介護負担割合証が市区町村から届いたものの、この「1割」「2割」という数字で老人ホーム費用が具体的にいくらになるのかわからず不安になっていませんか?
介護負担割合証とは、介護保険サービスを利用するときに“自己負担が何割か”を示す証明書です。
本記事では、介護保険の負担割合が決まる基準から、知らないと損をする「高額介護サービス費」など、費用負担を安くする4つの公的制度まで専門家が解説します。
介護負担割合証とは?

介護負担割合証とはなにか、基本から確認していきましょう。
介護サービスの自己負担割合を示す公的な証明書
介護負担割合証とは、その名の通り、訪問介護やデイサービス、施設入所といった介護 サービスを利用した際に、利用者が支払う自己負担の割合が何割になるかを示す公的な証明書です。
原則は1割負担ですが、現役世代並みの所得がある方については、所得に応じて2割または3割の負担が求められます。
この証明書をサービス事業者や施設に提示することで、自分の負担割合に基づいた正しい金額でサービスを利用できる仕組みです。
介護負担割合の見方|確認すべき3つのポイント
介護負担割合証で確認すべきポイントは以下の「3つ」です。
- 利用者負担割合:最も重要な項目で、1割、2割、3割のいずれかが記載されている
- 適用期間:負担割合がいつからいつまで適用されるかを示す
- 被保険者情報:利用者本人の氏名や住所、介護保険の被保険者番号などが記載されている
適用期間は、原則として毎年8月1日~翌年7月31日までの1年間で毎年見直されます。
介護保険被保険者証との違いは?
介護保険に関する書類には、「介護保険被保険者証」もあります。
この「2つ」は役割が異なります。
| 項目 | 介護保険被保険者証 | 介護負担割合証 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 介護保険の加入者であることを証明する | 介護サービス利用時の自己負担割合を証明する |
| 記載されている主な情報 | 被保険者番号・氏名・住所・生年月日・要介護状態区分・認定の有効期間 | 利用者負担割合・適用期間 |
| 有効期間 | 65歳となったとき(第1号被保険者)、要介護・要支援認定を受けたとき | 毎年1回(通常7月ごろ)、要介護・要支援認定を受けている人に交付 |
| 一言でいうと | 介護保険の身分証明書 | 自己負担額の割合を示す証明書 |
サービスを利用する際は、基本的にこの2つをセットで提示する必要があります。
どちらも大切な書類なので、まとめて保管しておきましょう。
介護保険の負担割合が決まる基準とは?

介護保険の負担割合は、前年の所得をもとに判定されます。
判定の基準は本人の合計所得金額と世帯の所得
負担割合の判定は、まずサービスを受ける本人の合計所得金額をもとに行われます。
その後、同じ住民票に記載されている65歳以上の人(世帯員)の所得も考慮されて、最終的に1割・2割・3割のいずれかに決定されます。
毎年、前年の所得が確定した段階で見直しが行われ、新しい負担割合証が7月ごろに交付されます。
1割・2割・3割の所得基準を解説
負担割合がどれに該当するか、以下の基準を参考にしてください。
| 負担割合 | 本人の合計所得金額 | 世帯状況(65歳以上)と「年金収入+その他合計所得金額」 |
|---|---|---|
| 1割 | 160万円未満 | ー |
| 1割 | 160万円以上220万円未満 | 単身の場合:280万円未満 2人以上の場合:346万円未満 |
| 2割 | 220万円以上 | 単身の場合:280万円以上340万円未満 2人以上の場合:346万円以上 |
| 3割 | 220万円以上 | 単身の場合:340万円以上 2人以上の場合:436万円以上 |
合計所得金額とは、収入から必要経費等を差し引いたもので、基礎控除や扶養控除などを差し引く前の金額です。
参考:神戸市FAQ「介護保険の負担割合証が届きましたが、負担割合について教えてください。」
第2号被保険者(40~64歳)の負担割合は一律1割
若年性認知症や特定の疾患により40歳から64歳で要介護認定を受けた人(第2号被保険者)の負担割合は、所得にかかわらず、一律で1割となります。
介護負担割合証以外の老人ホームの費用負担を安くする4つの制度

