介護予防における運動の重要性や注意点を詳しく解説

2025年5月1日

介護予防における運動の重要性や注意点を詳しく解説

介護予防とは、要介護状態になるのを防いだり遅らせたりするための取り組みです。

 

身体機能は年齢とともに低下していきますが、適度な運動を続ければ悪化を防ぐことも可能となります。

 

健康寿命を伸ばすためにも、ぜひ介護予防のための運動を取り入れてみましょう

 

この記事では、「高齢者におすすめの運動」について詳しくご紹介します。

 

 

介護予防における運動の重要性

介護予防における運動の重要性
 
高齢者が要介護状態になることを極力防ぐことを介護予防と呼びます(※)。

 

介護予防には、既に介護を必要とする方の状態が悪化しないよう努めたり改善を目指したりすることも含まれます。

 

介護予防の効果的な取り組みの一つが日々の運動習慣です。

 

まずは、「運動がなぜ介護予防につながるのか」について詳しくご紹介します。<・p>

 

>>※厚生労働省「介護予防マニュアル」p1

 

生活習慣病を予防できる

 
生活習慣病は、食事や運動、心的ストレスなど生活習慣と深く関わりのある病気の総称です。

 

運動不足や栄養不足の状態が続くと、高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった症状が起こりやすくなります。

 

日々の運動によってエネルギーを消費すれば、肥満を原因とした生活習慣病にかかりにくくなるほか、運動には血管を強くし血流をアップさせる効果もあります。

 

適度な運動習慣を付けることで、脳卒中や心臓病といった病にもかかりにくくなるでしょう。

 

フレイルの防止や改善につなげられる

 
歳を重ねると筋肉量が減少し、持久力の低下も起こりやすくなります。

 

体が虚弱になってしまうフレイルは、要介護状態の一歩手前の段階です。

 

フレイルの状態を放置すると、身体機能はますます低下してしまいます。

 

要介護や寝たきりの状態になってしまうのを防ぐためにも、適度な運動を続けることが大切です。

 

体のこわばりを改善できる

 
日々の運動習慣は、腰痛や肩こり、膝の痛みなどを和らげることにもつながります。

 

体が痛いからと運動を避けていると、筋力が低下し関節も固くなり、痛みがどんどん強くなってしまいます。

 

体の痛みを和らげるためには、ストレッチや体操といった方法で体を動かすことが重要です。

 

認知機能の維持や向上につなげられる

 
認知機能とは、記憶や思考、理解や判断といった知的機能の総称です。

 

高齢になると次第に認知機能が低下していきます。

 

しかし、頭や体をしっかりと動かす習慣を身に付ければ、脳に酸素や栄養が行き渡るようになり、認知機能の低下を防ぎやすくなります

 

認知症の発症を抑えたり遅らせたりするためにも、ぜひ積極的な運動を取り入れましょう。

 

高齢者に適した運動

高齢者に適した運動
 
介護予防のためには、毎日の生活に適度な運動を取り入れることが大切です。

 

しかし、どのような運動をしたらいいかと悩んでしまう方や、運動に対して消極的な思いを抱える方もいるかもしれません。

 

ここからは、「気軽に取り入れられる運動」について詳しく解説していきます。

 

ストレッチ

 
柔軟体操とも呼ばれるストレッチは、室内で手軽に行える運動です。

 

ストレッチを続けると筋肉の柔軟性が向上し、関節の痛みや体のこわばりが改善しやすくなります。

 

腰や膝の筋肉を伸ばすストレッチ、足首の曲げ伸ばしや上体ひねりのストレッチなど、さまざまな動きを取り入れてみましょう。

 

テレビを見たり音楽を聴いたりしながら取り組めるのがストレッチの良さです。

 

スキマ時間を使って、気軽にストレッチを続けていきましょう。

 

体操

 
毎日の習慣として体操を取り入れるのもおすすめの方法です。

 

体操には、立ち上がって行うもののほか、椅子に座ったまま取り組めるようなものもあります。

 

毎日決まった時間にラジオ体操をしたり、テレビで放映される体操に合わせて体を動かしたりしてみましょう。

 

筋力トレーニング

 
筋力トレーニングもおすすめの運動の一つです。

 

筋力トレーニングというと重いダンベルを持ったり負荷の高いマシンを使ったりするイメージがあるかもしれません。

 

しかし、高齢者が急に難しい筋力トレーニングをすると、かえって体に負担がかかるおそれもあります。

 

まずはかかと上げやもも上げ、膝伸ばしや股開きなど、簡単なトレーニングから始めてみましょう。

 

椅子を使って立ち上がったり座ったりする椅子スクワットも、足の筋力向上に役立ちます。

 

ほかに、膝をついての腕立て伏せ、仰向けになって軽く上体を起こす腹筋などの筋力トレーニングも効果的です。

 

ウォーキング

 
有酸素運動の一種であるウォーキングにも介護予防や体力向上の効果が期待できます。

 

しっかりと歩いて脂肪を燃焼させれば、生活習慣病の原因となる高血圧や高血糖、高コレステロールといったトラブルを防ぎやすくなります。

 

また、ウォーキングの効果を高めるには、姿勢や歩き方を工夫することも大切です。

 

歩くときには背筋を伸ばし、膝を伸ばしてかかとから着地し、足の指で地面を押すように意識しましょう。

 

近所を散歩したり、観光地を歩いたり、雨の日にはショッピングモールを散策したりと、意識的にウォーキングを続けていきましょう。

 

水中ウォーキング

 
ウォーキングの効果をさらに高めたい方は、プールでの水中ウォーキングを行いましょう。

 

プールに入ると水の抵抗がかかるため、筋力向上の高い効果が見込めます。

 

また、浮力によって体重が支えられるため、腰や膝の関節にかかる負担が和らぎやすくなります。

 

水圧によって血液循環が良くなり、心肺機能も高まりやすくなるなど、プールでの運動にはメリットが多いです。

 

介護予防のために効率良く運動をしたい方は、ぜひプールでのウォーキングを試してみましょう。

 

シニア向けの運動についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。

 

『シニア世代に人気のある運動ランキング!それぞれのメリットや継続のコツについて』
⇒ ご参照ください。

 

高齢者が運動するときの注意点

高齢者が運動するときの注意点
 
継続的な運動には筋力向上や免疫力向上といった多くのメリットがあります。

 

しかし、無理な運動をすると体に負担がかかってしまうこともあるので気を付けましょう。

 

ここからは、「運動をするときの注意点を3つ」ご紹介します。

 

無理な動きは避ける

 
無理な運動を行うと、かえって体を悪くする可能性があるため、安全のためにも無理な動きは避けましょう

 

運動の前に体操やストレッチで体をほぐせばケガを予防できます。

 

運動のあとに整理体操をして体の疲労感を軽減させることも重要なポイントです。

 

体調を確認する

 
身体機能に不安がある方は、運動を始める前に脈拍や血圧を測定しましょう。

 

また、発熱やケガといった体の異常がないかを確認しておくことも大切なポイントです。

 

脈拍や血圧の状態が普段と異なるときは運動を控えて体を休めましょう。

 

水分補給を行う

 
運動の前後や最中には意識的な水分補給を行いましょう

 

高齢者は体内の水分量が少ない傾向にありますし、加齢の影響で喉が乾いた感覚も鈍っています。

 

水分補給をせずに運動をすると熱中症や体調不良のリスクが大きく高まるため注意が必要です。

 

また、水分不足によって運動パフォーマンスが低下する恐れもあります。

 

安全に体を動かし、そのパフォーマンスを最大限に発揮するためにも、こまめな水分補給を欠かさないようにしましょう。

 

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