フレイルを予防するには?必要な運動や食事対策を紹介

2025年4月2日

フレイルを予防するには?必要な運動や食事対策を紹介

フレイルとは、加齢によって心身の機能や活力が低下し、健康障害に陥りやすい状態になることを指します。

 

医学用語の「frailty(フレイルティー)」を語源とするフレイルには、「こわれやすさ」「かよわさ」といった意味があります。

 

体が弱ってフレイル状態に至るのを避けるためにも、まずはフレイルの特徴や原因を知っておきましょう。

 

今回は、「フレイル予防の手法」について詳しく解説していきます。

 

 

フレイルの特徴

フレイルの特徴
 
フレイルの基準はさまざまです。

 

一般的には、以下の「5つの特徴のうち3つ以上該当」する場合には、フレイル状態と見なされます。

 

また、1つ以上該当する場合にも、フレイルの前段階と判断されます。

 

  • 体重が減少している
  • 疲れやすい
  • 歩行速度が落ちている
  • 握力が落ちている
  • 身体活動量が低下している

 

順に見ていきましょう。

 

体重が減少している

 
特に思い当たることがないにもかかわらず、体重が大きく減少している場合には、フレイルに注意しましょう。

 

体重減少は、消耗性疾患や悪性腫瘍といったトラブルのサインかもしれません。

 

半年で体重が5%以上減少した場合には、かかりつけ医などを受診し、病気が隠れていないかを確認しましょう。

 

疲れやすい

 
すぐに疲れたり、行動がおっくうになったりするのも、フレイルのサインです。

 

理由もなく疲れたような感じがする場合には、フレイルの前兆を疑ったほうが良いかもしれません。

 

心身の疲れの原因は、心的ストレスや体の消耗、心肺機能の低下などさまざまです。

 

また、普段服用している薬が原因で疲れやすくなっているケースもあります。

 

歩行速度が落ちている

 
健康な状態の方は早足できびきびと歩けますが、フレイル状態に陥ると歩行速度が低下してしまいます。

 

運動器の障害や心肺機能の低下の他、貧血などが原因で歩行速度が落ちるケースも少なくありません。

 

歩きにくい、歩行に時間がかかるといった場合には、フレイル予防の対策を検討しましょう。

 

筋力が落ちている

 
年齢を重ねるごとに筋力は少しずつ衰えていきますが、筋力が著しく落ちた状態はフレイルと判断されることがあります。

 

筋肉を使わずに過ごすと、筋力が衰え続けるため、十分な注意が必要です。

 

また、栄養不足や病気、服薬の影響などで筋力が落ちてしまうこともあります。

 

筋力の低下は、握力測定である程度把握できます。

 

握力の基準としては、男性は25kg未満、女性は18kg未満の場合には、改善のための対処をしたほうが良いでしょう。

 

身体活動量が低下している

 
活動の意欲が低下し、外出や移動がおっくうになるのもフレイルの一症状です。

 

定年退職をきっかけに家にいる時間が長くなったり、引っ越しが原因で人付き合いがなくなったりすると、そのまま引きこもってしまう方もいます。

 

人との付き合いを面倒がって過ごしていると、そのまま抑うつ状態に陥る可能性もあります。

 

フレイルを予防するために必要な対策

フレイルを予防するために必要な対策
 
フレイル状態をそのままにしていると、心身の状況の悪化を招き、介護を必要とする状態になる恐れがあります。

 

日々を健康に過ごすためにも、以下のような「フレイルの予防対策」を講じましょう。

 

食事で十分な栄養を摂取する

 
年齢とともに食が細くなる方もいますが、低栄養の状態が続くのは問題です。

 

食事の品数が減り、取り入れる食材が偏ると、栄養のバランスも悪くなります。

 

毎日の献立に少し食材を足して栄養の摂取量を増やしたり、栄養バランスに配慮して作られている配食サービスを利用したりと工夫してみましょう。

 

また、1人で食事をする機会が多くなると、食欲が低下する恐れがあります。

 

