介護保険の区分について、老人ホーム探しを機に調べ始めたものの、「要支援」「要介護」といった専門用語が多く困っていませんか?
本記事では、介護保険の7段階ある区分の違いを一覧表で比較し、自分の親がどれに該当するか目安がわかるセルフチェックも用意しました。
さらに、要介護度別にどんな老人ホームに入れるのか、費用面も含めて施設選びで失敗しない3つの重要ポイントを紹介します。
介護保険の区分とは?

介護保険の区分とはそもそも何なのか。
まずは基本的な言葉の定義から確認しましょう。
要支援と要介護の違い
要支援と要介護は、心身の状態を示す大きな分かれ道です。
要支援とは、基本的には自分で身の回りのことができるものの、立ち上がりや入浴などで部分的な手助け(支援)が必要な状態で、適切な支援によって、状態の維持・改善が見込める人が対象となります。
要介護とは、立ち上がりや歩行、排泄、入浴といった日常生活のさまざまな場面で、常にだれかの手助け(介護)が必要な状態です。
簡単に言えば、「これから介護が必要にならないように予防する」のが要支援、「すでにある生活の困難さを支える」のが要介護とイメージするとわかりやすいでしょう。
なぜ7段階?心身の状態に合わせて適切なサービスを受けるための介護区分
介護保険の区分は要支援1・2と要介護1~5の合計7段階に分かれています。
なぜこんなに細かく分かれているのでしょうか?
それは、それぞれの心身の状態に本当に必要なだけの、適切な介護サービスを提供するためです。
たとえば、少し支えがあれば歩ける人と、寝たきりの人では、必要な介助の内容も時間も全く異なります。
この状態を客観的に判断し、公平なサービスを提供するためのものさしが、この7段階の介護度区分なのです。
【一覧表】7段階の要介護状態の区分|心身の目安と利用できるサービスを比較

それでは、具体的に7段階の区分がそれぞれどのような状態の目安で、どのような介護 サービスが利用できるのか見ていきましょう。
※支給限度額は、住んでいる地域によって異なります。
| 区分 | 心身の状態の目安 | 利用できる主な介護サービス | 1ヶ月の 支給限度額 |
|---|---|---|---|
| 要支援1 | 日常生活はほぼ自立。立ち上がりや歩行に不安定さが見られることがある。掃除や買い物などで一部手助けが必要。 | 介護予防訪問介護、介護予防通所リハビリテーション(デイケア)など | 50,320円 |
| 要支援2 | 立ち上がりや歩行に支えが必要な場面が増える。食事や排泄は自立しているが、入浴や着替えに一部介助が必要。 | 上記に加え、介護予防福祉用具貸与、グループホーム(認知症の場合)など | 105,310円 |
| 要介護1 | 食事や排泄はほぼ自立。立ち上がりや歩行に部分的な介助が必要。問題行動や理解の低下が見られることがある | 訪問介護、通所介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステイ)など | 167,650円 |
| 要介護2 | 食事や排泄にも一部介助が必要になる。立ち上がりや歩行に支えがなければ難しい。衣服の着脱や入浴に介助が必要。 | 上記に加え、一部の施設入居サービスが検討可能に。 | 197,050円 |
| 要介護3 | 排泄、入浴、着替えなど日常生活全般にほぼ全面的な介助が必要。立ち上がりや歩行が自力では困難。 | 在宅サービスに加え、特別養護老人ホームへの入居が原則可能になる。 | 270,480円 |
| 要介護4 | 介護なしでは日常生活を送ることが困難。思考力や理解力の低下が顕著に見られることがある。 | 在宅・施設サービスを組み合わせ、手厚い介護が必要。 | 309,380円 |
| 要介護5 | ほぼ寝たきりの状態。食事や排泄を含め、生活全般において全面的な介護が必要。意思の伝達も困難な場合が多い。 | 在宅での生活継続は難しく、施設サービスが中心となる。 | 362,170円 |
参考:朝日生命「介護サービスの自己負担額は?負担額の判定方法と軽減制度も紹介」
要介護度の簡単セルフチェック

