老人ホームではいろいろなサービスが提供されていますが、「具体的にどんなサービスを受けられるの?」「自宅での生活と何が違うの?」と不安や疑問を抱えている方は少なくありません。
いざ入所した時に困ることのないよう、ホームでの生活で受けられるサービスの内容や、施設で利用できる設備などをあらかじめチェックしておきましょう。
今回は老人ホームで受けられるサービスや利用できる設備、1日の生活の流れをまとめました。
老人ホーム生活で受けられるサービス内容
老人ホーム生活で受けられる主なサービスは、大きく分けて「6つ」あります。
1. 介護サービス
スタッフが入居者の食事や洗濯、清掃を支援したり、排泄や入浴等の身体介護を行ったりするサービスです。
身体機能の維持や改善を目的とした機能訓練や、レクリエーション、サークル活動などのサービスを提供するところもあります。
老人ホームの中でも、介護付き有料老人ホームと呼ばれる施設では介護士が常駐しており、必要な時にすぐ介護サービスを受けられる体制が整っています。
一方、住宅型有料老人ホームと呼ばれる施設には介護スタッフが在籍していないため、介護サービスを利用する場合は外部の事業所から介護スタッフを派遣してもらう仕組みになっています。
ホームによっては、訪問介護事業所やデイサービスなどの関連施設が併設されているところもあり、すぐに介護を受けやすい環境が整っています。
2. 医療
「有料老人ホーム」では、近隣の医療機関と提携し、入居者の健康維持を目的とした定期検診や健康診断などのサービスを提供しています。
緊急時にも対応しているため、急に体調が悪くなったり、病気にかかったりしても速やかに医療ケアを受けることができます。
また、外部の医療機関を受診している場合は、スタッフが病院まで付き添ってくれるので、一人で病院へ行くのが不安な方も安心です。
中にはクリニックが併設されている老人ホームもあり、より手厚い医療サービスを期待できます。
3. リハビリテーション
身体機能に難のある人を対象に、リハビリテーションを行うサービスです。
機能訓練に力を入れている老人ホームでは、多彩な筋力トレーニングマシンなどを常備しているところもあります。
特に介護付有料老人ホームの場合、機能訓練指導員を1名以上配置しなければならないというルールがあるため、リハビリテーションの設備も整っているケースが多いようです。
逆にそれ以外の老人ホームでは、マッサージベッドや平行棒といった簡易的な設備のみを採り入れているところが多いようです。
4. 食事
老人ホームでは「1日3食」の食事が提供されます。
健康を維持するため、栄養バランスを考えたメニューが提供されており、1日に必要な栄養をきちんと補うことができます。
糖尿病や高血圧など持病がある方には、カロリーや塩分を制限したメニューにするなど、入居者一人ひとりの健康状態や事情に合った食事を提供してくれるところが特徴です。
高齢のため咀嚼や嚥下機能が衰えている方には、ゼリーや茶碗蒸しといったのどごしの良いものを提供するなどの配慮もあります。
一人で食事を摂ることができない方には、スタッフが食事の支援を行うなどのサービスもあります。
5. レクリエーション
レクリエーションとは、自由時間に娯楽として行われる活動のことです。
老人ホームにおけるレクリエーションには、生活にメリハリをつけたり、認知機能や身体機能を活性化させたりする目的があります。
また、レクリエーションは集団で行うものなので、入居者にとって大事なコミュニケーションの場にもなっています。
レクリエーションの内容はさまざまで、折り紙などを使って工作することもあれば、簡単な計算ゲームを楽しんだり、カラオケで歌ったりすることもあります。
レクリエーションは日替わりで行われることも多く、スタッフが工夫して多種多様な活動を企画します。
6. 入浴
老人ホームには入浴設備が備わっており、入居者は施設内でお風呂に入ることができます。
自立して生活できる方を受け入れている老人ホームでは、広々とした大浴場や温泉を設けているところもあるようです。
介護付有料老人ホームの場合は、寝たきりの方や車いすを利用している方でも入浴できる機械浴の設備が導入されています。
老人ホーム生活で利用できる設備