介護保険には、自己負担額を軽減するための様々な制度が用意されています。
知っているかどうかで、月々の支払額が大きく変わる可能性もあります。
高額介護サービス費:月の自己負担額に上限を設定
高額介護サービス費は、同じ月に支払った介護保険サービスの自己負担額(1割~3割の部分)の合計が、所得ごとに定められた上限額を超えた場合、超えた分が後から払い戻される制度です。
たとえば、住民税課税世帯の方の上限額は月々44,400円です。
申請が必要な場合が多いため、住んでいる市区町村に確認しましょう。
負担限度額認定証:食費・部屋代を軽減
負担限度額認定証は、特別養護 老人ホームなどの介護保険施設に入所した際の「食費」と「居住費(部屋代)」の負担を軽くする制度です。
対象は、住民税非課税世帯の方など所得や預貯金が一定額以下の人に限られます。
この認定証を施設に提示することで、自己負担額を大幅に抑えることが可能です。
高額医療・高額介護合算療養費制度:医療費も介護費も高い場合に
高額医療は、1年間(毎年8月1日~翌年7月31日)に支払った医療保険と介護保険の自己負担額を合算し、それでもなお高額になる場合に、基準額を超えた分が支給される制度です。
持病などで医療費の負担も大きい場合は、ぜひ活用を検討してください。
世帯分離:介護保険の負担割合が変わるケースも
これは制度の活用とは少し異なりますが、親と同じ住所のまま住民票の世帯を分ける「世帯分離」を行うことで、負担割合が変わる可能性があります。
ただし、国民健康保険料が変わるなどデメリットもあるため、実行は慎重に検討しましょう。
【費用シミュレーション】1割と2割で月々いくら違う?

負担割合によって実際の支払額はどれくらい変わるのでしょうか。
モデルケースで見ていきましょう。
老人ホームの費用構造を理解する
まず大切なのは、老人ホームの月額費用は「介護サービス費」と「その他の費用(家賃・食費・管理費など)」で構成されている点です。
介護負担割合証が影響するのは、このうちの「介護サービス費」の部分だけです。
その他の費用は全額自己負担となります。
この構造を理解した上で、老人ホーム 費用相場を把握することが重要です。
ケース1:要介護3で特別養護老人ホームに入居した場合
- 介護サービス費:約80,000円/月
- その他費用(居住費・食費など):約60,000円/月
- 【1割負担の場合】
(介護サービス費 80,000円×0.1)+その他費用 60,000円=月額約68,000円 - 【2割負担の場合】
(介護サービス費 80,000円×0.2)+その他費用 60,000円=月額約76,000円
このケースでは、月額で8,000円、年間で96,000円もの差が出ることになります。
ケース2:要介護3で介護付き有料老人ホームに入居した場合
- 介護サービス費:約80,000円/月
- その他費用(居住費・食費など):約140,000円/月
- 【1割負担の場合】
(介護サービス費 80,000円×0.1)+その他費用 140,000円=月額約148,000円 - 【2割負担の場合】
(介護サービス費 80,000円×0.2)+その他費用 140,000円=月額約156,000円
施設の種類によって総額は大きく変わりますが、負担割合による差額は同様に発生します。
正しい老人ホーム 探し方を知り、自分の予算に合った施設を選ぶことが大切です。
まとめ
介護負担割合証は、単なる通知書ではなく、これからの生活、そして家族の資金計画を立てるうえで欠かせない重要な書類です。
まずは、手元の負担割合証を確認し、「4つ」の費用軽減制度が使えないかチェックしてみてください。
とはいえ、制度は複雑で、どの施設が最適なのか判断するのは大変。
そんな時は、1人で抱え込まずに、私たちのような専門家へ相談することをおすすめします。
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介護負担割合証についてよくある質問
ここでは、介護負担割合証についてよくある質問をまとめています。
介護負担割合証の再発行はできますか?
はい、可能です。
紛失・破損した場合は、お住まいの市区町村の介護保険担当課の窓口で再交付申請を行ってください。
申請には本人確認書類やマイナンバーカードなどが必要になる場合があります。
介護負担割合証はいつ届きますか?
原則として、毎年7月中旬から下旬にかけて、市区町村から対象者に郵送されます。
新しい負担割合証の適用期間は8月1日から翌年7月31日までです。
介護保険の負担割合はどうやって確認しますか?
「介護負担割合証」をご確認ください。
表面の「利用者負担割合」という欄に、「1割」「2割」「3割」のいずれかが明記されています。