「一覧表を見ても、どれに当てはまるのかピンとこない…」という人もいるでしょう。
以下のリストは、認定調査のポイントをもとにしたセルフチェックです。
※あくまで大まかな目安で、実際の要介護度を保証するものではありません。
- 【身体機能】
- ◻︎ 立ち上がりや起き上がりに、支えや手助けが必要だ
- ◻︎ 歩行が不安定で、杖や手すり、介助が必要になることがある
- ◻︎ 浴槽をまたぐ、体を洗うなど、入浴に介助が必要だ
- ◻︎ トイレでのズボンの上げ下ろしや後始末に、一部手助けが必要だ
- ◻︎ 服の着脱や、ボタンをかけるなどの動作に手助けが必要だ
- 【生活機能・認知機能】
- ◻︎ 日用品の買い物や、食事の準備を1人でおこなうのが難しい
- ◻︎ 公共料金の支払いや、預貯金の管理を1人でおこなうのが不安だ
- ◻︎ 電話番号を調べたり、かかってきた電話の用件を忘れることがある
- ◻︎ 自分の名前や年齢を、時々間違えてしまうことがある
- ◻︎ 今日が何月何日か、自分がどこにいるのか分からなくなることがある
- 【チェックの目安】
- 0~1個:自立、または要支援1・2の可能性
- 2~4個:要介護1・2の可能性
- 5個以上:要介護3以上の可能性
介護保険の区分と入れる老人ホームの関係

要介護度がわかると、入居できる老人ホームの種類が見えてきます。
| 区分 | 主な入居可能施設 | 備考 |
|---|---|---|
| 自立 | 住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、ケアハウス | 介護が必要になった場合、外部の介護サービスを利用します。 |
| 要支援1・2 | 介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サ高住、ケアハウス、グループホーム(認知症の場合) | 施設によって入居基準が異なります。 |
| 要介護1以上 | 上記に加え、介護老人保健施設(老健)、介護医療院など | 選択肢が増えます。 |
| 原則要介護3以上 | 上記に加え、特別養護老人ホーム(特養) | 公的施設で費用が安いため人気が高く、入居条件が厳しくなっています。 |
老人ホーム選びで迷った場合は、ぜひ「あなたらしくナビ」で電話での無料相談をご活用ください。
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要介護度で施設選びを失敗しない3つのポイント

ここで最も重要なポイント。
要介護度と施設の関係を理解したうえで、後悔しない老人ホームの選び方のコツを3つ紹介します。
今の介護区分だけでなく将来の心身変化を見据えた判断
「今の要介護度で入れるから」という理由だけで施設を決めるのは待ってください。
人の心身の状態は変化します。
もし老人ホーム 入居後に要介護度が上がった場合、「この施設では対応できません」と退去を求められるケースもゼロではありません。
- 【チェックポイント】
- 要介護度が上がった場合も、住み続けられるか(終身利用は可能か)
- 看取りまで対応してくれるか
- 医療ケアやリハビリ体制は充実しているか
介護保険の支給限度額と自己負担額を把握する
先の表で見たように、要介護度ごとに介護保険でカバーできる上限額(支給限度額)が決まっています。
施設の月額利用料だけで判断せず、以下の点を考慮して総額費用をシミュレーションしましょう。
- 月額利用料:家賃、管理費、食費など
- 介護サービス費の自己負担:支給限度内のサービス費の1~3割
- 限度額を超えたサービス費:全額自己負担
- その他実費:おむつ代、理美容代、医療費など
状態が合わないと感じたら相談し介護認定の区分変更をする
一度決まった要介護度が、ずっと続くわけではありません。
病気やケガで状態が急に変わったり、リハビリで回復したりすることもあります。
もし、現在の区分と本人の状態が合っていないと感じたら、いつでも「区分変更申請」が可能です。
ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみましょう。
まとめ
老人ホーム探しは、わからないことだらけで不安に感じるかもしれません。
しかし、介護保険の区分というものさしを正しく理解することで、後悔しない施設選びができるようになります。
何から始めたらよいか迷ったら、まずは、「あなたらしくナビ」の無料相談や、住んでいる地域の「地域包括支援センター」に相談してみましょう。
希望に合わせた施設が見つかるはずです。
介護保険 区分についてよくある質問
ここでは、介護保険 区分についてよくある質問をまとめています。
介護保険の区分で要介護認定で一番多いのはどの段階ですか?
厚生労働省のデータによると、最も認定者数が多いのは要介護1で、次いで要介護2となっています。
この2段階で全体の約4割を占めています。
介護保険区分の第1号被保険者とはなんですか?
65歳以上の方を第1号被保険者と呼びます。
原因を問わずに、介護や支援が必要になった場合に認定を受け、サービスを利用できます。
ちなみに、40歳から64歳までの方は「第2号被保険者」といい、特定の病気が原因で介護が必要になった場合に認定の対象となります。
要介護1から2の違いは何ですか?
大きな違いは、日常生活における介助の必要度です。
要介護1は立ち上がりや歩行に部分的な介助が必要な状態ですが、要介護2になると、それに加えて食事や排泄にも一部介助が必要になるなど、より手厚いサポートが求められる状態を指します。