老人ホーム生活で利用できる設備は、施設によって異なります。
たとえば介護付有料老人ホームの場合、介護度が重くなっても生活できるよう、充実した設備が揃っています。
居室には介護用のベッドやクローゼット、タンスなどが備え付けられており、個室の場合はさらに洗面台やトイレなども設置されています。
共用スペースには、食堂や洗濯室、機能訓練室、浴室・脱衣室、レクリエーションルームなどがあります。
複数の入居者が共同生活を送るグループホームでは、ユニットごとにキッチンや洗濯室などが設置されており、入居者が自分たちで家事を行える仕様になっています。
また、老人ホームによっては、入居者がより充実した生活を送れるよう、娯楽設備に力を入れているところもあります。
たとえば、囲碁や麻雀などを楽しめるプレイルーム、映画を視聴できるシアタールーム、カラオケを歌えるカラオケルームなどです。
ジムやプールなどが併設されている老人ホームもあり、より快適な暮らしを送るための工夫が施されています。
利用したい設備がある場合は、事前に老人ホームに問い合わせておくとよいでしょう。
老人ホームでの1日の生活の流れ
老人ホームでの1日のスケジュールは、施設によって異なります。
ここでは一例として、基本的な老人ホームでの1日の生活の流れをご紹介します。
6:30 | 起床 | スタッフが部屋を巡回し、朝の身支度のお手伝いをします。要介護の方には、排泄や着替え、洗面などの支援も行います。 |
7:00 | 朝食 | 基本的には共有スペースの食堂で朝食を取ります。要介護の度合いによっては部屋でスタッフの支援を受けながら食事をとります。 特に食事に制限が設けられていない場合は全員共通のメニューですが、持病がある方や嚥下機能が弱っている方などには、その人に合ったメニューが提供されます。 |
9:00 | 健康チェック | スタッフによって血圧や体温、脈拍などの測定が行われます。気分はどうか、昨夜はよく眠れたか、などのヒアリングも実施し、必要な時は医師や看護師による診療や治療を受けることもあります。 |
10:00 | 入浴 | 健康に問題がない場合は、施設内で入浴します。入浴介助が必要な方は、スタッフの手を借りて機械浴などを行います。 |
12:00 | 昼食 | 朝食と同じ場所で昼食を取ります。 |
14:00 | レクリエーション | レクリエーションルームなどで、スタッフが企画した活動を行います。施設内で行う活動が多いですが、自立している方を多く受け入れているホームでは、屋外に散歩に行ったりする場合もあります。 なお、レクリエーションへの参加は任意なので、余暇時間を自室で過ごす方もいます。 |
15:00 | おやつ | 食堂でおやつを食べます。高齢者向けに作られたものが多いですが、和菓子だけでなく洋菓子などが出されることもあります。 ホームによっては、スタッフの手作りのお菓子が提供されたり、一緒におやつを作るレクリエーションを実施したりするところもあるようです。 |
16:00 | 機能訓練、くつろぎ時間 | 体の状態に応じた機能訓練を実施します。リハビリが不要な方は、同じ入居者の方と共用スペースで談笑したり、自室でテレビや読書を楽しんだりします。 |
18:00 | 夕食 | 食堂で夕食を取ります。 |
19:30 | 夜の身支度 | スタッフが各部屋を巡回し、必要な方へ夜の身支度(パジャマへの着替えや歯磨き、洗面など)を行います。 | 20:00 | 就寝 | 介護付有料老人ホームなどでは、入居者が就寝している夜間でも交替でスタッフが常駐し、必要に応じて排泄介助をしたり、体位を交換したりします。緊急時のコールに対応するのもスタッフの仕事です。 |
【まとめ】老人ホームでの過ごし方は施設によって異なる
老人ホームは、施設の種類によって入居している方の属性が異なるため、導入している設備の種類やサービスの内容に差があります。
基本的には、介護や医療、リハビリテーション、食事、レクリエーション、入浴などが主な活動となりますが、施設によってはその他にもいろいろなサービスを受けられる場合がありますので、詳細はホームに直接問い合わせましょう。
老人ホームをサービスや設備で比較したいのなら、「あなたらしく」を利用するのがおすすめです。