホームでは、男性入居者を増やす意識的な取り組みをしている場合もあります。
例えば、ガーデニングや農作業に力を入れている老人ホームでは、力があり作業に慣れている男性の手が欲しいものです。
男性にとってもやりがいを感じられる作業が多い老人ホームには、男性入居者が集まりやすいです。
また、スポーツのレクリエーションなど体を動かす機会が多い老人ホームにも男性入居者が集まります。
他に、囲碁や将棋など男性からの人気を集めやすいレクリエーションを積極的に導入している施設でも、男性入居者が増えやすい傾向にあります。
男性目線に立った取り組みを行っている老人ホームを選べば、快適で楽しい生活を送れそうです。
老人ホームの男女比の調べ方は?
老人ホームを選ぶにあたって男女比が気になる方は、事前に調べておきましょう。
ここからは、入居前に男女比を調べる方法を「4つ」紹介します。
重要事項説明書を確認する
重要事項説明書とは、老人ホームの料金や設備、職員の配置について記載された書類です。
重要事項説明書には、最近入居した高齢者の人数に加えて、男女比についても記載されています。
重要事項説明書は、公的施設や民間施設など老人ホームの種類に関係なく、全ての施設に作成が義務づけられている書類です。
パンフレット請求や見学の際には、重要事項説明書を受け取って内容を詳しくチェックしましょう。
ウェブサイトや口コミを見る
ウェブサイトや口コミを見るのもよいでしょう。
老人ホームの公式サイトに男女比や入居者の人数が記されていることもあります。
また、老人ホームの口コミサイト、老人ホーム選びのポータルサイトを見てみるのもよいかもしれません。
直接問い合わせる
男女比について、老人ホームに直接問い合わせてみるのも方法の一つです。
入居者を募集している老人ホームでは、入居を検討している方の質問に対して丁寧に答えてくれます。
入居者の男女比に加えて、平均年齢なども質問しておけば、おおまかな雰囲気を把握できるでしょう。
見学をする
施設の見学を通して男女比を把握する方法も考えられます。
入居前に施設見学をするときには、男女比がどれくらいなのかを実際に見て確かめておきましょう。
スタッフや入居者と話をする機会があれば、男女比はどれくらいなのか、雰囲気なども合わせて詳しく聞き出してみるのもおすすめです。
また、男性の入居者が普段どのように過ごしているかを確認するのもよいでしょう。
見学だけでなく、体験入居ができる老人ホームもあります。
入居前に体験を行えば、老人ホームの雰囲気をより深く知ることができます。
老人ホームの男女比以外の比較ポイント
老人ホームを選ぶときには男女比の他にもさまざまな情報を集めておきましょう。
ここからは、男女比以外で重視したい「比較ポイント」を紹介します。
入居者の人数
トータルの入居者が何人くらいいるのかはぜひ知っておきたいポイントです。
また、介護度ごとの人数についても把握しておきましょう。
自身と同じくらいの介護度の方が多ければ、交流がしやすいかもしれません。
逆に、介護度が離れている方が多いと、話し相手が少なくなるおそれがあります。
職員の人数
職種別の職員人数も事前に確認しておきたいポイントです。
入居後のサポート体制をイメージできます。
職員の人数が少ない場合、十分なケアが受けられない可能性が考えられるため、注意が必要です。
また、資格を持つ職員、夜勤対応の職員が少なく、サポートが行き届かない例もあります。
介護職員に加え、「看護職員」や「機能訓練指導員」の人数などを細かく確認しておきましょう。
入居者の年齢
入居者の年齢層についても事前に知っておきたいポイントです。
高齢者の中でも世代が違うと、話しが合いにくい可能性は十分に考えられます。
年齢層の近い方が集まる老人ホームの方が、自然と仲良くなりやすいかもしれません。
長く交流できる仲間を見つけるためにも、入居者の年齢について事前に把握しておきましょう。
レクリエーションの内容
老人ホームでどのようなレクリエーションが提供されているのかも確認しておきたいポイントです。
参加しやすいレクリエーションが多い老人ホームを選べば、周囲の方と自然に馴染みながら楽しい毎日を過ごせます。
また、好みの活動ができるサークルや同好会を用意する老人ホームもあります。
同じ趣味の仲間を見つけたい方は、ぜひサークルや同好会をチェックしてみましょう。
共有スペースの広さ
共有スペースの広さを確認するのもポイントの一つです。
老人ホームには、1人で過ごせるパーソナルスペースに加えて、他の方と過ごす共有スペースもあります。
共有スペースでは、入居者同士で話しをして楽しむこともできます。
気分転換しながら快適に生活するためにも、共有スペースに十分な広さがあるかをチェックしておきましょう。
【まとめ】老人ホームへの入居前に男女比などさまざまな情報を集めておこう
老人ホームの男女比は一般的に、女性の方が多くなります。
とはいえ、老人ホームで男性が肩身の狭い思いをする心配はほとんどありません。
老人ホームを選ぶときには、男女比に加えてトータルの入居者数、職員数などを事前に調べておきましょう。
自身に合った老人ホームを選べば、年代や趣味の近いかけがえのない仲間ができるかもしれません。
老人ホーム探しの際には、ぜひ「あなたらしく」を活用してみてください。