世帯分離 介護で施設費用を少しでも安くできないか悩んでいませんか?
特別養護老人ホーム(特養)などを検討しても、世帯の収入が合算されると高額な費用負担に。
本記事では、世帯分離で介護費用がいくら安くなるのかをシミュレーションで具体的に解説します。
メリットだけでなく、後悔しないためのデメリットや注意点、役所での手続きの流れまで紹介します。
世帯分離で介護費用が安くなる仕組みを解説

世帯分離で介護費用が安くなる仕組みとポイントを紹介していきます。
世帯分離の基本
世帯分離とは、同じ家に同居したまま、住民票の世帯だけを分ける手続きのことです。
たとえば、「夫・妻・子・親」で1つの住民票になっている世帯から、親の住民票だけを独立させて「夫・妻・子」の世帯と「親」の世帯の2つに分けることができます。
これにより、行政上は「別の世帯」として扱われるようになります。
世帯分離で介護が安くなる仕組み
なぜ世帯分離をすると介護費用が安くなるのか。
その理由は、介護保険料や介護サービスの自己負担額が、住民票の世帯の所得によって決められているからです。
子供世帯と親世帯が同じ住民票だと、世帯全体の所得が高くなるため、費用負担も大きくなります。
しかし、世帯分離をして親を独立した世帯にすると、親本人の所得(主に年金収入)だけで費用が判定されます。
これにより、結果として月々の支払いが安くなります。
【シミュレーション】世帯分離で介護費用はいくら安くなる?

それでは、実際に世帯分離をすると、どれくらい費用が変わるのかモデルケースで見ていきましょう。
- 【前提条件】
- 家族:息子夫婦(住民税課税世帯)と要介護3の母親(80歳)が同居
- 母親の収入:公的年金収入のみで年間150万円
- 利用施設:特別養護老人ホーム(多床室)に入所
- 比較項目:①介護サービス費自己負担額、②居住費、③食費
ケース1:世帯分離なし(月額約12万円)
息子夫婦と母親が同一世帯の場合、世帯全体の所得で負担額が決定されます。
- 介護サービス費(2割負担):約44,400円
- 居住費(全額負担):約25,650円
- 食費(全額負担):約49,050円
息子夫婦が課税世帯のため、母親の自己負担は2割となり、高額介護サービス費の上限額も44,400円が適用されます。
また、食費・居住費の補助である負担限度額認定も対象外です。
ケース2:世帯分離あり(月額約6.6万円)
母親の世帯を分離すると、母親本人の所得だけで決定されます。
- 介護サービス費(1割負担):約21,000円
- 居住費(負担限度額適用):約25,650円
- 食費(負担限度額適用):約19,950円
母親本人の所得で判定されるため、負担割合が1割に下がります。
さらに負担限度額認定が適用され、特に食費が大幅に軽減されます。
【比較表】年間約65万円の差額!
| 比較項目 | ケース1:世帯分離なし | ケース2:世帯分離あり |
|---|---|---|
| 合計(月額) | 約119,100円 | 約66,600円 |
| 年間差額 | 約630,000円 |
このケースでは、年間で約63万円もの大きな差額が生まれる計算になります。
これはあくまで一例ですが、世帯分離が家計に与える影響の大きさがわかりますね。
参考:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索:サービスにかかる利用料」
世帯分離で介護費用が安くなる4つのメリット

シミュレーションで見た費用の差は、主に以下の「4つ」のメリットによって生まれます。
介護保険サービスの自己負担額が下がる
世帯分離によって親が住民税非課税世帯になると、介護サービスの自己負担割合が2割(または3割)から1割に下がることがあります。
また、月々の自己負担額の上限を定める高額介護サービス費制度の上限額も低くなり、負担が軽減されます。
特別養護老人ホーム(特養)などの施設利用料が安くなる
これが最も大きなメリット。
世帯分離をして親が住民税非課税世帯になると、負担限度額認定証の交付を受けられる可能性が高くなります。
これにより、特別養護老人ホームや介護老人保健施設(老健)などに入所した際の食費や居住費(部屋代)が、所得に応じた上限額までに抑えられます。
参考:島根県松江市「負担限度額認定について(施設に入所した際の食費・居住費の軽減)」
介護保険料そのものが安くなる可能性がある
65歳以上の方(第1号被保険者)の介護保険料は、世帯の住民税課税状況によって決まります。
世帯分離によって親が住民税非課税世帯になることで、保険料の段階が下がり、年間の支払額が安くなることがあります。
国民健康保険料や医療費が安くなる可能性がある
75歳以上の後期高齢者医療制度の保険料や、病院での窓口負担の上限額(高額療養費)も、世帯の所得に応じて決まります。
世帯分離をすることで、これらの負担も軽減される可能性があります。
世帯分離で後悔しないための注意点とデメリット