家族や友人と一緒に食事を摂る機会を増やすことも、重要なポイントです。

 

口腔ケアに努める

 
食事の内容に気を付けるのと並行して、口腔内のケアにも努めましょう。

 

年齢が高くなると歯が抜けたり歯茎が弱ったりすることが増えるため、硬い食材をうまくかめなくなります。

 

また、食べ物を飲み込む力(嚥下機能)が弱まり、嚥下障害や呼吸困難が起きる可能性もあるでしょう。

 

このようなトラブルがきっかけで食べにくさを感じることが増えると、食事をするのが次第におっくうになります。

 

結果として低栄養の状態が続くこともあるため、適切な口腔ケアは欠かせません。

 

日々の生活の中に、口の中をキレイにするケアや嚥下機能を保つリハビリを取り入れましょう。

 

また、歯医者さんに定期的に口腔チェックをしてもらうことも重要です。

 

運動や体操の習慣を付ける

 
体を動かす習慣がなくなると、筋力が衰えて体が弱っていきます。

 

筋力を維持し、日々を明るく健康的に過ごすためにも、日常的に体を動かす習慣を付けましょう。

 

65歳以上の方は、1日40分くらいを目安にウォーキングやストレッチ、体操などをするのが効果的です。

 

持病をコントロールする

 
高齢になり、糖尿病や心臓病などの慢性疾患を発症する方もいます。

 

持病がきっかけで行動が制限されると、体を動かす機会が減って身体機能が低下することがあるため、注意しましょう。

 

意思や看護師、薬剤師などとうまく連携すれば、持病の悪化をある程度食い止められる可能性があります。

 

健康寿命を伸ばすためにも、持病のコントロールを行いましょう。

 

社会とのつながりを持つ

 
社会的な地位や役割がなくなったり、家族や友人を亡くしたりといった出来事がきっかけで、フレイルの状態に陥るケースもあるようです。

 

家に閉じこもりがちになると体の機能も衰えやすくなり、身体的なフレイルが進行していきます。

 

親しい人と一緒に過ごしたり、サークルやボランティアなどで新たな関係性を築いたりすることが、フレイルの予防につながります。

 

また、家族や友人、趣味の仲間やサークル仲間などと食事をするのも良い方法です。

 

コミュニケーションを取りながら食事をすれば食欲がアップしやすくなりますし、低栄養の状態も避けられます。

 

フレイルになったときに検討すべきこと

フレイルになったときに検討すべきこと
 
心身の不調が生じると、生活面や精神面など、さまざまな部分でトラブルが起きやすくなります。

 

複数の要因によって、心身の調子がドミノ倒しのように重症化していくのがフレイルの問題点です。

 

フレイルの状態になった場合には、食事や運動を通して心身の機能の改善を目指しましょう。

 

適切なケアを続ければ、フレイルからの脱却は十分可能です。

 

一方で、フレイルの状態を放置していると、心身の機能はどんどん衰え、支援や介護を必要とする状態になってしまうこともあります。

 

支援や介護を必要とする状況になった場合には、役所などの公的機関や地域包括支援センター、かかりつけの医師、ケアマネジャーなどに相談しましょう。

 

場合によっては、要支援や要介護の認定を受ける必要があるかもしれません。

 

要支援、要介護と認定された場合には、デイサービスや訪問介護などの介護保険サービスを利用できるようになります。

 

健康なうちから入居できる老人ホームも増えつつあるため、年齢に応じて老人ホームの利用を検討するのも一つの方法です。

 

健康型の老人ホームの多くは、フレイルを予防するさまざまな対策を取り入れています。

 

フレイルの重症化を防ぐためにも、適切なケアを受ける方法を選びましょう。

 

老人ホーム探しを視野に入れている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

 

『老人ホームは何歳から入居が可能?平均年齢やタイミングを解説』
⇒ ご参照ください。

 

老人ホームをお探しなら「あなたらしく」をご活用ください。

 

>>「あなたらしく」を利用して希望の施設を探す