世帯分離で介護費用が安くなる大きなメリットがある一方、必ず知っておくべき注意点も存在します。
国民健康保険料が高くなるケースも
親が会社の健康保険(扶養)ではなく、国民健康保険に加入している場合、注意が必要です。
世帯分離をすると、これまで1世帯分だった平等割が2世帯分かかることになり、世帯全体で見たときの国民健康保険料の総額が上がってしまうことがあります。
会社の健康保険の扶養から外れる
子どもが親を会社の健康保険の扶養に入れている場合、世帯分離をすると扶養から外さなければならなくなります。
これにより、親は国民健康保険に加入し直す必要があり、新たな保険料が発生します。
また、会社から支給されていた扶養手当がなくなる可能性もあります。
役所で介護目的の世帯分離が認められない可能性
世帯分離は、原則として生計が別であることが前提です。
窓口で理由を聞かれた際に「介護費用を軽減するため」とだけ答えると、実態として生計は同一だと判断され、申請が認められないケースがあります。
行政サービスが受けにくくなる可能性
同一世帯であれば受けられた行政からの案内が届かなくなったり、手続きの代行がしにくくなったりと、細かな不便が生じる可能性もゼロではありません。
介護目的の世帯分離の手続きタイミングと流れ

世帯分離を決めたら、いつ、どこで、どのように手続きを進めればよいのでしょうか。
ベストなタイミングはいつ?
一般的には、介護保険サービスを本格的に利用し始めるタイミングや、老人ホームへの入居が決まったタイミングで手続きを行うのが効果的です。
費用負担は月単位で計算されるため、月末までに手続きを完了させましょう。
手続きはどこで誰ができる?
市区町村の役所(住民課など)の窓口で行います。
手続きは、本人、世帯主、または同一世帯の家族が行うことができます。
委任状があれば代理人でも可能です。
必要な書類一覧
- 窓口に行く本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑(認印で可)
- 国民健康保険証(加入している場合)
- 委任状(代理人が手続きする場合)
※自治体によって異なる場合があるため、事前にホームページなどで確認しましょう。
手続きにおける注意点
役所の窓口で世帯分離の理由を聞かれた場合は、「親の年金収入で独立して生計を立てるため」など、生計が別であることを客観的に説明できるようにしておくとスムーズです。
「在宅介護 限界を感じ施設を探している」といった背景を正直に話すことも有効な場合があります。
まとめ
世帯分離は介護費用を大きく軽減できる可能性を秘めた、知っておくべき重要な制度です。
経済的な不安は、介護をする上での大きなストレス。
利用できる制度を正しく理解し、賢く活用しましょう。
世帯分離だけでなく、さまざまな老人ホームの種類や費用について知ることも選択肢を広げるのに役立ちます。
これらに悩みがあれば、1人で抱え込まず、専門家にご相談ください。
今すぐ相談したい人は【あなたらしく公式HP】をご覧ください!
世帯分離 介護についてよくある質問
ここでは、世帯分離 介護についてよくある質問をまとめています。
世帯分離の介護をしたほうがいいのはどんな場合ですか?
親が住民税非課税世帯になることで、介護保険の負担限度額認定を受けられる場合は、メリットが非常に大きくなります。
特に、特別養護老人ホームなどへの入所を検討しており、現在の世帯所得では費用負担が重い家庭におすすめです。
世帯分離を断られた場合はどうしたらよいですか?
なぜ認められなかったのか理由を確認しましょう。
「生計が同一」と判断されたのであれば、公共料金の支払い名義を分けるなど、生計が別であることを示す客観的な証拠を揃えて再度相談することが考えられます。
世帯分離が認められない理由は何ですか?
最も多いのは「生計が同一である」と判断されるケースです。
たとえば、親の年金収入だけでは明らかに生活が成り立たず、子からの経済的な援助がなければ暮らせない場合などは、実態として生計が同一と見なされ、認められないことがあります。




